主≠監。
betray the tongueⅣ
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発熱を伴わない倦怠感に襲われる。
なのに頭がすっきりとしていたのは、何かしら満たされていたからだろうか。
嫌じゃなかった。
むしろもっとと望みたかった。
そんな風に思っていることを口にしたら、今度こそ嫌われるかもしれない。
「――……トレイ…?起きて……」
「ん……」
「~……、ふぅ……」
同じベッドのすぐ隣、そこで目を閉じるトレイの横顔をひそやかに見つめる。
時計を見るまで正確な時間は分からなかったけれど、少し前まで彼に組み伏せられ、延々と抱かれていたのだと思うと、自然と頬も赤らんだ。
声をかけても目を覚まさないあたりは、精神的にも肉体的にも、今は回復の真っ最中といったところなのだろう。
名無しはたまたま自分だけが目を覚まし、そこで漸く、シャワーを浴びれる機会の訪れに気付いた。
「………、ッ…ん……」
もっとも、正しくは確か一度、浴室の手前までは行った筈だったのだ。
けれど鏡の中で自分ともう一人……洗面所までゆるりと追ってきたトレイと目が合って、そこでも抱かれた記憶が脳裏に過ぎった。
まあ、名無しがそのときいちばん懐古していたのは、ベッドでの情事だったのだけれど……――。
――――。
――。
『ッ……あ、んあ……トレイ…、っも……』
『もう……何だ?きもちよすぎておかしくなっちゃうって言うなら……フフ、とっくになってるだろう?いつものことだしな』
『…っん、……ひ…』
『はぁ……全然違うな……これもとことん焦らしたおかげかな。狂ったみたいに身体震わせて、涎垂らしてアンアン言ってるお前、ほんと可愛すぎ……もっとしてやりたくなる』
『イ……言わ……もういい…も、いいから……もうだめ…、トレ……やら…』
色んな意味で自分を泣かせることが余程好きらしいと思える瞬間だった。
声が僅かに掠れ行ゆこうとも気にも留めない。
名無しが快楽を得、またトレイ自身も同じ思いに耽られるならなんだってしてやる……そういう意志をなんとなく感じた。
名無しはベッドに押し倒されたとき、自分がトレイに対し待ち望んでいたもののすべてを振る舞われ、早い話が完全に落ちきっていた。
限界、無理、止めて欲しい、そういった感情と一緒に押し寄せる快楽から味わう愉悦は相違なく至高と言えたけれど、同時に否定的な言葉が悲鳴として上がる。
二度も羞恥の末に果てさせられた。
その上で愛撫の殆どなかった身体には、満を持してそれが撒かれる。
どころか、あろうことかトレイはそれを全く終わらせる気もないまま唇を肌に滑らせて、彼もまた貪るように名無しの滑らかな曲線を舐り尽くしていた。
飽きの二文字が訪れるのは、恐らくはトレイが射精を果たしたときだろう。
彼もなかなかに限界が近かった筈であり、一度出しても良いのではと勘繰ったけれど、名無しにはそんな憂いを脳裏に走らせるゆとりはなかった。
『可愛いよな……お前の”やら”は、ハハ……ッ。……ソファであれだけ散々お願いしてきたくせに。いざこうやって舐め回されるともうお手上げなのか?ん…?はぁ……んぅ』
『ひ、ぃ……ひあ……あっ、…ふ……ンンッ』
『ガン突きしてるときにようやく耳ぺろされて……ココきゅんきゅんさせながら俺の下半身にしがみついて……フフ、最高…――』
トレイは名無しを馬乗ることで制し、それはそれは激しい律動を下半身で起こしていた。
自分が彼女を犯している筈が、膣の中の淫靡な蠕動、見えない壁に声が上ずり、まるで犯されているという気持ちにさえ錯覚する。
が、男らしい低音が多少の日和った喘ぎに変わっても、トレイは名無しを攻めることを決して止めなかった。
触れるだけのキスから変貌した耳元への舌攻めは、そうすることで名無しの膣を幾何も狭窄させていた。
『あ……あ…ッ……』
『お前があんまり可愛いから、流石に腕も解いてやったんだ……こうやって腋も舐めたかったしな。……ンー』
『!っ……、ッッ……』
『ああ……フフッ。きゅんきゅん、きゅうきゅう……またえっちな音聞こえる……俺の先っぽ締め付けて……いちばん奥でしつこくしゃぶりついてて…いやらしいよ名無し……』
トレイの背と、腰のあたりで名無しの足はふらふらと宙に浮いている。
あまり力が入らず、彼にしがみつくこともできず、ただただ激しい突きに感じるだけの状態だ。
折角の解放された両腕も殆ど使いものにならずに身悶えながら、名無しはトレイの舌の動きに不安を覚えていた。
不安など……そんな単語がふわりとよぎるのも、ある意味トレイの所為だろう。
本当は抱きたくない感情だけれど、ここで真逆の期待なんて膨らませたくなかった。
また自分の底知れない性への思いを暴かれるような気がして、そうなることで引かれはしまいかと思ったから。
たとえどれだけ今更だとしても、女性らしい矛盾した……それは名無しなりの純情だ。
『は、ぁ……トレイ……トレイ…ッ……!あ……』
ベッドで万歳をゆるし、露わになった両腋にトレイの舌がねっとりと這う。
耳元からの移動は勿論、経由したのは空中ではなく名無しの汗ばむ肌の上だった。
窪みに捩じ込む舌先に、混同するくすぐったさと快感でいつまでも膣が締まる。
トレイが度々締め付けるなと言いたくなるほどなのだから、それは余程の反応なのだろう。
名無しはのちに胸を揉まれて、トレイのじれったい五指二組の動きにも下肢をぴくぴくと跳ねさせた。
勃起した乳首を柔らになぞり、乳輪に弧を描くだけのそれをされれば、限界が来てもねだりたくなる彼女の気持ちを、トレイは腹黒く読んでいた。
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