主≠監。
shivering butterflies
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アラームは特にかけていなかった。
けれど不思議と目が覚めたのは、予め聞いていた時間を意識していたからだろうか。
約束の時間までにゆとりを持って起床した名無しは、隣で寝息を立てるトレイにすぐに声をかけようとはしなかった。
まあ、疲れ果ててきもちよさそうに眠っている姿を真横で見てしまえば、ぎりぎりまで寝かせるべきだとふむのも当然だ。
それに、トレイの寝顔がとても愛しいとも……そう思えたから……――。
「――……イ……トレイ…」
「んー……、………名無し?…、……着替えたのか……?」
「ッ……、そりゃあ…下着だけはね……。…いきなりそれ……?」
「……っ…!あー……悪い、そうか……あのあと……。どれくらい落ちてた……?」
名無しがトレイに声をかけたのは、リミットを迎えるちょうど三十分前のことだった。
それだけあれば残りの身嗜みも、学園を出る準備も整うだろうと思ったがゆえの逆算した時間だ。
トレイはかなり眠そうにしており、そして疲れも完全には取れていない様子だった。
が、睡眠をとっていた分の効果は確かにあったようで、目を覚ますのに難儀はせず、傍に居た名無しの手をとっていた。
もっとも、最初に言葉として奏でられたそれが着替えた下着についてだったことは、名無しも苦笑いせずにはいられなかったのだけれど……。
「んー……たぶん一時間も経ってないのかな……?でも焦らなくて大丈夫だから……あと、ペンは机の上に置いたよ……?もう綺麗な色に戻ってたけど、起き上がれる……?」
「そうか……ああ、問題ないよ……ちゃんと起きられそうだ。ありがとな……名無し」
「ん……、……!あ……っ、もう……トレイ…」
名無しはひと足先に起きていた分、まずは着替えを済ませていた。
ずっと男の性的興奮を煽るような下着を纏っているわけにもいかなかったし、抱かれたという、
リアルな痕跡の残った生地を身に着け続けられるほどの図太さも持ち合わせてはいなかった。
まともな常用着に着替え、トレイの肩を揺らすことで彼を起こす……。
トレイは眠そうな霞みまなこで名無しを捉えると、いち早く下着に変化があったことを口にした。
自身の性癖と着眼点をさらけ出して笑いを誘えば、回転を始めたらしい脳がようやく現状を理解し始める。
そしてマジカルペンは魔法石の変色経過も聞いて、安堵しながら大きく息を吸って、吐いて……を繰り返してゆく。
伸ばした腕が名無しの頬を撫でれば、直後、手のひらを彼女の後頭部にあてがっていた。
トレイと、人肌の乗り移っている心地のよいシーツの波間にとらわれれば、名無しは再び彼の手で横にならされていた。
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