主≠監。
ipoipo
Please input the ur name.
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
外の景色がどうなっているかなんて関係ない。
勿論、海の中を彷彿とさせる水中に寮があったのだから、空までは普段よりも遠かった。
たとえ明るかろうが、暗かろうが、それは今でも二人にはどうでもよかったことだ。
気にならないほど見つめ合い、感じ合い、求め合っていれば当然の結果だろう……。
「ッ……名無し…、だめもう……挿れたい……名無しのなか……しよう?ね……っ」
「!……あ…、フロイド……」
「……?……、あー……もしかして同じこと考えてた感じ?フフ」
たとえば相手が時間を気にしていたらどうしようか。
そんな悩みも不思議と沸きはしなかった。
挙句、頭のなかで巻き起こす理想が自分たちの未来に直結していて、寸分の狂いもない同じものとあらば、こんな幸せなことはそうないだろう。
目が合って、照れて、名無しの染まる頬を撫でるフロイドの手は、あまりにも優し過ぎた。
「っ……うん…、……ね、…きもちよかった?」
「んー……おクチ?――……もうめちゃくちゃサイッコーだった……ありがと名無し」
「ッ……」
名無しの口淫こそ、終わりが来るのを悔やむ想いをフロイドは当然抱いていた。
それだけ心地よくて、恍惚が過ぎるものだったからだ。
フロイドはまだしばらくはそれを望んでいたけれど、名無しの口腔にきつく自身が窄められたとあるタイミングに、漸く決意をかためていた。
流れる時間も、この上ない程に緩やかだった。
たっぷりお互い、熱を込めた愛撫に全力を注いだ。
そして残るは……。
二人に待っていたのは、二人が求めていたのは、たったひとつのことである――。
「やっとだね……はぁ…ドキドキ」
「っ…、……っもう…」
「――……名無し……すーき」
「!……好……ッ、あ……――」
フロイドはベッドに肘をついて上肢を起こすと、名無しの頭をじっとりと撫でて口淫からの解放を促した。
惜しいけれど、だ……進む必要もあれば当然だろう。
名無しは最後の最後までフロイドのそれを丹念に愛で、離れる瞬間も先端にキスをして、最後に先走りをひと舐めしていた。
身体を起こせばぎゅっと抱き締められ、時間をかけた愛撫に小さく礼を囁かれる。
まあ、自分も聞きはしたからという理由もあったけれど、耳元で、それもしっとりと……その小声がシリアスな声音とくれば、名無しがゾクゾクしない理由がなかった。
「ッ……」
フロイドは口淫に満たされたまま、名無しをそっと押し倒した。
名無しは舐陰に果てる寸前の享楽を覚え、フロイドに組み敷かれて恥じらいながら、ゆっくりと股を開いた。
そのとき、待てないと口にするフロイドの言葉を耳にしても、酷い焦燥感に襲われなかったことがほんのりと謎を呼んだ。
が、二人が気にすべきは、自分たちにこれから降りかかる未知の快楽だ。
フロイドは恐る恐る名無しにあてがうと、再び愛情を込めた一言を紡ぎ、その瞬間、彼女の内側に自身のすべてを溶け込ませた。
「あ……待っ……なにコレ……あ…ッ」
「!ん……ッ、フロイド……?」
「ッ……ねえ……、きもちいいとか……そういうの超えてねえ…?出すとか出さないとか…じゃなくて……むり…ッ、あ……イイ……ッ」
「フ……あ…ッ、……んん……!」
微かに聞こえるシーツの摩擦音は、微かゆえに、耳心地のよいものだった。
それより更に好いと思えるのが、互いの息遣いと、いやらしさをあまり感じさせない甘美な声色だ。
挿入を迎えてしまえば、きっといつもの淫らな自分たちが表面化してしまうだろう……。
多少そう思っていたことがまさか杞憂に終わった挙句、名無しはフロイドの悶絶する表情に、いい意味で困惑の色を浮かべていた。
「は……ぁ、挿れただけじゃん……動いてねえのに…普通だったら、突きまくりたいって……なのに、…あ……名無し……」
「あっ……ん……フロイド、も……なの…?」
「!」
名無しはフロイドに貫かれた瞬間、自分でも出したことのない声を漏らし、或いは彼に引かれるほどの悶絶も一応は覚悟していた。
が、自分が狂う前に、まさか視界に広がるはフロイドの異変だった。
挿入直後は動かず、まずはじっとすることが望ましいと知見していた。
ゆっくりと呼吸をして互いを感じ合う時間も大事だと、そういう認識を持っていたまではよかったが、想像の遙か先を行くフロイドに、名無しはまんまと流されていた。
「、っ……なんだお前もなんだ…?あは……あッ……じゃあ、暫くずーっとこうしてるね……あ、ねえ……キス……」
「ッ……んっ…ちゅ、んぅ……んん……ッ」
動かずして頭がおかしくなるほど気持ちがいい……そう思いあえる日が来るなんて、想像しようにも不可能だった。
体験したことがなかったのだから……そして今、名無しとフロイドはそれを味わわされている。
名無しに沈むフロイドは時折肩を上下させ、たまらず彼女を抱き締めることで正気を保とうとしていた。
名無しは呼吸に合わせて淫膣をひくつかせており、それはわざとではなく、無意識だったゆえにフロイドが巻き込まれていた状態だ。
締め付けに快楽中枢という中枢が、未知の快楽に侵されてゆく――。
普段のフロイドならば、たまらず腰を突きまくっているところだろう……。
が、そんな衝動さえ起こらないほどまでに、下半身が抱える彼の熱情は、大いに深度も増していた。
「ン…ッ……は、……ぁん…ちゅ、ぅ……」
そんなフロイドに快感を移されて、名無しも同じように悶絶を繰り返す。
組み伏せられていた分、見てくれに大きな変化はなかったものの、フロイド同様の快楽に脳内も全身も犯されていた。
ただ繋がるだけの抱擁に、耳元で聞くフロイドの、交わりについてのささやかなきもち。
それだけで終わりのない絶頂に襲われていた気分だった。
むしろ、いっそ自分はこうしている間にももう何度も果てているのかもしれない……そこまで思えるほど、打ち震える名無しの全身にも、また熱が蓄えられていた。
「――……ハァ……。ねぇ……ずっとするよ?ずーっと。ずっとちゅー。……動くのは、もっともっとあとで……いい?名無し……あむ、ん……」
挿入後は、名無しはフロイドの両腕に包まれながら、耳元で彼の囁きに恍惚としていた。
が、二人のあいだで約束していたそれをフロイドが思い出せば、繋がりながら成すべきものが二人にはあった。
たかだかキス。
されどキス。
唇を押し当て合うだけでも愛情がたっぷりと伝わってくる不思議も、もはや今更だ。
舌を出してねっとりと舐め合うシーンも続けば、甘くて優しいただの啄ばみだって、二人はその場でずっとずっと続けた。
「は、ぁ……、ん…すき。フロイド……――」
「ッ……ふふ…ねーえ、もっと言ってよ……オレが飽きたって言うまでさ。ずーーっと……ね、……名無し―――」
ずっとずっと……。
そのときフロイドが口にした言葉は、甘えん坊のような言い方にも聞こえたし、自分を征服する為の決まり文句のようにも名無しには聞こえていた。
どのみちどちらに転ぼうと、どちらもフロイドだ……。
そして目論見に関係なく、名無しもまた、ただ彼と愛し合い、口吸いあうだけだった――。