主≠監。
end in melancholy.
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「!は、や……ジェ…イ……抜い…だめ!!ひゃ……あ」
ジェイドがいつ薬を服用したかなんて知らないし、飲む姿をいちいち目で追えるほどの余裕など、名無しにはなかった。
ただやはり潮は引いており、人魚の体格を失ったジェイドにまるで合わせるかのように、憎らしいほどの塩梅で海面は下がっていた。
それは即ち、彼にとっては全長が縮もうと両足が底に着きさえすれば、なんの苦でもなかったということだ……。
「ん……んっ」
「ジェイド……ジェイド…奥……は、だめ……いまさいごまでジェイドが来たら…わたし……」
海面が下がっている現状は、名無しにとってもいいことではあった。
浜はすぐそこだ……深さゆえ、多少なり持っていた海への恐怖心も、今では薄れていたということなのだから。
が、そのぶん身体は、ジェイドに悉く露見しているということにも繋がっていた。
「ひぁ……っ…」
挿入を許してしまったのも油断から。
他には彼が、名無しを抱き留めやすくなったことも恐らくは大きかっただろう。
片方の膝裏を制圧され、両腕も、いつの間にか自由を奪われている。
口吸いがてら腰を蠢かされれば嬌声だって漏れたし、名無しの淫膣も自然と、何度もきゅんきゅんと窄まっていた。
「わたし……何ですか?きもちよすぎて、どうにかなりそうです……とでも?ふふふ……それ、いつものことですよね」
「ッ……ジェイド……っ、あ……!」
「それとも……怖いですか?トレイさんに合わせる顔が、どんどんなくなっていくのが……んっ…チュ……」
「、ふ……ぁ……んあ……」
ジェイドは身体の交わりを目的とした相手なのだ。
だから名無しが悲鳴を上げるとすれば、それは快感を堪えきれなくなったときの他になかった。
腰から下はまだ海に浸かっている。
浴室、バスタブの中でのセックスを彷彿とさせる水音が耳に入って、同時に押し寄せるものが快楽とあらば、名無しは甘く啼き叫ぶばかりだった。
たとえどんなに悔しくても、ジェイドと肌を重ねるというのは、そういうことだから……。
「は、ぁ……ッ」
その心地よさゆえ、ジェイドに少しの図星を突かれて全身に緊張状態が戻っても、名無しが示すその反応はただ彼を締め付けるだけに過ぎない。
実際目が合えば、彼は小さな吐息を零して下がり眉を拵え、薄くまぶたを閉じている……。
血色良く赤らむ頬は、悦に浸れている証拠でもあった。
そんな今に対しジェイドはもうずっとずっと嬉々としており、腰を振るう様は、水の抵抗などものともしない表れだ。
名無しにはどうしたってそう見えていたし、それらもまたすべて、事実でしかないことだった。
「仕方ありませんよ……名無しの此処は、こんなにも僕を受け入れて……ナカの肉が僕に絡みついて離さない。たとえこんな場所でも……――……ふふ、えっちですね」
「!あ……」
「名無し……――」
「ッ……、……ィ…ド…、んあ……」
冷ややかでもあり、生あたたかくもあるジェイドの息が頬にかかって、囁き如きだけで名無しの全身は射抜かれてゆく。
甘噛みされた耳をじっとりと舐られれば、それは痛みにすら性感する名無しには、格別たる愛情表現だろう。
「――……僕も好きですよ、ちゃんと。……貴方の身体が」
「!!…ひっ……、あ……ッ」
完落ちさながらの身体が内側から犯される。
やがて名無しは、再び身体に兆しを感じていた。
そこへ追い打ちをかけるジェイドの言葉はあまりにも巧みで、狡猾さに呑まれてなるものかと抗う彼女の望みを、容易に打ち砕いてゆく。
ぐんぐんと規則的に、時には緩急をつける下からの突きには嬌声が漏れ、唇が自身の唾液に塗れた名無しはジェイドにキスをされると、めいっぱいの施しも浴びた。
「んぁ…あっ…あ……!んぉ……ッ、……ふ、……ジェ…イ……」
「ッ……は、……んん…ぁ……」
凶暴なそれが、膣の中で揺らぐ……。
強固さと猛々しさを併せ攻められ、名無しが抱くのはジェイドを求める強い気持ちと、ほんの少し、トレイへの罪悪感だった。
「僕を唯一満たしてくれるのは、今だってずっと名無しの身体だけです。……だから切らないでくださいね?僕を……ずっとずっと、この関係を……ふふふ、ッん……あ…――」
「っ……、ッ……ひ、ぁぁ……ジェイド!!あッ……んぉ……いくっ、イ……イクッ……―――ッ」
抱擁や言葉。
すべてのジェイドの言動に熱が入る。
見つめられたまなざしは何処までも、その瞳の奥にあるのは彼の強欲だった。
ふと、名無しはジェイドがふわふわと微笑みを見せてきたことに胸を高鳴らせ、そういう油断が、彼が自分のなかに目ざとく入って来る遠因となっていることを悟った。
「――……ッ…」
ジェイドのきもちは、どれが本当か分からない……。
分からないけれど、確かなのは互いを慰め合う関係にだけは、どうしようもなくそれぞれが心地よさを抱いているということだけだ。
それでも気を抜いてはいけないことを改めて肌で、心で知ったし、切れないわがままでトレイを縛り付けている罪も、名無しはずっと背負っている……。
「ッ……はぁ…、……名無し……――」
「!……ッんぅ、……チュ……んん…は、ァ……ジェイド……ジェイド……――」
「、………ふふ…―――」
いけないと思いながらも、知りながらも……。
その罪を背負いながら浴びる、ジェイドによって齎される絶頂を自分はいつだって失いたくないのだと、名無しはそのとき実感していた。
膣のなかでひくつくジェイドの脈打ちが弱まると、名無しは再びきつく抱き締められ、繋がりが解けないまま、唇もしばらく重ねられていた―――。