主≠監。
betray the tongueⅢ
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――別に初めてじゃない。
だからといって経験済みというには少々語弊があるだろう。
大前提として、いつだって「遊び」のつもりでトレイは其処に手を伸ばしている。
「あ……ア……ッ…らめ、トレイ……ッ…や……ッ」
「………」
「ハァ……んぁ、あ……あっ!!やめ……きもちい……トレ……」
「!……ハハッ…」
「っ……、~……ッ…」
魔が差したのは、トレイも無自覚で焦っていたからだ。
今このときほど本気の想いで指を添えたことなど、過去にはなかった。
感じたゆえに天然の潤滑を垂らし、背後にまで伝う果ては臀部へとそれが塗れている。
割れ目を指先で弾くだけで形容しがたい卑猥な音が鳴る名無しのそこは、おそらくは少しの体積ならば、難なく挿入も叶うほどにすっかりと解れていた。
トレイは、その場所に自身の中指を容赦なく飲み込ませていた。
今までとは違う。
気持ちだけは、最初から其処を犯すつもりで……――。
「は……フフッ……、おいおい……名無し?そんなにすごい声出して……どうした、ん……?」
「…あ……、んぁ……ッ!ひ、ぁ……あァ……」
「きもちいいって……ナカのことか?それとも擦れてるクリが?――まあ全部か……。もちろん、……ココもだろう?」
「!ッ……ふ、…ンあ……」
「やっぱり簡単に入ったな……ああ…すごい音……ズボズボ言ってる」
「ッ……トレイ…んっ……も、うしろ……指ら…め……」
指の根元から爪の先まで、どうにも喩え難い締め付け感に見舞われてたまらない。
その狭窄感に反比例するかのように、腹黒さの垣間見えていたトレイの表情はほろほろと緩んでゆく。
彼が抱いていた焦燥もふわりと薄らぎ、同時に脳裏に占めるのは、名無しを辱めることに多幸感を覚える浅ましい気持ちだった。
トレイが手首をぐいぐいと一寸動かすだけで身体の奥には直接刺激が伝わっているのだろう……名無しも止められない嬌声に困惑を見せ、けれど絶えず腰を揺さぶっている。
予想外に降り注がれたその愛情表現にどう反応することが正しいか、なんて分かる筈もない。
ただ事実として驚きと一緒に快楽が押し寄せて、それが名無しを著しく戸惑わせていた。
「んー?……らめなのか……、よく締まってて最高だぞ?指がめちゃくちゃキツくて……ん…」
「ン…ッ……はぁ、あ……ハ、……ッ…」
「――……ナカと後ろ……両方で感じてるお前、ほんと可愛いよ………可愛い…、好きだ……チュ……」
「!!あ……、あ…ッ……」
「…ッ……っぐ、……」
まだ変わらない、耳元に浴びせられる唯一の愛撫は軽いキスばかり。
そこでずっと囁かれることがたとえ心地よくても、慣れがまた名無しを強欲にさせてしまう……。
下半身はどうしようもないくらい掌握されているのに。
自らの内部を同時に犯す、トレイの猛りと指遣いに未知の快感を与えられ、先んじて来て欲しい筈の恐怖心が気持ちとは裏腹に後退してゆく。
緩かった筈の手首のタッセルがいつの間にか窮屈に感じ、トレイにしがみつけないもどかしさが再び、名無しのどちらの秘部をもぎゅっと窄ませた。
そして当然、それはトレイにも直接影響を及ぼしていた。
「!フフ……また締まった。とりあえず今はもう抜くか……後ろがクセになったら大変だ……な?名無し」
「ハァ、……は……ん、ぅ……ふぅ……んんっ……」
「……まあ、なったらなったで俺は嬉しいけどな……。――……そしたら、俺もお前の初めてが奪える……」
「?…な、に………ん……、トレイ……ッ……」
「――……いや、可愛いって言ったんだよ……。お……どうした、またキモチイイ?顔がさっきよりトロンってなってるな……イキそ?」
密な場所を攻めた結果、恍惚に乱れた名無しの姿は、トレイにとって想像の上を行っていた。
昂りが上限を越えようとしていたのだ。
もともと犯すつもりで其処に挿入を試みてはいたけれど、じゅうぶんだろうと自分で終着点を自然と決められたのは、彼女の貪欲さのおかげだった。
自分の上に跨りながらもどかしげに感じ、恥辱に塗れ、嫌がり、されど望むその淫乱さ。
この先どうなってしまうのかと未知の世界を求める名無しを、トレイは様々な意味合いで突き放していた。