主≠監。
betray the tongueⅣ
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『ハハッ……驚いたな……。けど嬉しいよ』
『っ……』
『まあ……何されてもいいなんて言われたら…また犯したくなるけどな。……お前がやらって言う焦らしも……もっといっぱいしてやりたくなる……フフ』
『…っ……うぅ…だ、め……だよぅ……もう、ほんとに……』
『ハハッ……ああ分かった、それじゃあ……セックス。つづきしような?名無し……』
終わりが来るまで……が、例えばこの部屋を借りた制限時間だとすれば、その終わりまでずっとずっと抱き潰すこともできた。
トレイの中でその欲望が少し和らいだのは、名無しはこんなにも優しいのだと改めて思えたからだ。
恥ずかしい行いを進行形で浴びせられても、自分よりも相手を想い、どころかむしろ敬うかのような気持ちでいるということ。
そうやって純心さえ帯びた愛情表現が言葉として乗せられれば、今度は自分も名無しに優しくしたいと思わされた。
『つづ…き……ん、……え、…舐……?』
『うん?どうした名無し……ほーらおねだりは?つづけるために必要だろう?フッ』
『ッ……あ……!んん……んぅ…ちゅ……』
『チュ……。ちゃんと……んーそうだな。……ん、お前が言いやすいように俺の耳、こうしててやるから。……上手に言えるかな……?』
『ッ……』
――頭を撫でて、髪は毛先に触れて、優しくキスをする。
その素振りを見せる瞬間だけは、笑顔を絶やさないいつものトレイが居た。
名無しは決して打算的に言葉を並べるような女性ではなかった。
けれどその後、結局トレイは満たされながらも、驚嘆させられながらも自我を貫くことで、先刻からの行為の続きを名無しに匂わせた。
少しは甘く、やわらかな空気は戻ったとは思う。
それでも根本的なものは変わらなかった。
名無しの身に覆い被さりながら顔を向き合わせたのち、トレイはそっと自身の耳を、彼女の潤ましい唇へと近付けた。
『ト……』
『フッ……息吐いて俺の名前呼ぶだけか?それじゃあくすぐったいだけだぞ……名無し?』
『っ……あ…、ッ…――』
トレイはこのとき、すぐにでもまた名無しのなかへと挿入り、激しく腰を突き動かしたいと思っていた。
のちのちそうするのは確定事項として、簡単に言えばそれまでに寄り道をしたようなものだろう。
恥ずかしがりながらも純情な自身への想いを紡ぐ、その言葉を耳元で聞きたいという欲望が途中で芽生えたのだ。
もっともトレイが訊きたがったものは、愛情表現に何重にも卑猥さが重なった淫語ではあったけれど。
それにいざ話せと言われれば、名無しが口噤むのも無理はない。
相応の勢いと覚悟もなければ、簡単には話せなかった。
『ん?――……!ッ……』
ねだられた数秒間。
無言の間に気まずさよりも響く、二人の息遣い。
つま先を少し動かして聞こえるシーツの掠れが、意外にもトレイの痺れを切らすよりも先に、名無しを動かしてゆく――。
『ッ…ん!……ちゅ…っはぁ……。んん……ちゅる……ハァ…トレイ……』
『ン……ッ…ぁ、……名無し……?』
『ちゅ、はぁ……、――……こう…やって……舌先…あて……ぐりぐりって…それでいっぱい、ぐちゅぐちゅって……ハァ…』
『…ッ……、…それで……?聞こえない……もっと分かるように言ってみろ』
『っ……!――……ン……お、と……いやらしいの立て…て……名無しのクリ…またいっぱいトレイの舌で舐めて……激しく。はやくクリで…イかせ…て、ください…ッ…――』
トレイはそのとき、再び短いスパンで目を見開いていた。
名無しに驚かされるにしても、それは彼にとってあまりにも予想外の出来事で、不思議と口角がにじり上がりどうしようもない高揚感を覚えた。
予期していなかった、片方の耳に唐突に駆け巡った、名無しの舌の感触。
たまらなく感じた気持ちよさに脳裏で抱いた感覚は、まるで彼女に愚息を喉奥まで押し込んで、ぐっぽりと口淫させたときのようにも思えた。
勿論、形容が大げさになるのは、恥じらいながら上手に言えた名無しの言葉の所為でもある。
トレイは今の名無しには文句のつけようもなく、改めてぎらつく下半身から、男特有の潤滑を垂らしていた。