短編なのだ

 ■■は■■■■■の■■だったのだ?
 知らないのだ。わからないのだ。もう忘れたのだ。遠くに行ってしまったのだ。
 でも■■はときどき現れるのだ。
 敵意はないようなのだ、親切なのだ。でも擬態してるのだ。
 正体がわかってしまえば擬態は解けるのだ? わからないのだ。正体がわかってから会っていないのだ。
 遠く遠くに埋めたのだ。砂浜の下なのだ。思い出せないのだ。
 思い出してほしいのだ?
 あれはずっと昔のことだったのだ。
 ■、■■■■? ■■■……
 それでおわりなのだ。
 おわりが来ても獣生は終わらないのだ。続くのだ。残されたのは抜け殻と、白紙になった中身だけ。
 雪が積もって白くなって、だから白なのだ。
 重い、重いのに病ではないのだ。それならいったい何なのだ?
 寒くて重くて黒くて冷たくて遠いのだ。
 遠いからわからないのだ。わからないままでいいのだ。
 だけどときどきふとよみがえるのだ。
 ■■■いるからよみがえってもそれは幻なのだ、わかっているのだ。
 でも■■は本物なのだ?
 わからないのだ。それすらアライさんが作り出した幻影かもしれないし、たぶんそうなのだ。
 時間が解決してくれるとかいうけどそれは嘘なのだ。
 本当に解決してくれるならこんなことにはなっていないのだ。嘘なのだ。嘘、嘘ばっかりなのだ。
 空白の上で生きているのだ。白紙の中身で生きているのだ。そう見えるだけなのだ。雪の下には■■が埋まっているのだ。
 今言えることはそれだけなのだ。
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    拍手なのだ