短編なのだ

 巣。
 の、
 明かりのついていない部屋。
 に入る、入ってしまうのだ。
 そうすると視界が塞がって、もう、だめなのだ。
 アライさんの■■はおわりなのだ。アライさんは■■なので暗闇では目が見えなくて、何もなくなって、薄暗くてぼんやりした■■がアライさんのことを■■、
 だからおわりなのだ。■■はおわりなのだ。
 夕焼け、おわりなのだ。たった一筋残った陽の残滓が消えていくとき。
 消えてしまったとき。
 おわりなのだ。何もかもが終わりなのだ。
 ■が■■■きて明かりがついたとき、新たな終わりの始まりなのだ。
 終わりの始まりは終わりの始まりなので、アライさんは切り替わるのだ。
 切り替わって、おわるのだ。
 おわるのだ、おわるのだ、そんなふうにしておわってくれればどんなによかったか。
 おわらない、から、おわったのだ。
 残念無念。それでおわりなのだ。
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    拍手なのだ