主≠監。
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『フッ……んん……フフ、乳首甘い……んぅ、美味いよ……っちゅ。……いっぱい勃って……はぁ、ん……んむ…かわいい……』
『ト……れ…、もう……!ッイク、……ひぁ……それ、いっちゃ……あ…』
『はぁ、んっ……ン…――……名無し、好きだ……すき。……俺も出すよ……ッ――』
スマホのアングル、音量、画角のおさまり具合。
それを撮影したのはこの寮の部屋ではなく、いつもの代価を払って過ごすあの場所だった。
照明は絶妙な明るさに変え、名無しの肌がいやらしく映える最高の明度構図にも仕上げていた。
あまりの激しさにベッドが揺れ、肝心なところで、サイドボードに立てたスマホが倒れることが気がかりだった記憶が、なんとなく薄ら残っている。
まあ、結果最後まで倒れることはなかったし、おかげで最高の作品として、トレイはそれを保存していたわけだけれど……。
互いの性癖にまみれた愛撫に走り、ひとつに繋がりながら身体の隅々まで、手で、唇で、舌で名無しを愛でてゆく。
同じことを今すぐしたかった……。
彼女を押し倒し、赴くままにめちゃくちゃに抱きたかった。
その欲望を晴らせないかわりに吐き出す体液の、このあと目にするそれはどんなにくすみ濁っていることだろう。
だとしても、トレイがこの場で抜かない理由は、彼にとっては探す方が苦でもあった。
「――んっ……あ、あァ……名無し、……ああイク……イク…!名無し……は…ぁ、イク……ッ――!!」
その一瞬の為にいやらしく、儚く、或いは愛する人よりもはしたない声色で甘美な音を零す。
たとえ手中に不快な精液が絡みついても、出した瞬間の快楽欲しさには勝てなかった。
「ッ……ハァ…ん、……はあ……名無し……はやく……――」
スマホの中で名無しが悶え、身体をひくひくとさせれば、スピーカーからは二人の嬌声が聞こえてくる。
しっとりと、汗を掻いていることすら窺えるほどに艶やかに映る名無しは、注がれた感触にすら過敏になり、トレイの身体にぎゅっとしがみついていた。
「早く会いたい……名無し……。もっとキスして、舐めて、俺でお前の全部を汚して、……中までぐちゃぐちゃにしたい……何度だって……」
目に映る映像の中、名無しを抱き締め、絶頂直後の甘い時間を堪能している自分にさえ嫉妬しそうだった。
幸せそうにトレイを受け入れ、唇をゆるす。
舌を絡ませる際に響く水音は、自涜直後に耳にするには、程よい心地よさがあった。
「俺がいいって言うまで咥えさせて、上から……下からも後ろからも突きまくって……ああ……すきだ……名無し……――」
トレイは射精後も目を逸らすことなく、動画の最後ゼロ秒までそれを流し続けた。
手指に纏わりつくねばつきをなかったことにはできないけれど、それでも意識は画面の名無しに喰らい付き、彼に凝視させている。
シャワーに行くことはほぼ確定だ……腹上と、咄嗟に捲し上げた、汚れたインナーの白に重なる体液は、変わらずどんよりとくすんでいる。
次にこれをぶちまけるのは、外でも内でも、名無しの身体でありたい。
想いは一層強まって、射精と再生終了の数分後、完全に快感の脈切れが起きた瞬間、トレイは来たるべきそれを渋々受け入れた。
「――……ハハ……やっぱり。俺はどうしようもないな……お前のことになると、何も手に付かなくなる……好きだ……」
来たるべき……は、紛れもない虚無の二文字。
けれどやはり虚しさは少なかった。
それをも圧するのは彼の抱える、名無しへの恋慕に他ならなかったからだろう。
「……渡したくないよ、……あいつに……ジェイドにだけは。……名無し…――」
漏らす本音は、誰にも聞かれていないがゆえの惜しむことのない想い。
握り締めるのは、快感と引き換えに手のなかに閉じ込めた濁り。
トレイは画面の真っ暗になったスマホを放り投げ、目蓋を伏せながらゆっくりと呼吸を整えた……――。