主≠監。
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――――。
――。
副寮長としての仕事が溜まっていることが別に怠慢だとは思わない。
役割がそれぞれにあり、自分に分担されたものがたまたま厄介ごとだったのだと考えれば、それほど苦痛でもなかった。
まあ、そう思う時点ではずれくじを自ら引き寄せている可能性も否定できないのであろうけれど……。
「……とはいえ、だよな。……フゥ…」
それは名無しが外出していた同じ週末一日目、その同時刻。
学園の中で廊下を移動する。
両手に抱えた書類ごし、眉間に皺を寄せていたのは、言わずもがなトレイである。
「ま……来週の今頃はあいつと会えるしな……もう少しの我慢だ。そろそろ映画の時間も調べておくか……」
面倒事を任されるのには慣れている。
神経質な寮長の片腕として職務に勤しみ、癖の強い寮生をまとめるのだって殆どはトレイの仕事だ。
もちろん、それはどの寮にも同じことが言えただろうけれど、世話を焼くのが好きでなければ、そうそう完璧にもこなせないだろう。
たとえ無自覚でも全うできているということは、そういうことなのだと思う。
「よし……とりあえずはひと息ついて……紅茶でも淹れるか、……!!っと……」
「わわ……!大丈夫ッすか?!トレイ先輩!」
リドルに上げる分の書類をまとめ、トレイはそれを運ぶべき場所へと運び、机上に置いたと同時に深く呼吸した。
感じた喉の渇きに欲をそそられたのは、二時間ほど何も口にしていなかったからだ。
トレイは水分補給が必要と感じ、一旦自寮のキッチンへと戻ることを決めていた。
やけに多い独り言に自嘲しながら、それでも円滑に事が進んでいることには素直に安堵する。
その上で丹精込めて注いだ紅茶を嗜めば、忙殺されていた心にも潤いは宿るだろう。
キッチンへと向かう……が、その道中、トレイは廊下の曲がり角でちょっとした自寮のトラブルメーカーと遭遇していた。