主≠監。
end in melancholy.
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「――……なんで…脱がすの…、ばか……もう……っ」
自分にとって水の中がホームでなくとも、人が着衣したままそこを泳ぐというのが困難なことくらいは知っている。
けれど突如として引き摺り込まれていれば、その前に脱ぐことも叶わなかった。
まあ、そもそも名無しはそれを脱ぐという選択肢すら頭に拵えてはいなかったけれど……。
むしろずっと着続けていたいと思っていたぶん、皮肉にもジェイドの気遣いは余計に感じられた。
「ッ……貴方は…、こんな格好で今日一日、ずっとあそこに居たんですか……?!こんな……」
「!」
ジェイドは水を吸ったパーカーに名無しが体力を奪われることを危惧して、優しさのつもりでファスナーに手を伸ばしていた。
ゆえに彼からしてみれば、抗われたことの方が疑問だっただろう。
勿論抵抗されたところで、ジェイドが難儀するわけもなかったのだが……。
他愛なくファスナーを下ろしきり、名無しからパーカーを奪ったジェイドは、それを上手く岩の出張った部分へと引っ掛けた。
「………」
誤算はひとつだ。
彼にとって名無しが水着を着用しているという認識はあっても、そのデザインまでいちいち気にかけてはいなかった。
だからこそ、彼女の着ていたそれに一寸、ジェイドは目のやり場に困って、同時に正直な気持ちを打ち明けていた。
「名無し……」
「だからやめてって言ったのに……返してよ…もう……濡れててもいいから……羽織ってないと、誰にも……ジェイドにだって見られたくな……」
「トレイさんに。……最初にお見せするつもりだったんですね?」
「ッ……」
その発言で名無しのどういう表情を拾おうとしていたことか……なんていうのは大した問題じゃなかった。
言えば名無しは必ず動揺を見せるだろうし、イコールそれが彼女の本心ということだ。
着ていた水着はトレイのために……それも彼好みのものをわざわざ新調している。
一瞬でそれが分かったジェイドは、腹の奥で黒々とした感情を躍らせながら、なかなかどうして笑みを抑えられずにいた。
「――……分かってるなら……返して……ほんとに…」
「いいえ……真面目な話、水を吸って重くなっていますからね……今羽織らせるわけにはいきません」
「なら浜に……ん!…ッんん……っ」
明るい寒色系のパーカーとは打って変わって、名無しが着ていた水着の色は、その逆を連想させるものだった。
紺と白を交錯させたギンガムチェックは定番の柄だけれど、アンダーバストやビキニショーツの横のラインには、小さなフリルが段々になって付いている。
ひも状のホルターネックは首の後ろにリボンが来るようデザインされており、そこで結ばれているおかげか、名無しの胸元は強調されるよう、見る者をうまく錯覚させていた。
「んっ……、はぁ……ジェイド……ぅ…」
キスを何度も繰り返して、ジェイドはその都度名無しの身体をくまなく見渡した。
初見、目を逸らした下半身は、くびれ近くで食い込むダブルストリングがとても印象的で、ジェイドにも見慣れない光景ではあった。
いやらしく二重に見えるのは、インナーと一体化しているらしいショーツだ。
それは言ってしまえば、面積だって決して広いものではなかった。
名無しが見るなと必死に訴える気持ちも分からなくはないもので、けれどだからこそ、ジェイドは余計にそれを先に……自分がトレイよりも早く目にしたことを面白く思っていた。
「チュ……ん…、ん……」
臍の下や、腿に感じる生々しい肉付きに自然と喉が鳴る。
重ねていた唇もぐっと開けば、ジェイドは舌を割り込ませて名無しの口腔を犯し、そこを凶器と化させていた。