主≠監。
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――――。
――。
意図的に時計を探したり、刻を気にしたりしなければ感覚が狂う。
そこはそういう場所だった。
先の見える有限ではあれど、いっときでも時間を忘れるため……。
その空間で得るものに意味があると思えるか否かは、人それぞれだろう。
たとえばそれが快楽なら、気が進まない者は少ないのが大体の定石だ――。
「―――ふ……ぁ…、ッ……――」
「……いい子でしたね。僕たちが望むままに……可愛い声を上げて、全身をひくつかせて……。焦らされていた分、最高の瞬間だったのでは?」
「ッ……、……イド…あ……」
「ふふふ……ですが困ったことに……僕たちはまだ舐め足りません……ほら、まだまだ続けますよ?名無し……ン」
「!!ぃ、……や、ら……ッも……あぁ…っ!」
――左右の耳元で、ぬたついた水音を永遠に聞かされているような気にさせられた。
それを不快に感じられれば身体だって反応はしなかったし、上がる声音にも嫌悪を含ませられたことだろう。
「あ……ア……ッ」
名無しはもうジェイドを拒めなかった。
どころか、受け入れていた。
トレイという存在が在ってしても、彼のことはまた別の話であると散々諭された。
抱かれ慣れていたジェイドに身体をゆるす名無しの目に涙は浮かんでいたけれど、それは決して哀しみだけの感情に支配されていたからではなかった。
「――……ッ…」
全身に走った焦燥が、地に足の着かない感覚と似たものを感じさせる。
悔しくてもジェイドを求めた瞬間、彼は名無しの望んでいたものの大半を降らしてみせていた。
フェイクとともにその身を撫で回し、キスをする。
首筋から下におりてゆく唇はしっとりとしていて、名無しの肌に吸い付く度、薄らと皮膚は赤らんでいった。
「あ……――」
勃起していた乳首を両方から舐め回されると、名無しははじめこそ声を抑えていた。
けれどすぐに好ましく感じる舐め方に変えられれば、嬌声が通る喉はしっかりと震える。
そんな今は、もう既に一度達かされた後のことだった――。
「はぁ…んっ、あ……あ…ジェイド……ア…!ンッ」
「ちゅ……ん、ハァ……ふふ、赤くなって……。ほら、他には……?どこをどうされたいですか?」
「ッ……」
「貴方が先程イッてからも、こうしてずっと大好きな胸を舐めていますが……ン、まだ続けますか?それともまた、クリトリスを撫でた方が……?」
――部屋へ来て暫く、ベッドの上での心理戦に勝てなかった名無しは、ジェイドにその身を委ねてから全身をくまなく愛されていた。
腕を掴まれれば二の腕や腋の曲線に、耳たぶや首筋だって、忘れた頃に舌を伸ばされた。
耳元でジェイドの口から淫語が漏れれば、その度に下半身がむずむずとする。
とろとろと滴る蜜がシーツに滲み、陰部ではなく、そのシーツに指先を宛がうフェイクの言動もまた、名無しが焦らしを覚える瞬間だった。
「っ……ジェイド…」
――糸を引くように人差し指と親指を擦り付けるのは、もちろん名無しの目の前でのことだ。
割れた唇から吐息を漏らす彼女のそこに、フェイクは容赦なく指を押し込んだ。
その甘じょっぱさを含む蜜は、ジェイドも好きな味だった。
けれど口含まずいたのはあえてのことであり、それは自らの意思で、名無しに自分たちの愛撫をより求めさせるという、彼らの思惑があったからだ。
「ん……たった一度イッただけで、満足するような子じゃあありませんよね、貴方は……。ほら、おねだりしてください?うんといやらしく」
「、……ッ…あ……――…さ、い……」
「…ん?僕の目を見て……ちゃんと。……ね?名無し」
「ッ……もういっかい…イ……たい…から、……して…?ジェイド……」
――最初に絶頂を味わわされたとき、全身に二人の唾液が纏わりついて、名無しは焦れに焦れた末にジェイドに乞うた。
良くも悪くも、その瞬間ばかりはもう彼女の頭の片隅にトレイは居らず、目の前のセックスへの期待感だけで心は支配されていた。
気持ち好くなりたければどうするべきか……名無しはいつものようにジェイドに訊かれると、趣くまま彼らに縋った。
ローブも下着も身体から離される。
見える範囲のすべてを舐られ、頂点への欲求が高まれば、喉を鳴らしながらそれを待った。
「?!ジェイ……あ…ッ」
――焦らされにも限界はある。
たとえそれを好んでいても、耐えられなくなる瞬間は必ず訪れる。
名無しがジェイドに一言、お願いしますと彼の耳元で囁いたことで、部屋の雰囲気はより一層しっとりと潤んでいた。
もちろん、焦れた陰部は場の空気の比ではないほどに濡れていたのだけれど……。
そこへ直接刺激を受けたのは直後のことであり、ジェイドは名無しの膨らんだ赤い実を、彼のフェイクは、薄らと鳥肌の立つ両方の胸を交互に愛でていた。
「――……ッ…」
身体が弓なりに仰け反り、足の爪先はピンと張って、紅潮を見せる肩峰や頬がよく目立つ。
快楽の渦に引き寄せられ、その渦中に嬌声を上げながら溺れ沈めば、名無しが二人に果てさせられたのは想像に容易いことだった。
そうして息を乱しながら甘い余韻に浸っていても、そこが自分たちの終わりではないことを名無しは分からされる……。
熱を帯びたベッドの上、二人の高揚を間接的に感じる雰囲気。
果ててなお身体に二枚の舌が這う感触が、結局、名無しはどうしても心地いいのだと思っていた――。
「あ……――」
促されたとはいえ自ら二度目をねだる。
切れない関係のジェイドにまだ縋る。
いまできる目前のセックスのことで頭がいっぱいになって、身体を起こされ、彼の上に自身が後背位で馬乗りになるまで、名無しは朦朧としていた。