主≠監。
may be a crush
Please input the ur name.
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――――。
フロントを通ったとき、密かにスマホの電源を落としていてよかったと思う。
名無しにもさり気なく話した甲斐はあった。
おかげでどれだけ集中できたことか。
彼女の嬌声を聞くためだけに、どれだけ手を、唇を、喉を駆使したことか――。
「あ…んぁ……、も…トレイ……」
「ん……汗、さっきよりいっぱい滲んでる」
「ッ……」
「フッ……汗もだけど……顔、めちゃくちゃとろんとしてるな。早速クリも弄って欲しそうな、スケベなカーオ」
「!……ッ」
名無しが本音をちらちらとトレイに示してからは、暫くの時間が過ぎていた。
その間、身体はずっと弄ばれた――。
これでもかと言うほど肌にはしっとりと熱を孕んだ大きな手が滑り、上半身には、しつこく彼の愛撫が集中していた。
「……そんなに感じた?キスに耳舐め、首に噛み付かれて……乳首めいっぱい吸われて、フ……えっちな声も出して」
「…あッ!……あん…」
「そうそう。……お前のそれ、すごく好きだ……――アンッ……」
「!!と……っや……!あ……」
「ダメだ……ほら、もっと出せ。……んむ…」
「……ッ…あ…ン……っひぁ…あ!……も、……やら…」
撫で回され、舐め回される度に、もっと下へ下がって欲しいと言う想いが強まった。
匂わせる為に膝をもじもじとしてみせても、トレイには絶対に見えている筈なのに、平気で無視をされる。
勿論、どんな類の愛撫を降らされても気持ちがよかったし、名無しは満足そうにトレイの好む声を漏らしていた。
けれど深まる欲に負けてしまえば、その先を求めたくなるのは当然だ……。
「きもちいい……でも、やだ……っもう…」
「んー?」
「っ…うえ、ばっかり……もう下も…欲し……」
大好きだった耳はそのカーブを優しく、そして耳孔はドリルのように舌先で攻められた。
舌が這ったまま首筋に降りれば甘く噛み付かれて、ゾクゾクとした感触を増やすべく、トレイはそこで息を吸う。
名無しにひんやりとした空気を送り込めば、彼女のつま先がシーツを蹴るのも想定内の出来事だった。
ブラジャーから解放された胸はぷくりと先端が膨らんで、乳首を終着点に定め、外側から順に舐め回された。
時折聞こえるトレイの息遣いもいやらしく、じっくりと味わうように乳房を揉み込む所作も、名無しにはとても卑猥に映っていた。
「下も……?どのあたりだ?足か……いや、反対向かせて尻かな。フフ……お前、結構後ろも好きだもんな」
「ッ……トレイ…」
熱くなって、蒸れてさえいる下半身を早くどうこうしたいとそもそも口にしていたのは、他ならぬトレイだ。
なのに放置され、上肢ばかりを愛されることに覚える名無しの焦れたるや……。
名無しは燻る気持ちが快楽と溶け合い、口角から垂れる唾液を自身で舐め掬うことも出来ないまま、組み伏せられたままトレイに屈していた。
もしも自分がトレイのことを扇情的に思わせる態度でいたとて、それは彼女にとっても同じなのだ。
煽られているのはトレイだけじゃない……。
名無しだって恥辱を受けながら、欲しい場所に欲しいコトを与えられないまま、ひとり耐えていた。
「ト……ッ…」
「……ふふ…。わかったよ……チュ」
「!」
トレイは名無しの汗ばむ腋を嗅ぎ、躊躇なくそこを舐め回しては、交互に胸も愛して息を荒らげる。
名無しの絞り出す、か細い声音での懇願を軽く流せば、ふわふわとと微笑を零した。
名無しだって多少の覚悟はできていた。
今がどういう趣旨のもと互いに肌を重ねているか、その意味も分かっているつもりだった。
恥ずかしいけれど、口にしなければ始まらないだろう……。
だから腹をくくり、一度喉を鳴らしてトレイの言葉を待っていた。
――そんな彼女のまたも軽く上を行くトレイに名無しが絶望すら覚えれば、その脳裏では再び、恥辱と強欲が争っていた。
「ああ……分かった。それじゃあ、クリトリスぺろぺろしてください……ちゃんと剥いて、名無しがいっぱい気持ちよくなれるように……って言えたら、すぐにでもしてやろうかな」
「!!な……ッ…、や…そんな……!ひ…ぁ……」
「チュ……んん…、ちゅく……言わなきゃこのままだ……ふやけてとろけるまで、ずっと弄っててやる。……お前の胸も、いやらしく勃ってるこの乳首も」
「――……ッ、あ……だめ…トレイ……それだめッ、あ……」
喋らされる覚悟でいたお前のそれは、そんなものだったのかと言われた気がした。
そう思ったのは、本能的に拒んで、軽く青褪めて、なんてはしたないことを口にさせようとしているのかと感じた結果だろう。
トレイの自分を見る目には、強かで赤い熱情が窺える……。
強要されたと同時、身体に浴びていた快感も一瞬ストップすれば、名無しの身体はまた焦れるだけ、もどかしく感じるだけだった。
「ハ……簡単だよな……?いつも話してることじゃないか…今更恥ずかしがることじゃない。勿論、毎回恥じらってるお前が可愛いから、俺も毎回言わせるんだけどな……フフッ」
「ふ、……ぅ……ッ、あ…」
拒んだ瞬間、焦れるのを分かった上で乳首を指先で弾かれ、その五指の腹では乳輪を弄られた。
今はそれが名無しにとって、どれだけ歯痒い愛撫だったことか……。
それを分かった上で彼は施していたのだから、トレイの拗け具合は簡単に計り知れた。
耳元で繰り返される強要に全身が打ち震える。
ただ言われたことを口にするだけという誰でも出来るそれに戸惑って、自分から快楽という名の幸せを取りこぼしてゆく。
見つめられ、冷たい視線に下半身がまた反応していることも、自分の身体なのだから嫌でも分かっていた。
度重なる煽りに屈さなければ、このままでは続きは永遠に来ないだろう。
名無しの震える喉は、それを言うのに更に震え、赤ら顔も濃度を増していた。
決心がついた頃を読み、トレイが名無しの膝裏をそっと掴みにかかっていたのは、そのときのことだった。