素直じゃない彼と鈍感な彼女※露伴・裏あり予定
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岸辺露伴に不本意だが助けられ、お礼をしようと思ったがあの人は何をしたら喜ぶんだろう。
彼は常識とかけ離れた変人だから、常識人の私がいくら考えても答えが出ない。
あれから何度か街中で会って世間話をするくらいにはなったが、まだきちんとしたお礼はできていなかった。
それにまだ何が欲しいか聞けてない。
彼の漫画を読めばもしかして好みがわかるだろうかと思い、本屋でピンクダークの少年をとりあえず3巻まで買って読んでみた。
康一くんが面白いと言うだけあって本当に面白い。
リアリティを大事にしていると言っていたが、漫画を読んで納得した。心理描写やリアルな描写に引き込まれて、読み進める手が止まらない。
3巻までしか買わなかったことを後悔し、翌日に続きを買うためにまた本屋まで来た。
残りの巻数全部を買って、レジでのスキャンを待っていると、誰かに後ろから肩を叩かれる。
びっくりして振り向くと、私の肩を叩いたのは岸辺露伴だった。
「うわっ!岸辺露伴!!」
「ナアナア、いつまでもその呼び方はやめろよ、露伴先生って呼んでくれてもいいんだぜ」
先生は今まで見た中で一番ご機嫌そうだ。
「はあ………それで、売れっ子漫画家の露伴先生は本屋で一体何してるの」
「君が本屋に入っていくのが見えてね、何を買うのか気になってついてきたんだが…まさかぼくの漫画を買っているとはなァ」
あ、そうだ今ピンクダークの少年を買ってるんだった。
てかさらっと言ってたけど何で当たり前のようについてきてんだよ。
と思ったが珍しくご機嫌な様子なのでツッコまないでおいた。
「今買ってる巻数からすると3巻までは持ってるってところかな。3巻まで読んだ君の感想を聞きたい。どうだ、お茶でもしないか。サインもしてあげよう」
と両手で肩を掴まれ矢継ぎ早に言われたので、はぁ…と了承するしかなかった。
ドゥ・マゴでのお茶を提案されたが、この時間はバイト友達がいるから絶対にいやだ。
揶揄われていじられるに決まっている。
なんと言っても相手がこの岸辺露伴だもの。
しかもこの前友達には岸辺露伴の悪口を言ったばっかりだしなあ。
私が明らかに嫌そうな顔をしていたのを察し、
「じゃあぼくの家にするか?」
と揶揄うように笑って聞かれた。
「いいね、家なら周りに人もいないから、露伴先生の家にしよう」
知り合いに揶揄われることもないだろうし、と思っていると露伴先生は少しびっくりしたような顔をしていた。何でだろう。
あ、そういえばお礼の品まだ決めてないな。
まあいいや、感想を言った後に直接聞こう。
岸辺邸に着くと記憶を読まれたあの時のことを思い出し、あーあの時は窓から入ったなー思いっきりぶん殴ったっけなー、なんて思い出す。
今度はちゃんと玄関から入り、広いリビングに通された。
家具とか結構凝ってるみたいで、インテリアも可愛い。家具の中でも、某映画とお揃いのソファが特にお気に入りらしい。
お茶を入れてくるから待っててくれ、と言われ、大人しくソファに座って待つ。
記憶を読まれた時はスリーサイズだの処女だの色々口に出されてムカついたけど、不器用だけど優しいところとかもあるよなあ、なんて今では思える。
そういえば、あの時カフェによくきていた露伴先生と仲良くなりたいって記憶を読まれていたのを思い出す。
もしかして、露伴先生は今でもそれ覚えてるんじゃないの!?いや、あの人のことだから絶対覚えてる!
あの時は何も知らずに露伴先生に憧れてたわけで恋愛感情もちょーーっとだけあったけど、今は違う。
スタンド仲間として、友人としての思いだけだ。そう、だからあの時の仲良くなりたいとは意味が違う!
「何一人で百面相して首振ってるんだよ、なまえ」
真後ろで露伴先生の声が聞こえて肩が跳ねる。
露伴先生は怪訝な顔をしながら、紅茶とクッキーを乗せたトレイを私の前に置いてくれた。
露伴先生のこと考えてました、なんて言えないので誤魔化すように曖昧に笑って目の前の紅茶を手に取る。
「いただきまーす。わ、この紅茶おいしい!」
ドゥ・マゴの紅茶と同じくらい美味しい。
高そうな紅茶を飲み、自然と笑みが溢れる。
露伴先生の方を見ると、フン、このぼくが淹れたんだからな、美味しいに決まってると言いながらもわずかに微笑んでいた。
こんな顔するなんてめずらしい、本当に今日はご機嫌なんだなあ。
出してくれたクッキーも美味しくて「わー幸せー」なんて言ってると、いつのまにか露伴先生は私の方を見ながらスケッチをしていた。
「先生、何スケッチしてるの?!」
びっくりして叫ぶと、
「ああ、君が可愛い顔してクッキーを食べていたから、スケッチしておこうと思ってな」
とさらっと答える。
えっかわ…??今可愛いって言った?
あの岸辺露伴が?私を可愛いって言った??
もしかして聞き間違えたのではないかと思いポカーンと口を開けていると「はは、間抜けな顔だな」なんて露伴先生がご機嫌そうに笑っていた。
本当に今日の露伴先生はどうしちゃったんだろう。
漫画のいいアイディアが浮かんだ?
池に落ちて綺麗な露伴先生と交換された?
何でこんなにご機嫌なのかは知らないが、この岸辺露伴に可愛いと言われた(多分)のは素直に嬉しくて、ちょっとだけ顔が赤くなるのを感じた。
漫画の感想を聞かれ、ここの心理描写が面白かったとか、女の子のキャラがいるともっと感情移入ができるかも、とか素人丸出しの意見しか言えなかったが、露伴先生は結構真剣に聞いてくれた。
私みたいなあまり漫画を読まない素人の意見も大事らしい。
サインもくれて、紅茶とクッキーのおかわりも出してくれた。
おかしい、私は助けてくれたお礼をしなきゃいけない立場なのにめちゃくちゃ甘やかされているじゃないか。
そうだ、早くお礼は何がいいか聞かなきゃ。
露伴先生に改めて向き直り、こほんと咳払いをする。
「露伴先生、この前助けてもらったお礼がしたいんだけど…何が欲しい?」
というと少し驚いた顔をしたあと、ウーンと考え始めた。
「大学生でも手の届く範囲の金額にしてね」
と念のため言っておくと露伴先生は
「じゃあ、君の時間をくれないか」
と言い出した。
「時間?」
「ああ、なまえの言う通り女性キャラを描くのがぼくは苦手でね、君に色々協力してほしいんだ」
「ああ、そんなことならいつでも任せて!」
と胸を叩いて言うと、露伴先生は満足そうに笑っていた。
彼は常識とかけ離れた変人だから、常識人の私がいくら考えても答えが出ない。
あれから何度か街中で会って世間話をするくらいにはなったが、まだきちんとしたお礼はできていなかった。
それにまだ何が欲しいか聞けてない。
彼の漫画を読めばもしかして好みがわかるだろうかと思い、本屋でピンクダークの少年をとりあえず3巻まで買って読んでみた。
康一くんが面白いと言うだけあって本当に面白い。
リアリティを大事にしていると言っていたが、漫画を読んで納得した。心理描写やリアルな描写に引き込まれて、読み進める手が止まらない。
3巻までしか買わなかったことを後悔し、翌日に続きを買うためにまた本屋まで来た。
残りの巻数全部を買って、レジでのスキャンを待っていると、誰かに後ろから肩を叩かれる。
びっくりして振り向くと、私の肩を叩いたのは岸辺露伴だった。
「うわっ!岸辺露伴!!」
「ナアナア、いつまでもその呼び方はやめろよ、露伴先生って呼んでくれてもいいんだぜ」
先生は今まで見た中で一番ご機嫌そうだ。
「はあ………それで、売れっ子漫画家の露伴先生は本屋で一体何してるの」
「君が本屋に入っていくのが見えてね、何を買うのか気になってついてきたんだが…まさかぼくの漫画を買っているとはなァ」
あ、そうだ今ピンクダークの少年を買ってるんだった。
てかさらっと言ってたけど何で当たり前のようについてきてんだよ。
と思ったが珍しくご機嫌な様子なのでツッコまないでおいた。
「今買ってる巻数からすると3巻までは持ってるってところかな。3巻まで読んだ君の感想を聞きたい。どうだ、お茶でもしないか。サインもしてあげよう」
と両手で肩を掴まれ矢継ぎ早に言われたので、はぁ…と了承するしかなかった。
ドゥ・マゴでのお茶を提案されたが、この時間はバイト友達がいるから絶対にいやだ。
揶揄われていじられるに決まっている。
なんと言っても相手がこの岸辺露伴だもの。
しかもこの前友達には岸辺露伴の悪口を言ったばっかりだしなあ。
私が明らかに嫌そうな顔をしていたのを察し、
「じゃあぼくの家にするか?」
と揶揄うように笑って聞かれた。
「いいね、家なら周りに人もいないから、露伴先生の家にしよう」
知り合いに揶揄われることもないだろうし、と思っていると露伴先生は少しびっくりしたような顔をしていた。何でだろう。
あ、そういえばお礼の品まだ決めてないな。
まあいいや、感想を言った後に直接聞こう。
岸辺邸に着くと記憶を読まれたあの時のことを思い出し、あーあの時は窓から入ったなー思いっきりぶん殴ったっけなー、なんて思い出す。
今度はちゃんと玄関から入り、広いリビングに通された。
家具とか結構凝ってるみたいで、インテリアも可愛い。家具の中でも、某映画とお揃いのソファが特にお気に入りらしい。
お茶を入れてくるから待っててくれ、と言われ、大人しくソファに座って待つ。
記憶を読まれた時はスリーサイズだの処女だの色々口に出されてムカついたけど、不器用だけど優しいところとかもあるよなあ、なんて今では思える。
そういえば、あの時カフェによくきていた露伴先生と仲良くなりたいって記憶を読まれていたのを思い出す。
もしかして、露伴先生は今でもそれ覚えてるんじゃないの!?いや、あの人のことだから絶対覚えてる!
あの時は何も知らずに露伴先生に憧れてたわけで恋愛感情もちょーーっとだけあったけど、今は違う。
スタンド仲間として、友人としての思いだけだ。そう、だからあの時の仲良くなりたいとは意味が違う!
「何一人で百面相して首振ってるんだよ、なまえ」
真後ろで露伴先生の声が聞こえて肩が跳ねる。
露伴先生は怪訝な顔をしながら、紅茶とクッキーを乗せたトレイを私の前に置いてくれた。
露伴先生のこと考えてました、なんて言えないので誤魔化すように曖昧に笑って目の前の紅茶を手に取る。
「いただきまーす。わ、この紅茶おいしい!」
ドゥ・マゴの紅茶と同じくらい美味しい。
高そうな紅茶を飲み、自然と笑みが溢れる。
露伴先生の方を見ると、フン、このぼくが淹れたんだからな、美味しいに決まってると言いながらもわずかに微笑んでいた。
こんな顔するなんてめずらしい、本当に今日はご機嫌なんだなあ。
出してくれたクッキーも美味しくて「わー幸せー」なんて言ってると、いつのまにか露伴先生は私の方を見ながらスケッチをしていた。
「先生、何スケッチしてるの?!」
びっくりして叫ぶと、
「ああ、君が可愛い顔してクッキーを食べていたから、スケッチしておこうと思ってな」
とさらっと答える。
えっかわ…??今可愛いって言った?
あの岸辺露伴が?私を可愛いって言った??
もしかして聞き間違えたのではないかと思いポカーンと口を開けていると「はは、間抜けな顔だな」なんて露伴先生がご機嫌そうに笑っていた。
本当に今日の露伴先生はどうしちゃったんだろう。
漫画のいいアイディアが浮かんだ?
池に落ちて綺麗な露伴先生と交換された?
何でこんなにご機嫌なのかは知らないが、この岸辺露伴に可愛いと言われた(多分)のは素直に嬉しくて、ちょっとだけ顔が赤くなるのを感じた。
漫画の感想を聞かれ、ここの心理描写が面白かったとか、女の子のキャラがいるともっと感情移入ができるかも、とか素人丸出しの意見しか言えなかったが、露伴先生は結構真剣に聞いてくれた。
私みたいなあまり漫画を読まない素人の意見も大事らしい。
サインもくれて、紅茶とクッキーのおかわりも出してくれた。
おかしい、私は助けてくれたお礼をしなきゃいけない立場なのにめちゃくちゃ甘やかされているじゃないか。
そうだ、早くお礼は何がいいか聞かなきゃ。
露伴先生に改めて向き直り、こほんと咳払いをする。
「露伴先生、この前助けてもらったお礼がしたいんだけど…何が欲しい?」
というと少し驚いた顔をしたあと、ウーンと考え始めた。
「大学生でも手の届く範囲の金額にしてね」
と念のため言っておくと露伴先生は
「じゃあ、君の時間をくれないか」
と言い出した。
「時間?」
「ああ、なまえの言う通り女性キャラを描くのがぼくは苦手でね、君に色々協力してほしいんだ」
「ああ、そんなことならいつでも任せて!」
と胸を叩いて言うと、露伴先生は満足そうに笑っていた。