主≠監。
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「ね……セックスがしたくてしたくてたまらない名無し?もっと望んでください?求めて……求めて…貴方のされたいことを、僕たちに言ってみせてください?この唇で今すぐ」
「…ッ……」
「ほら……可愛い可愛い名無し」
「――……なん、で……」
「?」
「ッ……も…、分かって……くせに……もう、むり……もう…――」
「!………ふふふ…」
ふと、背中がベッドに再び触れて、天井を見上げるまでの左右にジェイドとフェイクは居た。
優しく見つめられて、その瞳が優しいなんて形容ひとつに留まらないことを知っていても、名無しを見下ろす彼らの眼差しは確かなものだった。
指先だけでまどろっこしく撫でられる全身。
すうっと通った跡には鳥肌が、焦らすなと叫びたそうに浮き立っている。
語気を強めて本気で嫌がり、ここでジェイドを断ち切れたとしても、追いつめられて逃げた先に待っているものが相も変わらず地獄だということを名無しはよく知っていた。
それはそれはなんとも甘美な……浴びる者にとっては、楽園でしかない地獄であるのだと――。
「――……ッ……」
なによりキスをはじめ、首から上だけの部位には既に快楽を浴びてしまっていた。
名無しには、それだけで終わらせられるような判断力も、快感に抗う忍耐力も、もう残っていなかった。
「名無し」
「むり……なの…無理……。わたし……トレイが、好……めちゃくちゃすき……ッほんとに……なのになんで、こんな……――好い、の……」
「………」
「ッ…ジェイド……が、わるい……もう、ずっと前、に……こんな身体に、あのとき…ジェイドが……」
ぴんと勃った名無しの胸は、早く口含まれたそうにふっくらと主張し続けている。
たかだか乳輪を優しくなぞられただけで満たされる身体なら、葛藤だって、嫌がったりだって当然しなかった。
「フッ……。――ええ、そうですね……敏感で、いやらしくて……素直で、僕の言うことに従順で。……僕とのセックスが大好きな貴方を、こんな身体にしたのは……」
ただ、願わくばいま自分を押し倒している二人が、トレイと、トレイのフェイクであればと散々思った。
けれど事実は絶対に覆らない。
望めない夢想い。
そして当然、それが叶うわけがないことくらい、考えればわかった。
「ジェイド………」
この先の未来に迎える恍惚、そのあとに押し寄せる感情が、たとえ虚無でも――。
「名無し」
「――……ほしい…ぜんぶ……いっぱい、さいごまでっ……。――ジェイ、……ッ!!ん……ッ」
「ちゅ……。ああ……貴方は本当に可愛い……――……大丈夫。今だけは、トレイさんのことは忘れて……僕がそうして差し上げますから……いっぱい感じて下さい」
それがトレイへの罪悪感でも。
彼女の今を掌握しているのはジェイドだということを、名無しはどこまでも思い知らされる――。
「ジェイド……、……!あ……」
「漸くだ……。名無し?貴方を……僕に愛させてください。つま先まで全身……もちろん身体の隅々も、全部くまなく……ぜんぶ…――」
「ッ……んん!……あ…ッ――」
――結局、名無しは圧し負けていた。
ジェイドを前にして自分のキスから始まった、半端に浴びせられた享楽。
それにより強烈に芽生えてしまった性欲を、外へと吐き出せないことで生じるであろう、焦燥への恐怖に……。
自分は弱い人間なのだとつくづく示唆され、自らの意思でとうとう首を縦に振ってしまった名無しは、体内で燻る熱にまるで犯されるように身悶えていた。
しつこい誘惑、ジェイドを跳ね返すことのできない己の薄弱さ、渇望するセックスという行為そのもの。
折り重なるように自身を襲う感情に耐え兼ね、その結果、両目からは思わず涙が零れる。
名無しはそのときジェイドとフェイクに頬をじっとりと舐め掬われ、それをする二人の仕草を、ただのセフレに留まらない存在のように見紛うていた。
もっとも、どういう意図をもってジェイドが儚げに雫を掬おうとも、彼らがすることはやはり決まっているけれど……。
名無しの髪を優しく撫で、二人して頭を彼女の胸元めがけてまっすぐ下ろせば、それはこの場で新たに動きが起きた瞬間でもあった。
揚々と舌を伸ばすジェイドは黒い笑みを見せていたけれど、今だけは名無しに向ける眼差しが真剣であることを、彼は決して偽ってはいなかった。
その垣間見せた本音に気付くことなく、名無しは肌に二人の舌が這いまわるのを受け入れていた――。
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20210522UP.
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