主≠監。
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――――。
「………ッ…――」
「僕、ずっと待っていたんですよ……?あの海で貴方を抱いた日から。欲しくて欲しくて……この唇が。この身体が……ねえ?名無し、……!!」
止まない誘惑。
欲しがる身体。
隙なんて、突くどころか突かれまくって、無意識に重ねられたジェイドの手を振り払う術さえ、最後には分からないままだった。
それが決め手となったかは不確かなままであったけれど、その瞬間、静寂を保っていたベッドは大きく軋み、マットは一度上下に揺れていた。
モニターとは違う角度から響く生々しい水音は、なんとも勢い凄まじいものがあった。
「……――ッ…んん……んっ…、ちゅ……チュ…」
「ッ――……、ン……」
ちょうど、ジェイドは名無しを呼び、まだなお追い打つように、彼女の身体を震え上がらせる甘美な言葉を舌の上に用意していたところだった。
それを名無し自身にとうとう唇で塞がれれば、驚きと同時、彼の脳内で得る満足感にささやかな鬨が上がり混ざってゆく。
名無しからきつく抱き締められて自らの背がベッドに触れると、ジェイドは暫く、彼女と長い長い、とろけるようなキスを続けた。
そしてひたすらに貪り合って、互いに息が続かなくなった頃に体勢を改めた。
そのとき彼が躊躇なくリモコンに手を伸ばしたのは、不要になった音と画を消す為……というのは、きっと名無しも気付いたことだろう……。
「ハァ……んん、ッ…ジェイド、……んっ!ちゅ……ン……ッ!!」
「……ン…、名無し……」
やがて上下の立場を反転させられ、ジェイドによって押し倒されていた名無しは、顔にかかった乱れ髪を掻き分けながら目を見開いた。
瞬きほどのあいだ、目前の光景には変化が訪れていたゆえに……。
「……ッ…?!」
ただキスを交わしただけ。
まだなにも欲しいものを与えられていない、得ていない。
そんな彼女にとって、垂涎たる「それ」は突如として、目の前に在った。
「!……ッ…ジェ、イ……」
「ン……、言ったでしょう?嘘じゃありませんよ……って。ふふふ……さあ。待ち切れなかったですよね……こんなに焦れて。……今から一緒に、たっぷりきもちよくなりましょうね」
「!!……ッ、ま……っ…ジェイド……や…」
「ふふ……シャワーですか?そんなものは後で……ね?フッ……どうせどろどろになるんです。今浴びても意味なんてありませんよ……ン…ッ…」
「ッ…ぁ……、ア…ッ……―――」
赤らんでゆく頬を、呻る喉を、熱く震える身体の内側をまともに戻す方法なんて、ひとつしか知らない……。
無音になったその空間。
ベッドの上で押し倒され、自身の両手を押さえ込むジェイドから名無しは目を逸らす。
彼が一瞬のうちにその場で作り上げた、ローブの腰紐を解くフェイクの姿を目の当たりにすると、名無しは認めたくないほどの胸の高鳴りを覚えていた。
そのとき頭の中で響いたのは、自分とトレイを繋ぐ糸がぷつぷつと切れゆく、形容し難い無残な音色だけだった。
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20210411UP.
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