主≠監。
betray the tongueⅣ
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『ん……?じゃあ乳首…んむ、ン……』
『ひ……!!』
その所作を匂わせてからは一瞬だった。
何せ名無しがそれを見ていなかったのだから。
まあ、正しくは見ていられるほどの余裕もなかったのだけれど。
つんと勃ち上がり、ぷくりと膨れたいやらしい乳首に触れるトレイの舌は、名無しにとってどれほどの熱を持ったものだっただろうか。
それは待ち焦がれた、懐かしささえ覚えるような。
そのとき大好きな愛撫に名無しが漏らした声は、トレイにとっては意外と思えるものだった。
嬌声とは程遠いそれは、これ以上、恥辱に塗れた姿を愛しい人にさらしたくないという表れか、それとも――。
『――ッ……ッ…ぐ、ん……』
『!ハ……今更……声抑えるのも全部かわいいよ……感じちゃうもんな?乳首。擦れたクリと同じくらい勃って……めちゃくちゃ…、んー……は、んぅ。あー……甘くて美味い』
『…トレイ……だめだってば…ほんと……に……っ、……!ひゃ……』
もしもはしたない姿を少しでも抑えたいと感じていることが名無しにあるのなら、それを払拭させたくなるのが男性側の持つ理想だろう……トレイとてそれは例外ではなかった。
口元を押さえ続けようとする名無しの腕を奪うのが彼の役目だ。
そしてトレイにとっていとも容易かったその行為のおかげで、直後の名無しは再び簡単に嬌声を上げる。
『あ……あぁ……ひっ、んぁ……ッ』
上半身に蠢く甘美な刺激に、下半身に走る猛々しい刺激。
何もかもが名無しの待っていたものである。
確かな意識が官能に満たされ、心まで、望むがままに犯されてゆく……。
『あー……んむ、ちゅ……ン。……ほら、言って?いつもみたいに……大好きな舐められ方があるだろ。……名無し?』
『ッ……――……レ、…吸って、ちくび……ろ、れロって……!!あぁっ……それ……』
『ふふ……ん、はぁ、ッん……はぁ、んん……、ちゅ……きもちい?』
トレイはどんどんとサディスティックな一面を覗かせてゆく。
当たり前のように愛情ありきのそれだけれど、今の名無しには過激なものと思うにはじゅうぶんだった。
恥ずかしい言葉を吐くよう強要され、そうしなければ望むものを与えられない。
ずるずると引き摺られるトレイのペースに溺れていた名無しにとって、抵抗心などはもはや飾りに過ぎない――。
『イ……好い、の、……?!あ……』
『……フッ…なんでそんな焦るんだ?かわいいな……ちょっと抜いたからって』
『っ……らって……』
『お前はほんと……止めて欲しいと思ってるくせに、続けて欲しいんだよな……分かってるよ、名無しの本心なんて。……俺がどれだけお前を見てると思ってる?』
『!』
――この部屋に来て、一体何度感じたことだろう。
”漸く”だの、”待ちに待った”だの。
それらがもし、今日という日が終わるまでずっと続けば、いよいよ自分の理性は溶けてなくなってしまうかもしれない……。
名無しがそういう危機感さえ覚えたのは、好さそうに律動を繰り返していたトレイがふと、自分から離れてしまった所為でもあった。
ベッドに来てからはずっと繋がっていた分、抜かれた名無しにだけはそれが驚愕という表現に値したのだ。
再び乱れる情緒の大半は焦りが占めている……。
また焦らされるなんて、今度こそ本当に無理だと声を荒らげそうにもなった。
そして、どうか杞憂であって欲しいと願う名無しの表情には、まだまだトレイに欲情させるだけの色艶やかさがあった。
『フフ……お前のいやらしさが底知れないから、俺もおかしくなれるんだろ……?それくらいは分か……いや、分かってるよな。フッ……じゃあ次はこっち』
『……!!あァ……』
杞憂であれ。
杞憂であれ。
強かに願う名無しのそれは、数秒後にはひとまず叶っていた。
とろとろになった心と身体が、そこにまだ追い打ちをかけるよう、予想外に蕩けさせられる。
『ひぃ、……ひ、ッ……ん、……ああ……!』
驚きゆえにどんなに抗って否定的な嬌声が上がっても、あくまでそれは嬌声だ……。
全身に走る快感に悦びを覚えている名無しを、トレイが見逃す理由などなかった。
彼がベッドで名無しから離れたのは、その下半身に顔を近付けるため。
何を意味していたかなど、ひとつしかないだろう。
『トレ……トレイ!!ト……いや…ッ……ら…ッ』
『いやじゃないよ……ンン……んぅ、チュ……お前のクリは絶対舐めないと……俺の気が済まない。……ハァ…よく濡れるなホント……またこんな、んん……んぐ、ちゅ……』
『ッ…や、……クリきもちいッ……すぐいっちゃうから…トレイ……クリきもちいい……んぁッ…!』
『フッ……ほらな?焦って損したろ。……俺がお前のナカを突くのと同じくらい、お前はコレが好きで……俺も好きだ。クリイキたまんないんだよなァ?名無しは……チュ』
『い……ひぁ……ああ…ト……きちゃう、クリらめ……好い、だめだってば……っ!』
長い長い焦らしと辱め。
期待に満ちたセックスを続けて、トレイはこの日、初めて名無しの陰部に唇をあてがった。
ぐっしょりと濡れていたのは当然ながら、彼もまた漸く名無しの甘露を口腔で味わえたことに愉悦を抱き、何度も何度も喉を鳴らしてはそれに吸い付き飲み込んだ。
舌先で弄る実りは小刻みに、表皮を捲ってゆるやかに弧も描く。
名無しが悶絶していたのは、感じ方は違えど、挿入による快楽と同等のものが全身に駆け巡っていたからだろう。
非力な腕でトレイを引き離そうとしながらも、頭と髪を揺らして反応している姿には、なんとも形容しがたい愛情が募った。
だからこそ……――。
『きもちい……あッ…あ……ア…ッ……感じちゃう…よ……トレ…っ』
『ん……だろうな……またいっぱい甘いのが溢れて……今日初めて舐められて嬉しいよな、フフ。とろっとろで……えっちな匂いも、味も最高だ……んむ』
『ひぃ……!んぁぁ……ひ…、や……ッ』
『………』
だからこそ、困らせてやりたい。
今はもうほんの一瞬で構わない。
また自分にねだり狂う淫靡ではしたない彼女を、この目で今すぐ見たいと思ったから。
『だから………』
トレイは舐陰を続ける為、親指の腹で名無しの表皮をずっとおさえていた。
けれどささやかな欲望にのまれたと同時、彼は自らの指と唇を、名無しの秘めたる其処からスッと引き離した。
部屋に響いていた嬌声が一瞬で止んだのも、それでも荒々しい息遣いだけは聞こえていたことも、トレイにとってはどちらとも想定内の出来事だった。