主≠監。
good morning world
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自分の部屋のベッドと比べても、そのサイズの差は歴然だった。
両手両足を広げてもまだまだ余裕はあったし、その上でいっそ泳げるんじゃないかとも思った。
まあ実際、初めて部屋に入った時は浮かれてそういう仕草を少ししてみせたこともあったし、今となってはいい思い出だ。
そんなことをする女には見えなかった、なんて言われて、一体彼はどういうイメージを勝手に持っていたのだろうとも思った。
が、そのときの呆れた表情はずっと忘れられないほど、彼の本来鋭利だった目つきを、柔和なものにかえていた。
直後に見せてくれた笑顔もまた、名無しにとってはいつまでも宝物だった。
――――。
「……ナ…。レオナ……」
「ん……」
「っ……起きて…。ラギーくんが来ちゃうよ……私も帰らないと…」
「~……んー……」
「…もう……っ」
寮の正面にマジフトの専用グランドがあると、比較的出入りもしやすかった。
他校との練試や交流があればなおのことだ。
名無しはその日、レオナの部屋で朝を迎えていた。
隆々たる逞しい腕を枕にしてぐっすりと眠った……のは、ほんの数時間ほど。
熟睡できていれば、レオナも今頃は目を覚ましてくれていたことだろう。
「レオナ」
「……」
「~~……ッ」
名無しだって眠気がないわけじゃなかった。
が、起きなければならない理由ならいくらでも並べられた。
自分にも学校はある。
だから帰る必要だってあったし、何よりこういう現場は誰かに見られて良しと思えたものじゃない。
特にレオナの部屋を多く出入りするラギーには、過去に一度見られていたという苦い経験もあり、名無しは絶対に二度目を回避したかったのだ。
「……」
互いに休日ならいざ知らず。
寮への出入りに不自由ないただの平日に呼び出されると、大体こうして忙しない朝がやって来る。
名無しが少し面倒だと思っていたのは、レオナが起きてくれないからなのだが、何故起きないかといえば、理由は概ね絞られたも同然だろう。
「……もういいよ……。ラギーくんが来る前に帰るね、わた、し……!!わ…」
「ん……アー……、誰が帰るって?」
「ッ……レオナ…」
ただの部活でも、練試があっても本気を出さない。
そのくせ下手に体を動かしている分、溢れ出るのはアドレナリンとでも言おうか。
暴れ足りなくなってそのツケが名無しにまわるのは、男女の仲であればまあ想像も難くなかった。
シーツや枕の端を掴み損ね、ダイレクトに浴びるレオナの欲望。
渦にのまれてしまえば、それが鎮まるまで時間を要したし、部屋の外が薄らと明るくなっていることも少なくなかった。
名無しはその日も愛された痕跡を全身に残しつつ、気怠さの抜けない身体に自ら指示を出していた。
むくりと起き上がって、早朝の肌寒さがレオナの傍から離れる決意を鈍らせる。
けれど一向に起きようとしない彼を待っていれば、いよいよ別室からラギーがやって来る。
最悪万が一見られても、せめて身嗜みだけはどうにかしたかった。
こんな何も着ていない、ベッドの中にいる姿だけは、絶対に見せられないのだから……。
「起きたの……?!レ…ッ……」
「アー……朝からぎゃんぎゃんうるせえよ……もう少し寝かせろ…。ラギーならまだ来ねえだろ」
「でも……、……!!」
寮長の特権らしいレオナの大きな部屋、大きなベッド。
そこで彼の隣に寝そべっている時は、起き上がらない限り自分の下着や服を取ることは叶わなかった。
そして起きようとした途端にこの有様である。
膝をつき、四つん這いになってみせた瞬間に腕を掴まれて、あっという間にレオナの腕のなかに閉じ込められるのだ。
横目、間近に見える左腕の墨を虚ろに眺めつつ、自分を抱き戻してもまだ起床しようとしないレオナに、名無しは小さくため息をついた。
ラギーのことを忠告しても軽くあしらわれる……それもまた、今に始まったことではなかったけれど――。
「それよりお前……こりゃ何だ……」
「!あ……ばれた…」
「~……人の髪で遊んでんじゃねえよ……まったく…」
「レオナが起きないからでしょ……それに、かわいく編めてると思うけどな~?」
「あァ……?チッ…、お前……」
「っ……わ…」
昨夜は特に激しかった気がする。
ゆえにレオナが起きあぐねていたのもじゅうぶん頷けたけれど、だからって簡単に納得できるわけもない。
起きぬけ、擦れた声音が平時よりも低く、艶っぽささえ漂わせているのが腹立たしい。
そんな折にレオナは自らの髪を掻き上げていたのだが、彼はそこで、左頬にあたる髪の束に違和感を覚えていた。
「ッ……待…っ、ほんとに起きないと……!んん……」
「起きないと、じゃねえよ……ハァ…」
「!ひぁ……あ…」
「そうだな……起きるなら、どうにかしてもらわねえとな……」
それはレオナがまだ熟睡下にある、ほんの数分前のことだった。
自分は覚醒している……けれど彼の傍で暇を持て余し、軽くウェーブがかった茶色い髪に惹かれて、名無しはそれを手中に遊んでいた。
見慣れたサイドのゆるい三編みは、入浴するのもあって就寝時は解かれている。
片方を名無しが繕っていたことにレオナは気付き、彼はその凝り具合に慌て、呆れ、そして痺れを切らしていた。
「解くの……?」
「当たり前だ……仮にもう片方をお前に揃えられても、こんな頭で外に出られるかよ」
「……可愛いと思うけどなあ…編み込、み……!は、ァ…ッ」
「ん……まあいいか…下は留まってないんだ。どうせ動けば勝手に解けるだろうよ」
「っ……動くって…、待って……ほんとにほん……!!」
「――……ハッ…なんだ。お前も濡れてるじゃねえか…そんな朝っぱらから欲しがるなよ……名無し」
「……ッ」
名無しがレオナに施していたのは編み込みだった。
宙に揺れる分はいつもと変わらない柔な三つ編みにしろ、真面目に頭に沿って結われた型は、なかなかどうして女々しさを誘うものがあった。
レオナが慌てる分には同情もできた。
けれど、もとを辿れば起きない彼が悪いというのが名無しの言い分だ。
やがて名無しは、あっという間にベッドの上で、再びレオナにつかまった。
そしてようやく腰をあげた彼がしたことといえば、起床ではなく名無しを組み敷くことだった。
「は……んぁ…、レ……」
「ン……、チュ……」
シーツを何度も蹴り、レオナを押し返そうとしてもそんな抵抗は無駄に終わる。
キスに加えて早速、裸だった名無しの全身にはレオナの舌が隈なく滑った。
白い肌に重なる褐色が、朝陽の差し込む部屋に映え、響く水音と嬌声が情景を彩る。
レオナは尻尾を何度もふるふると揺らし、耳をひくつかせ、自身の昂り様と朝勃ちゆえの興奮を名無しに知らしめた。
時間があるかないか、ラギーが来るかどうかなんて関係ない。
欲しいと思ったから抱く、レオナにはそれだけだった。
「!!や……ぁ…」
「お前……昨夜結構汗掻いてたよな…今また掻いたら、そのまま帰って学校とか行けんのかよ」
「っ……レオナが、朝からこんなことするから…私は、こんな……つもりじゃ……」
「こんなつもりじゃねえなら、俺を煽るような声は出すなよ……あと、濡らすな」
「ッ……んん…」
「……素直じゃねえなァ…さっさと言っちまえ。あんまり俺を待たせるな……この焦らし上手が」
「!レオナ……」
何度もシーツを蹴っていた足はつま先がぴんとなり、レオナの強かな愛撫に身体が躾けられてゆく。
自分の身体のことなのだから、名無しだって大いに自覚していた。
内腿や臀部に伝う潤滑が筋となり、入り口が早くもひくひくと蠢き、そこはただただ純粋にレオナを待っている……。
レオナのそれだって、名無しの腿や下腹部に何度も擦れていたし、先走りだって掛け布のなかでじわりと滲んでいた。
繋がる体勢は思いの外、互いに出来上がっているのだ。
ただ、レオナが名無しを弄ぶように言葉で攻めるものだから……。
「ッ……」
名無しは、それをどうしても、もっと聞きたいと感じていた。
その声で。
その仕草で。
その片方は傷痕の走る目で。
レオナのすべてで、無心で抱かれたい、と――。
「名無し」
「っ……あ…、レオナ…」
「早く言っちまえ……焦らされて辛いのはお前だろうが……、いや…俺もか。……フッ」
「ッ……、欲………。欲し…、レオ……――ッ!!」
「ああ……。最高だな……朝からお前にねだられんのは……、ッン…――」
レオナが自らの手の内に名無しの実を摘み、それを何度も咥内で愛でると、名無しは時間の経過と共にその嬌声を大きくさせた。
勿論わざとじゃないし、舌先で乳首を転がされ、なだらかな曲線を舐め回されていれば自然と感じてしまうものだ。
艶めかしい声はレオナの五指が胸を揉む度、そして触れる彼の毛先が、白肌を歯痒さまじりにくすぐってゆく。
たまらず手を伸ばして頭の上部は耳に触れれば、内側をなぞられた心地好さに、レオナも小さく吐息を漏らしていた。
「……っ…は、ァ……」
「ん……名無し…」
「ッ……レ…」
太ましい腕を下へ向かわせれば、名無しの肌は全身が既にしっとりとしている。
滲む少量の汗が興奮を、足を広げさせて秘部に触れれば、感じていることを証明していた。
レオナは指に絡む名無しの蜜を舐め取り、その指を名無しに咥えさせた。
彼女の口を窄めた動きは指ですら気持ちがよくて、レオナの頭のなかでは瞬時に、口淫との結びつきを生ませる。
本来なら下も咥えさせて、自分も名無しの陰部を舐り倒したいところだった。
けれどレオナが優先したのは口淫よりもその先の行為であり、彼は先走りの垂れる陽物を名無しに近付けると一気にそのすべてを挿れきり、すぐさま律動へと移っていた。
「あ…ッ、あ……レオナ…ァ……」
「……フッ…また……いい汗掻きやがって…」
「っ……だめ…、そんな突い……だって…、ッ……!」
「ばーか……、シーツならもうとっくに濡れてるぜ…お前のでな」
「ッ……」
「いいぜ。どうせなら派手に汚せよ……俺もお前を汚してやるから…、ッ……ア…んん……」
陽の射しはじめ、朝に見るレオナの表情としては申し分ない。
ただあまりにも格好の良さがすぎていて、名無しはたまらず見上げていた顔をスッと逸らした。
もっとも、レオナはそれを不服に感じると無理やりキスをして、自分から顔を背ける名無しを容赦なく下半身で攻め立てた。
膝裏を掴み、赤く跡が残るほど強く体勢を縛る。
視線をずらせばクチュクチュと響く、淫猥な音の出処も簡単に見えていた。
「っ…レオ……ぃ…、んあ……ッ」
「ハ……締めんなよ…気持ち好すぎるだろうが……このまま出したくなっちまう」
「…ッ……や…!だってまだ……」
「ああそうだな……お前もイキたいよな…。そういうカオになってるぜ」
咥内に舌を捩じ込まれた名無しは顎に唾液を伝わせ、それをレオナがいやらしく舐めとり、再びキスをする。
他人に見られないような場所に鬱血痕を残しつつ、両手も勿論休ませはしない。
レオナは多彩な速度を使い分けて律動を続け、名無しの膣を犯しながら、彼女の小さな手に自分の大きなそれを絡ませた。
ベッドの揺れは激しく、されど軋みの少なさは質の良さゆえだろう。
二人の汗と体液で濡れたシーツをより乱しながら、名無しは擦れる陰核の刺激に耐えられず、そして、膣中への愛撫にも耐えられず、レオナに絶頂を望んだ。
繊細でいて端麗な緑の瞳にとらわれ、喘ぐなか求めた解放に対するレオナの返事に込められていたのは勿論、彼女にとって幸福が齎される甘い言葉だった。
「…ッ…――き………すき……、レオ…」
「ッ……そんな猫撫で声で甘えんなよ……、…!ン…ぁ……俺もイキそ……ッ、名無し…――ッ」
そのどろどろとした感触が、ゆっくりと、けれど勢いよく体内に流れ込んでくるのがわかる。
もともと自分から視線を逸らしていた名無しは、その後向かされてからはレオナとずっと見つめ合っていた。
まぶたに淡く乗る陰の下、宝石のような眼差しに縛られて、下半身から頭の方へと駆けてゆく目に見えないもの……。
名無しが特に陰部を締め付けた瞬間、レオナもまた彼女の内側に射精を終えていた。
その白く欲望にまみれた体液は名無しの甘露とも織り交ざり、怒張していた彼のものが自然と脈切れするまで、二人はキスをしながらただただ抱き合った。
名無しの結ったレオナの髪は、彼の言う通り、すっかり解けてなくなっていた。
――――。
朝一番に感じるものは、できれば倦怠感じゃないと助かる。
が、レオナも、ついには名無しも、互いに同じ気持ちで未だベッドに寝そべっていた。
太陽の位置はあきらかにずれており、それに比例し、部屋の明るさも増している――。
「レオナさーーーーん」
耳がぼんやりと何かを捉える。
特にレオナにはそれがはっきりと聞こえていたけれど、彼はわざと素知らぬふりをし、名無しを両腕のなかに閉じ込めていた。
胸元にあたる彼女の唇が心地よく、わざと押し当てながら浸る余韻は最高だ。
「……レオナさーーーん」
唾を飲み込み、喉をぐるると鳴らす。
まだ眠る気だという雰囲気が漂えば、名無しはその唸りを耳にし、流石に異を唱えた。
「!?……レオナ…今のって……」
「レオナさーーん!朝ッスよー!レ……あ」
「――……!!!」
セックスが齎した身体に纏わりついていた汗が、一気に不快なものへと成り変わろうとしている。
それもそのはず、名無しはレオナの傍から離れられず、ただただ聞こえてしまった自分たちのものでない声音に驚愕していた。
勢いよく、そして清々しく呼ぶレオナの名。
聞き覚えがあるもなにも、名無しにだってそれは馴染み深かった音色だ。
部屋の入口にとうとう到着していた、それはラギーのレオナを呼ぶ声だった。
「…っちゃー……これはなんとも……お邪魔した感じ…ッスよね……?」
「~……ああ…そのとおりだな、ラギー……あと三十分したらまた来い」
名無しが回避したかった二度目は呆気なく訪れた。
声音をノック代わりに、入口とはいえ中にひょいと入室したラギーは、未だにベッドで横になっているレオナを見て目を丸くしていた。
日頃見ていたベッドの上の膨らみ、その違いから、すぐにレオナの隣に名無しが居たことに気付く。
肌寒さを凌ぐ為に掛け布のなかにはいたけれど、二人とも肩が出ていたのはラギーの立っていた場所からも見えている。
明らかに事後を思わせる部屋の空気は、小柄な彼の首筋を冷やすには十分過ぎた。
「さ……三十分って…それじゃあ授業に出ないも同然じゃないッスか~っ」
「いいんだよ……今日はもう……お前もさっさと散れ…」
「そうは言っても、……ハァ…、了解しましたよっと……。名無しさんも、お疲れさまッス……んじゃあ、ごゆっくり~」
「ハァ……」
ラギーは無闇に部屋の奥へとずけずけ入るような真似はしなかった。
いつもなら多少は可能だ。
が、今は話が別である。
レオナの隣に何も着ていない名無しが居るとなれば、それが一瞬でも見えてしまうのが恐ろしかったのだ。
肌を見てしまえば、レオナに噛みつかれる。
いや、最悪全治数日分の怪我にもなりかねない。
名無しはラギーが来たことで急に無口になり、レオナの傍にぎゅっとしがみついていたけれど、流れた冷や汗は見事にラギーに伝染していた。
「……行ったか。ハァ……眠いな…クソ」
「ッ……だから起きてって言ったのに…」
「!…ハッ……ラギーが来た瞬間ぱっと隠れたくせに……調子いいな、お前」
「っ……それは…だって……それに何があと三十分なの?!帰らないと……っ、レ…」
「……」
目覚ましがわりのラギーをあまりにも簡単に無碍に扱うのは、レオナなりの後輩に対する愛情表現のひとつだろう。
それに男女の時間を邪魔されるのは、逆の立場になれば考えるのも容易だった。
誰だって気を遣って欲しくもなるし、元より気怠さの増したレオナを見て、ラギーはすんなりと彼の意思を尊重した。
授業に出ないこともまた日常だ……いい加減出ろとも思う。
その傍ら、名無しと居る今を優先したいレオナの気持ちは、その包み込みようを見れば嫌というほどわかった。
ラギーの気配が消えると、漸く名無しはふさぎ込んでいたレオナの胸元から顔を上げ、身体を腕枕へと戻した。
勿論拘束されていたことには変わりはない。
焦ったし、嫌な汗も滲んだ。
だから名無しはほんの少しだけベッドから出たいと感じたのだけれど、まあ、それを許す様な今のレオナではなかった。
「三十分で何が出来る?俺は……お前を抱ける」
「~……ッ…さっきしたのにっ、そういうのは……だって学校、遅れ…ッんん……!ハ…ぁ」
「んっ……、…残念ながら、こっちはもう勃ってんだよ……さっき誰かさんにしがみつかれた所為でな」
「レ……ッ、あ…!」
ただのあとを引く甘い余韻が切れないまま触発される。
名無しの中にこれでもかと吐き出して、満たされて、それでもまだ彼女を欲しがることを悪びれもしない。
もっとも、そこがレオナらしくもあるのだろう……汗で額についた髪を指ではらい、そこにキスをする優しさが、これから彼のしようとしていることとのギャップを生んでいる。
名無しもいい加減眉間に皺をよせ、焦りながら抵抗を見せていた。
けれど再び下半身に触れた、レオナの怒張を強く感じる。
彼女が抗えなかったのはレオナではなく、自分の内側もまた、余韻よりも心地いいそれを求めている性的なそれだった。
「終わったら一緒にシャワーでも浴びに行くか……バレやしねえしな。名無し……挿れるぜ」
「……―――ッ」
また部屋が明るくなってゆく。
ベッドの上でまじまじと全身を見られることに昂ぶれば、名無しは再び、レオナにすべてを委ねる他なかった――。
20200401UP.
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