主≠監。
pussy struck
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――――。
「―――……ふ…ぁ……っん…」
どんなにとろけ顔を見られても、それをまともに直すことすらままならなかった。
咥えさせられた下着の隙間から漏れ出る呼吸はひゅうひゅうと、情けない笛の音に似たそれを含んでいる――。
「……ッ…」
何か言って欲しい……。
ただ見下ろされるだけの視姦にいくら慣れていたとしても、今だけは耐えられない。
やけに長く続く余韻さえ初めてで、快楽のあまり名無しがそのとき覚えていたのは、恐怖にも値する感情だった。
「フ……まさか乳首イキするなんてな……チュ」
「!」
「……。まあお前はいやらしいから、これも普通か?……フフッ。……素直なカラダだよ、ホント」
「?!ッ…ふ、んん………ッ」
「今までジェイドに開発でもされてたのか……?乳首、こんなに硬くなって……ン…ちゅ」
「ん!」
少しの無言の空間には、先にトレイが口を開くまでは、名無しの荒い息遣いだけが漂っていた。
彼女のその吐息を耳で味わう為、まるでジェイドとトレイが敢えて無言を貫いていたようにも思えたのは、何らおかしなことでもないのだろう。
その日初めての轟沈。
秒針が進む度に、羞恥心が多少和らいでゆくのもまた自然なことだ。
呼吸も落ち着きつつあった事実は名無しを安堵させた。
もっとも、トレイの話には結局赤面するほかなかったのだけれど……。
そして当然、ジェイドの言葉にも――。
「まさか……僕は開発なんて。ねえ?名無し……」
「…ッ……」
「ふふふ……確かに、この乳腺のあたりなんかは、なぞるといつもよく感じて……身体も度々ひくつかせてはいましたが…。……そうでしたか」
「!んっ……ふ、ぅ…」
「フッ……僕も自ずと、じわじわ調教のひとつでもしていた……ということですかね」
「ん…ン……っ」
ずっとびん勃ちのままだった乳首にかかる、ジェイドとトレイの唾液の艶が冷えて少しくすぐったい。
快楽に犯された意識にエラーでも孕まされたかの如く、名無しはこのとき、あろうことか行為は終わったものだと錯覚していた。
それほど彼女に齎されたこの日最初の絶頂……その勢いというのは、凄まじいものがあった。
「自ずと?……また君は……フッ…」
「?……ふふふ」
見上げた左右で交わされる会話は、よく聞けば実に下種めいている。
悪逆そのもののような微笑を含み並べられた言葉には、たとえ轡が無くとも、名無しは何も言い返せなかっただろう。
呼吸により上下する腹部をなぞられ、汗ばんでいる触り心地を二人は楽しんでいる。
トレイはいまだにジャケットすら脱いでいなかったけれど、ジェイドはそのとき、自身の淡い色をしたシャツのボタンを最後まで外しきり、スラックスからも裾を出していた。
その様子が目に入った名無しは、寮服をそこまで着崩した彼にどうしようもなく胸が躍り、持ちたくない想いを心中抱いていた。
ただストレートに願う、けれど願えない、抱いてというその気持ち――。
「っ……」
散々胸を愛されて、そこで果て、初めて味わった意味のわからない快楽。
そんなものはもう、今は……今日はじゅうぶんだと、そう思ったばかりだというのに。
ジェイドを見た矢先、自分でかえす手のひらに思い出さされるのは、欲しいと今も唸り続けている自らの下半身のことだ。
きっと自由に話せても、こちらからねだるのはまだ怖い。
焦らされる恐怖も知っているからこそ、身を捩って、ただ手を拱くことしか、今の名無しにはできなかった。
「!?ふ……ん、……っむ…」
「――……お前のこんな、可愛くてスケベな反応が見れて……最高の気分だ、名無し。……けど、まだまだ終わらないぞ?……分かるな?」
「!ん…ッん、ン……ッ」
「それ」は、陰核や膣で迎える絶頂とは何処か違った。
勿論、頭のなかが真っ白になる感覚は殆ど同じではある。
後を引く感じや、全身に及ぶ気怠さ。
多少の差異があれど、それでも名無しが満たされたと思うには、やはりじゅうぶん過ぎるものが身体には走っていた。
「…ん……ッ…」
だからもういらない……そう思った、何度も思った。
その筈なのに済崩しで躾けられ、淫猥な身体はたった今、それを覚えてしまった。
知らなかった快感を一度でも味わえば、必ずまた欲しくなる……名無しは、それがどうしても悔しかった。
淫らにされてなお、新たに開花した彼女を見下ろしていたジェイドとトレイは、ただただ目を細めて微笑むばかりだ。
が、名無しは無意識、その笑みにさえよもや興奮しており、疼く自らの下半身はやはり二人を求めていた。
「!」
「ふふふ……怖いですか?初めて乳首で達ったばかりで、これからまた、自分がどうなってしまうのか……」
「ッ……ふ、ぇ…ィ、……んぉ…」
「ええ……。耳や乳首だけで満足するような貴方ではないですよね?名無し」
「?…ッ……!ん…っ、……?!ンー……ッ」
「ふふ……、折角ですから……今日は初めて尽くしで貴方を悦ばせて差し上げます……。―――此処……、二人同時に攻められたことなんて、勿論ないでしょう?」
「!!」
熱を宿し、肩や膝、関節のところどころはすっかり赤く火照っている。
名無しの身体が長らくベッドの上でぐったりとしていたのは、この部屋の中に限った周知の事実だろう。
ふと、そんな彼女の背に腕を伸ばしたのはジェイドだった。
のりの効いた、けれどなめらかな生地のシャツに皺が出来ようが出来まいが、そんなことには気にも留めず、シーツとのあいだにぐっと手を噛ませる。
勿論それは名無しを抱き起こす為の所作だったが、座らされた本人はというと、未だ絶頂の余韻を引き摺ったまま、とろけ顔を二人に晒していた。
「?!ん…ッ……んっ」
頭のなかで描く未来、望むもの、自分の気持ち。
すべての歯車が今はまだズレを成し、名無しを困惑の只中へと陥れる。
恐らく分かっていたのは、欲望だけが前のめりしていたことくらいだろうか。
与えられても全力で拒むくせに……。
まあ、ジェイドもトレイも、そんな名無しに弄び甲斐を感じてはいたのだが……。
「おやおや……ふふふ」
「っ……」
グイ、と引っ張られた腕に抗う力もなく、名無しはジェイドの身の上に跨った。
そんな体勢をとる羽目に遭えば、起きていた異変も当然ある。
ジェイドのシャツが、一部分が一瞬にしてじわりと変色していたのだ。
濃淡のはっきりとしてしまったシャツが濡れた理由など、知れたこと……。
薄い乳白色と透明とが合わさって滲んだいやらしい名無しの膣液が、彼の襯衣はおろか、さらけ出ていた腹部にも滴った。
「ふ、ぅ……ッんん…!」
名無しはジェイドに跨ったことで、自分の陰部が彼の衣類に密着し続けないよう、なんとか接触を避けようとした。
擦れたら擦れたで今は辛いものがあったし、疼いていたからといって、そんな些細なことで性的興奮を自分から求めるような、はしたない真似はしたくなかった。
もっとも、絶頂の余波で下半身も震えていた分、それが叶うことはなかったのだけれど……。
が、その直後、ジェイドは自分の上で名無しを浅く座らせることで、一方的にシャツが汚れゆくのを回避していた。
勿論、それは名無しに対するフェイクに過ぎない――。
本当の目的があってこその気遣いだと名無しが悟ったのは、彼が名無しの両足を抱えたことで明白となっていた。
「チュ……ん」
「!!ふ、ぃ……んんっ、ン……」
「ふふふ……漸くまともに可愛がってもらえますね?先程からもう、ずっとずっと襞が疼いて……悲鳴さえ聞こえていましたよ?貴方の陰部から」
「ッ……んっ、…ぁ、ふ…あ……!」
「おや……こんな形ではないと?ですがどういう形であれ、今は紛れもない、貴方が待ちに待っていた時間ですよ?それに……」
恥ずかしいことは今まで散々ジェイドにされてきた。
その度に色々と耐えてきたし、恥辱を味わおうとも、家に帰れば寝て忘れようと必死にもなった。
が、朝を迎える度に思い出して、結局下着の中に手を伸ばせば、そこは濡れている。
自分はジェイドのものだから……。
体の良い扱いを受けていても、甘い夢を何度と見せ合っていても、いつだって彼には逆らえない。
そして今も――。
「!……んッ…、ぅ…ッ!!」
「ん……チュ、……ちゅ。――ふふ……乳首。まだ勃っていますよね?ここからだとよく見えます……折角ですからもう一度…トレイさんに可愛がってもらいましょうか」
浅く座らされたことで、バランスを保つためにベッドに手を付き、名無しは自らを支えていた。
両腕が後方で自然と塞がったとき、同時にジェイドは片膝を曲げ、彼女に向けた背もたれを作っていたのだけれど、それは殆ど気休めに過ぎないものだ。
真意は腹筋を力ませて、ぴくぴくと震える表面の筋肉に興奮するべく、おもいきり下半身を引き寄せる。
最終的に名無しが腰を下ろしたそこは、ジェイドの顔の傍だった。
「ッ……ん…」
別にそれは、彼女にとって初めての体勢というわけではなかった。
だとしても、M字に開いた足でいやらしく、まるで相手に陰部を見せつけるような格好が、卑猥でない筈がない。
こんなところをジェイド以外の男に……トレイに見られていることが、名無しは今更、なかなかどうして恥ずかしかった。
伸ばされたトレイの手が頬に触れ、唾液に塗れた唇をなぞられる。
口吸いたげに顔がゆっくりと近付けば、されどそれは叶わず、彼は名無しの耳元にキスをして、またそっと囁いた。
「んっ……んぐ、…ぁ……、んぅ!」
「名無し――耳と乳首……今はどっちを舐められたい?」
「む……んっ、…ンぐ……」
「ああ……答えられないよな…フッ……安心しろ。どっちもたっぷり弄ってやるから……ん。は……んっ」
性感帯を口にして、そこを愛してやるといった類の言葉を浴びせるだけで、名無しは背筋をゾクゾクと震わせる。
分かっていたからトレイは実行したまでであり、たかだか二度目の性交に思えないあたりは、流石というべきか……初回同様ジェイドを感心させていた。
ピンと張った上半身を、フェザータッチで優しく上下になぞる。
べたつく腹筋に滲む、汗の感触にさえ昂ってゆく。
トレイは再び名無しの耳元を舐めながら、まろやかだった手つきはそのままに、指先を彼女の胸元へと滑らせた。
つづけざま、複数本のそれで乳首を摘まめば、ジェイドの身の上に跨るその艶めかしい裸体は、激しく身を捩っていた。
「ん、…ッ……ん!んぅ…っ」
一方で、同時にジェイドには愉快めいた表情、真下で微笑まれ、両足を抱かれることで腰から下は拘束を受けていた。
熟れに熟れた性器のまずは外側の陰唇を、漸く舌でじっとりと撫でられる。
彼の唇は何処に触れても心地がよくて、強弱や緩急をつけるその舌遣いに、名無しはいつだって嬌声を漏らした。
そして溢れた蜜を舐め取られ、嚥下され、それを繰り返されて彼女に芽生えた気持ちは再び、焦燥だ。
ジェイドが陰唇以外の近い場所、一番触れて欲しい場所を愛でてくれなかったことが、名無しの疼く身体に劣情を背負わせた――。
――――。
「ん…ん……ッ――」
降らされきらない、緩やかな快楽に悶々とする。
未だ陰唇はジェイドに啄ばまれている。
未だ胸をトレイに弄ばれている。
そんな折、名無しはまた何かを企むような、二人の会話を耳にしていた。
「ジェイド……取るぞ?」
「!ええ……構いませんよ…、名無しもそろそろ口寂しい頃でしょうし……まあ、それは僕たちにも言えることかもしれませんが。ふふふ」
「ッ……フッ、そうだな…それじゃあ今の君には出来ないことを、お先に失礼するよ?」
「ふふ……どうぞ?キスもフェラも……後からいくらでも出来ますから」
既に絶望さえ感じていたのは、脳裏に抱く本音が彼らを求めていたことと、懲りていた絶頂を欲していた所為だろう。
どうせそれはロクな話じゃない……。
耳を塞ぎたくもあったその瞬間、聞こえた話に淡く望みが差したのは、不幸中の幸いかもしれない。
「フッ……お待たせ」
「?!……んむ…、……ッ、っはぁ…!トレイ……」
「いいもんだなやっぱり……すごくそそるよ。久々に俺の名前をそうやっていやらしく呼ばれると……あとでジェイドのことも呼んでやれよ?」
「っ……トレ…イ、……あの…!!んッん……」
「チュク……ちゅ…ン……――」
意外にも二人の会話はそのまま、名無しの望みのひとつとしても共通していた。
含ませていた下着を摘まみ、苦しそうだった名無しのそれを手前に引く仕草で、彼女を驚かせる。
トレイは漸く、名無しの口腔から生地を取り出していた。
最後まで唾液が糸を引き、下着は粘液に塗れ、まったく今では使いものにならなくなっている。
どろどろになったそれに一度キスをしてみせると、目を丸くする名無しの可愛さときたらなかった。
トレイはそれをベッドの上はあさってに放り投げ、今度は名無しにも口付けた。
「んんっ……ちゅ、……ッ」
数十分ぶりに自由になった口元が覚束無いのは、きっと仕方のないことだ……。
名無しは言葉を取り戻しつつも、やっと出たのはトレイの名前だけだった。
何か言いたげにそういう顔をしようにも、今更表情筋は上手く動いてくれないし、おかげで意思も薄弱だ。
ずっとはしたなく悶えていた所為だろうか……。
キスを許した瞬間でさえ物欲しそうな顔をして、名無しはトレイを受け入れながらいやらしく、無意識に舌を絡み合わせた。
「んっ……っは、…ァ……」
「舌、熱いな……フフ、悪かったよ……少し苦しかったんじゃないか?」
「ッ……!あ……」
「ああ……でもお前はやっぱり、苦しいより気持ちイイ……の方が勝ってたかな……ん?フフッ」
「ト……ッ!!ひぁ…」
言葉を取り戻しても、息をして、トレイに対応することで頭のなかはすぐにいっぱいになった。
ただでさえ下半身は、今もジェイドが焦らし続けているというのに……。
同じ状態がこれ以上行われれば、また身体はねっとりとした卑猥な底辺へと突き落とされるのだろう。
下では陰部をひくひくさせる度、ジェイドがそれを唇で引っ張っている。
名無しの意思にかかわらず、伸ばされた陰唇が内側から甘汁を滴らせればきゅっと吸い上げられ、冷たい空気を性器全体にかけられた。
「ん……ッ」
名無しは上下を交互に警戒し、そうしなければ正気も保っていられなかった。
それほど二人の攻めはここへきて容赦なく、濃密に変態色を放っている。
たとえ名無しに限界があっても、二人にとってはまだまだ、そんな文字とは無縁だった。
それを彼女が知るのは、これからの話だ……――。
「ハ……そうそう。そそるんだよ、お前のソレ……もっともっと聞きたい――、……ン…ちゅ。チュ……」
「ッ……ひ、んァ、……ア!…ッ…れぃ……とれいッ」
「ヤラシイ身体……めちゃくちゃえっちだぞ?フフ……さあ、今度は乳首も……んん」
「!!ひぁ、……や、ぁあ……っ」
トレイは何度も名無しのことを優しく、そして時々強く撫でた。
頭をはじめ、髪や頬、目元、口元……手のひら全体を使って首筋に触れれば、近い耳には指で愛撫した。
彼の舌がその耳全体を舐めしゃくれば、感じる度に胸が上下にぶるると揺れる。
まるでエストロゲンが目に見えて溢れているかのような……しゃぶりつかずにはいられないほどの房ふたつの存在感には、トレイも忙しなく顔を往復させていた。
「ん……ふ、んぅ…はぁ……チュク…」
「あ…んぁ……!いや……もうッ、トレイ……っ」
上肢の耳と胸、どちらかを指で攻められれば、必ずどちらかを舌が這う。
片方だけ、という選択肢が、そもそも彼にはなかったらしい。
名無しの反応を窺うためでもあったのは言うまでもなく、そしてトレイがそんな状況でも、下ではひたすらジェイドが名無しのそこを独占している。
的確に犯されていた上に反し、陰部はずっとずっと焦れていた。
二人の思惑が読めるわけもなく、名無しは口元が自由になった分だけ、だらしなく唾液を垂らし悶えた。
「…ああ……。声、それだけ喘げるならもういいか……。どうだ?そろそろ……ジェイドにおねだりしてみるのは」
「っ…ひ、……あッ…、いや……触ら…」
「フ……、ここの肉襞と……足の付け根。内腿に……ン、可愛いウシロ。あとは入口かな……。俺が今言ったトコロは全部ジェイドに舐めて貰えてるよな……?けど、それだけだ」
「ッ……いや…、ぃや……」
「―――…お前……もうやばいんじゃないのか?ほら、……クリも舐めてって言ってみ……?」
「!……イヤ…、いえな…い……そんなの恥、ず……」
「ふーん?でもこんなに汗掻いて……震えてるぞ。俺とのキスも、耳も胸も……どんなに気持ち好くたって限界はあるよなァ……?どうしたって、ちゃんとしたクンニには勝てない」
「ト……ッ、そんなこと言わないで……ほんと…に……」
「お前……本当は欲しいくせに、大事なトコでいつもそうやって意地張るよな……ハッ。まあ、そこが可愛くもあるんだけどな」
耳元でぼそぼそと響くトレイの声音は、爽やかなそれに対してとても卑猥で、下種で、つくづく狡いと思った。
また段々とジェイドにも似てきているような気がすれば、いよいよ頭の螺子の一本や二本がイカれたのかとさえ感じさせられる。
鈍い快楽が続き、真に欲しい純粋な快感が降らされない。
その過酷さも相まって、名無しはトレイのことを悪魔のように見立てずにはいられなかった。
脳裏にねちっこく絡んでくる誘惑が名無しを息絶え絶えに喘がせれば、トレイはそこで眼鏡のズレをなおし、口角を上げてへらついた。
「そら……クリ舐めて…って。この前は言えたろ?……それに一言言うだけで、いいコトあるかもしれないぞ?名無し――」
「っ……、ふ…ぅ……」
「――……ジェイドに言うのが恥ずかしいなら、俺に言ったっていい……ほーら…、お前はいい子だろう?ん……?」
トレイの誘惑は多分、ハッタリじゃない。
この場は自分を従わせることに彼は興奮していただろうし、嘘をつく理由もなかったからだ。
そこが多少、ジェイドとは違うところなのだろう……。
彼のように平気でつくのとそうでないのとでは、名無しにとってトレイを見る目も、そして依存度も大きく異なっていた。
「ッ……――」
名無しだって、頭では大いに自覚しているのだ。
今はどうして欲しいか。
自分の身体にそれぞれ、二人に何をされたいのか……。
どちらがどこをどうしようとも構わない……ただ、二人に同時に、彼らが持つ最高の愛撫を、この身に浴びせて欲しい。
「…ッ……」
乳首だけで感じさせられた、殆ど絶頂と同等だったあの感覚。
果てはそれ以上の……いつもの気持ち好いあの瞬間が、名無しは今すぐ欲しかったのだから。
が、ジェイドが焦らしている限り「それ」は絶対に訪れなかったし、だからこそ名無しは身を捩らせて、ずっとずっと悶えていた。
「…あ……――」
トレイの言うとおり、たった一言ねだるだけで、一時の恥じらいでそれが満を持して降らされるのなら―――。
「ィ……ド……。ジェイド……ッ」
「、……チュ…、んん……どうしました?名無し」
「ッ……どうした…じゃ……ないぃ…、っん……」
「ふふふ、失礼。……それで?ちゃんと聞いていましたよ……トレイさんのご指南があったのでしょう?チュ……ん。さあ、早く?」
「――ッ……」
名無しはもうずっと同じ体勢を強要されていた。
腕は変わらず後方で上肢を支えている。
足は開かされ、跨るジェイドの前に卑猥な器を晒している。
重なる二人の隣で、トレイは楽に腰を下ろしつつ彼女を愛でていたけれど、今思えばその身はいつだって起き上がれ、移動する態勢が整っていた。
「ジェイド……」
そのとき、名無しがジェイドに乞うたのはたった一度きりだった。
余程恥辱に塗れさせられていた、きっといい証拠だろう。
色付くしっとりとした唇に、涙を流す瞳。
震える身体にだって、ジェイドとトレイが興奮しないわけがなかった。
哀願するその瞬間を、彼らはずっとずっと、待っていたのだから――。
「も……っ、舐めて…ジェイド……」
「おやおや……もう舐めていますよ?こうやって、ン…――」
「ちがう……クリ…、ちゃんとクリ……いっぱい吸って、ぺろぺろって……!ちゃんと……、またイキたい…っ……」
「……ふふ…、クリだけですか?この……もうずっとヒクヒクしている貴方のココは?ナカに舌を挿入られるのもお好きじゃないですか」
「~……ッ…だから…、どっちも……両方、して……はやく――ッ」
「……―――」
たとえば世の中には、獅子の如く女を抱き伏せる男もいるだろう。
合意の上でも力でねじ伏せる。
有無を言わさず啼き喚かせる。
身を汚しては、その内部にまで自分の存在を押し付けるような……。
が、今のジェイドとトレイからは、そういう猛々しい雰囲気は感じられなかった。
だから余計に背筋が強張ったし、名無しはゾクゾクとした気持ちが抑えられず、一秒先の未来にさえ身を竦ませた。
「――……貴方は本当にお利口です」
「……ジェイ…ド……?」
「よく言えましたね……そんなにいやらしいこと。……ふふふ」
「?!………――ッ?!!」
二人が剛を思わせるそれでないのならば、きっと相応しかったのは、その剛に相反する類の形容だろう。
それは蜘蛛の如く対象を自らの術中に嵌め、絡め取った最後には、骨の髄まで執拗に舐り尽くす策士と策士。
焦りを煽り、猜疑心に拍車をかける。
けれど、もうどうにもならなくなって相手がこちらに懇願するまでは、絶対に牙は剥かない。
とてもとても、狡猾で陰湿ないきものだ――。
堕ちた瞬間に撒き散らす毒がなおも女の自由を奪えば、男が放っておいてももう、どうせ絶対に逃げられない……。
広いベッドでちゃんと泳がなければ―――。
そうトレイが口にした意味が、今この瞬間、名無しに深く抉り刺さった。
「いつものことながら、こういう場合はご褒美がつきものでしょう?差し上げますよ……名無し――」
「ッ……や…!い……嫌…ぁ―――ッ!!」
すべてはジェイドが、既に名無しに問うていたことだった。
彼女が舐陰を好んでいるのは大いに知っていた。
充血した果実も、その下の熟れた内側の果肉も……。
どちらも甲乙つけがたいほど愛されることが大好きで、ジェイドの舌がそこに触れてくれるのを、名無しは本当に待っていた。
どんなに嫌と叫んでも、そんなものは得意の反動形成のうちである。
見透かしていれば、彼女のそれが本音でないことくらい、ごくごく容易につかめたものだ。
「――……」
約束を反故に、なんて野暮なことは決してしない。
名無しの願いをお望みどおり叶えるため、にこやかに微笑んだジェイドは改めて彼女の臀部を引き寄せ、甘露の溢れるそこに舌を伸ばした。
ああ……やっとだ……。
そう思って胸を撫で下ろす。
けれど恥辱に塗れて懇願した甲斐もあったのだと安堵した瞬間、名無しが感じていたのは、その恥辱以上の面恥だった。
「あ…、っ…ア……、ら…!こんなの……やめて――」
捩じ込まれたジェイドの舌がズボズボと、その陰部の奥へ進んでゆく。
そしてトレイもまた同時に顔を近付けると、捲った表皮から姿を覗かせる真っ赤な陰核に、ぴちゃぴちゃと舌先をころがしていた――。