主≠監。
betray the tongueⅢ
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――――。
――。
休みの日はトレイと手を繋いで、何気なく街を歩くのが楽しかった。
そこから甘い雰囲気が漂えばハグが始まって、場所をかえればいくらでもキスができたし、その行為もとても好きだった。
最終的にベッドでひとつになる流れに乗れば、一緒に昇りつめるまでに織りなす、その過程も大好きだった。
ただひとつになるだけじゃない。
ひとつになるために交わす愛撫が本当に大好きで、それは名無しにとっては必要不可欠なことだった。
「……あ……ッ…ト、レ……」
「ずーっと欲しかったんだろう?その驚いたカオに隠れて、ホントは嬉しくて嬉しくてたまらないお前の感情……フフ、駄々漏れだぞ」
「あッ……、あ……!ぁ…」
「ハァ……ホント、めちゃくちゃ濡れてたからな……まあすんなり挿入るだろうとは思ってたが……想像以上だったな、これは」
「トレイ……ト……ッ……んあ……」
「――……散々俺にねだって……イヤだって言っても、もう離さない……俺の好きにさせろ。……朝まで抱きまくる」
「っ……トレ……」
「……好きだよ……名無し。愛してる」
「ッ……――」
ソファに放置されて、ばか真面目に自力で解ける筈の腕を拘束されたまま従って、好きな人の前で痴態を晒していた。
自身の蜜で濡れたショーツをすんなりと脱がされたのも、トレイが好むデザインのものを着けていたからだ。
彼の薄い唇が肌を滑ってくれないことも、長い舌がねっとりと性感帯に触れてくれないことも辛かった。
今だって望んでいるし、諦めきれないのは、何よりトレイの愛撫が好きだから。
それでも、ずっと懇願しても懇願しても与えられなかったものを得て、低音で卑猥に囁かれるなか貫かれれば、名無しが抱くのはトレイをいとおしいと想う気持ちだけだ。
「トレイ……や、ら……おく……ッ…」
仕置きされる立場で、望んでいたものがその身に訪れればもうどうでもよくなる。
そう思えるほど、名無しはずっとトレイを求めていた。
ずっと抱かれたかった、欲しかった。
入口から熱のこもった厚い体積を孕むものが捩じ込まれて耳にしたトレイの言葉に、名無しは嬉しい気持ちを抑えられなかった。
それがどんなに唐突でも……。
ひとつになれたことを思えば、いっときでもトレイの表情に柔和さが滲んでいれば、恥ずかしい思いをした先刻のことも都合よく忘れられた。
「トレイ……ッ……だめ、それ……奥まだ……」
「ああ……何度でも壊してやる……ココ、擦れてきもちいいんだろ。ソファもほら……またグショグショだ」
「ッ……――ン、ひィ…あ……ア、ァ……ッ……」
「……そうやって泥濘に嵌めて、依存させて……どうしようもなく突き落とすんだ。――……俺にとってお前は毒と同じなんだよ……けど、それがたまらなく心地好い…」
「ト……、あ……」
「だからもっと、もっと……いっそ溺れさせてくれ……名無し」
――正直なところ、トレイは名無しを貫く機をまだ悩んでいた最中でもあった。
それはただ純粋に目の前で痴態を見続けて、このまま暫く虐めてやりたいと思ったのと、簡単に挿れてやるものかといじらしく思ったのと、それぞれに感情を持っていたからだ。
結局不意を突く形で名無しと繋がったけれど、そうしてしまったのは己の意思の弱さが出た所為かもしれない。
名無しに優しい自分。
彼女にもそう形容されたばかりだ。
どんなに名無しの願望を叶えて被虐癖を煽っても、満面に笑んで彼女の隣に居る自分自身のことも、トレイはきっと好きだったのだろう。
「あ……ッ…いや、や……め……いきなり激し…ッ」
「………」
ありのまま純粋に愛したい。
されど混沌とした鈍色の感情も併せ持ち、歪んだ恋慕も向け抱き潰したい。
自身に突かれながら悶絶する姿を前に、これも名無しを好くがゆえの懊悩の果てなのだろうとトレイは割り切りながら、その場でどちらの自分とも向き合っていた。
もっともそれが可能だったのは、やはり名無しがどんな表情を見せる自分のことも受け入れていたからだ……。
歯の浮くような甘い囁きで貫いた矢先に突き放す様な言葉を浴びせても、彼女の膣はきゅんきゅんと窄まるばかりだったのが何よりの証拠である――。
「ト……」
「――……フッ。……止めると思うか?さっき言ったろ……もう離さないって。全部俺のもの……絶対誰にも渡さない」