主≠監。
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「はぁ……やめ、…て……ジェイド…それ……」
「ん……、ふふふ……舐められた耳たぶが真っ赤になって……やはり両方から刺激されるのは格別なんでしょうね……こんなに身体も震えて……」
「…ち……が…、ジェイド……っは、ァん……」
ローブのなかの下着が肌を締め付ける。
その締め付けのなかで生じた湿っぽさに、名無しの身体は不快感を覚える。
元々、ブラジャーもショーツも脱ぐ理由はなかったし、服が乾くあいだの辛抱だと思っていた予定が崩れていたのが、今という瞬間だった。
腰紐は既に解かれ、半裸に近い状態でベッドに寝かされていた名無しは、耳元に走るジェイドのぬたついた舌遣いに悶々としていた。
悔しかったのは週のはじめ、同じようなことをトレイにされたときに感じた快楽と、今のジェイドのそれが殆ど同等だったということだ。
やめて、と拒んでジェイドが止めれば世話はない。
当然続く舌の蠢きに反応する身体は、ショーツの中がまたじわりじわりと熱を孕み、部屋中には湿り気を帯びた、淫猥な雰囲気が確かに漂っていた。
「んぅ…、チュ……んん…」
「名無し……可愛いですよ……ね、もっとよく声を聞かせて」
「!あ……ッ…」
名無しの露出した肌に触れるのは、擦り寄られたジェイドの纏うローブと、彼の今の姿を反映させたフェイクの同じ生地だった。
左右で擦れる、腿に感じる生地から伝う火照りは気のせいなんかじゃない。
二人も既に昂ぶっていて、切れ長の瞳は獲物を狩る時のように燦々と、同時に淀みも帯同させている。
感じやすい耳と、その中で這う二枚の舌にわざと水音を立てられながら脱力を許した名無しは、思うようにジェイドを口で拒否することもできないでいた。
潤む目元に意識も散る。
それはまるで窮鼠にも等しい、彼らを受け入れるほかない状態にも近かった。
「!や……下着…触らないで……やだ…ッ……」
「おやおや……ふふ……。胸、ココも舐められたそうに先が勃っていますね……そんなに焦らしていたつもりはないんですが……もう舐めて欲しいんですか?」
「…ッ……は、ぁ……んぅ…」
「フッ…ああ……ほら名無し?あまりいじらしく避けないで……そんなにそっぽを向いたら、今度は首筋が……ね?」
「!!ッ……――、ッ…あ……」
もしかしたら本来、窮鼠であれば、いまは自身を追い詰める猫を最後に噛むくらいの悪あがきは見せるところだろう。
自分にはそれをする自信がない……逃げ惑うベッドの上で横たわる、哀れな女でしかないのだと名無しは痛感させられる。
手に取るように本心を読み解くジェイドには、隙を見せればいつだって幸せと紙一重、ゲームオーバーという名の絶頂感を味わわされてきた。
だから脳裏でせめぎ合う葛藤の、せめて嫌がっているのが事実であることだけは伝わって欲しいと願った。
どんなにこの場で欲情しても、交わりたいと思っても、簡単に股を開くような軽い人間とだけは思われたくなかった。
「あ……ッ…――」
が、そうやってひとつのことに必死になって、結局墓穴を掘ることになる未来まで想定できない己の未熟さに、名無しはいつも足元をすくわれる。
自分の弱いところすべてを知り尽くすジェイドには、いくら高い壁を築こうとも、視点を変えられ脆い箇所を一瞬で探り当てられる。
浮いた背中に伸ばされた長い腕。
ホックを外され、ブラジャーによる身体への締め付けが消えれば、捲し上げられて胸元の露出を甘んじて許す。
既に勃起していた乳首を視線で犯されても、名無しはもどかしげに腰をくねらせ、ジェイドの唇を避けることに必死だった。
「だから言ったじゃないですか、無防備ですよ……って。ふふふ……んぅ、……んむ…ちゅ……」
「……ひ、ぁ……あん!……ああ……ッ」
ジェイドのキスを拒み、集中的に耳元に浴びた愛撫を避けること。
それに躍起になっていた名無しは、頭の角度を変えたことで、別の部位に狙いを定められていたことに気付けないでいた。
乱されたローブを更に乱され、且つ、自ら露わにさせていたのは生白い首筋だ。
無駄な動きひとつなくそこにまっすぐ下りたジェイドの口元は、開口して、舌よりも先に鋭い歯がよく見えた。
そして一瞬のうち、細く肉薄な首筋に彼の歯が食い込めば、名無しは足をバタバタとさせて激しく悶えていた。
もっとも、同時に響いたのが嬌声とあらば、それが名無しにとって本当は好きでたまらない愛撫だということを、ジェイドが改めて周知するだけだった。