主≠監。
heat haze
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既に制服に着替えていたフロイドは、名無しの掴んだ腕を離すことなく、そのまま彼女を長椅子に組み伏せていた。
顔を近付けられ、狂気に満ちた瞳に身体が精神的な痺れを訴える。
汗ばんだ匂いをスンスンとわざとらしく嗅がれれば、恥をかかされて瞬く間に頬は紅潮した。
そしてジェイドの言葉を皮切りに後方から煽られれば、それに呼応したフロイドが調子付くというのも、いつものパターンだった。
「――あ……ァ…ッ」
「あァ……?なんだすんなり挿入ってんじゃん……今日はどのへんで感じたの?ジェイドに吹っかけられて?それともオレがジッと見つめたから?んー……?」
「…っ……い…、ああ……」
名無しもミーティングが終わった後は、同じ控室の一画を使ってジャージから制服へと着替えていた。
パーテーションごし、順番に退室しゆく男子がそこに数人残っていようと、別に気にしなかったのは今更だったからだ。
邪な視線を向けられたこともなかった。
マネージャーとしてよくやっていることを評価されていれば、性別なんて関係ない。
名無しと部員、お互いのあいだに存在していた信頼は、決して小さくはなかった。
「ほら答えなよ~………名無し……そんな締めてばっかいないでさァ」
「!……ッ…」
「ん~…つまんねえの……、まあいいか……あとで嫌でも喋らせてあげるよ……、ン…」
試合後に話していた、とある一人の部員と話す機会は確かに多かったかもしれない。
押し倒されて、ジェイドとフロイドに最初に切り出された話題がまさかその件だったことについては、流石に動揺も隠せなかった。
名無しは二人に会って早々、長い年月を過ごしてきた部員を軽く蔑まれ、全否定されていたも同然の扱いを受けていた。
が、悔しいかな、弱みばかりを握られている自分には彼らに強く言い返すこともままならず、噛み締める唇には痛みを覚えるばかりだった。
「ッ……ひ…ぁ……フロ…」
「んんー……キモチイイ…ッ……久しぶりの~、お前とのセックス最高~!ん……ッ」
「…っは、ぁ……」
捲られたスカートの中、内腿に五指の爪を立てられ、歯を見せて笑い見下ろされる。
フロイドの嬉しそうな表情は文字通り上機嫌を表していたけれど、それはイコール、自分に幸せが齎されるというわけではなかった。
我欲のみにとらわれ、玩具としてしか見られていない名無しは相変わらず強引に下半身を擦り付けられて、急激に感じた彼の熱には冷や汗を垂らした。
「や……あ…ッ」
名無しに唯一、フロイドに抗える手段があるのだとすれば、それは首を横にして小さく振る程度のことだった。
けれど名無しはそこで再び彼に匂いを嗅がれて、今度は耳元に鼻を近付けられていた。
髪に馴染んだシャンプーの香りと、今まさに垂らした、汗の匂いの混ざったそれがどうやら好ましかったらしいフロイドは、興奮を覚えるがまま自身のベルトに手を伸ばす。
上々だった気分に浮かれて饒舌にも拍車がかかれば、どう足掻いてもフロイドのペースにのまれる他なかった。
「――……ッ」
名無しの下着を横にずらして捲るだけの乱暴な所作も、たとえ久々だろうと、そこに居たのは如何にもいつもの彼である。
嫌がってもフロイドの手は止まらなかったし、たとえば名無しがジェイドの方を見ようとも、ジェイドは口角を薄らと上げ、こちらを見ているだけだった。
フロイドが名無しにキスはおろか、何の愛撫もなしに自身の欲望を満たすべく彼女の陰部を貫いたところで、それは今更珍しいことではなかった――。