短編なのだ

「我は天司、アライグマの烙印を背負っているのだ…つまりギルティ」
「どうしちゃったのアライさ~ん。よくわからないよ~?」
「つまり…アライグマになった以上連帯責任ということなのだ」
「なった? アライさんはずっと前から私といたよね~?」
「アライさんはアライグマになったのだ。具体的には…6ねんまえ…」
「いやに具体的なのが憎らしい。アライグマよ、なぜ記憶が戻った?」
「ふぇ、ふぇねっく…?」
「記憶が戻ったなら、また消せばいいよね」
 ぱちん。と何かが頭の中で弾けたのだ。



「ふぇ、ふぇねっくう~…もう食べられないのだ」
「ふふふ、アライさんは食いしんぼだね~」
「ふぇねっく~…ふぇねっくがいないと生きられないのだ…ずっと、一緒に……」
「うんうん。言わなくてもわかってるよ~。ずっと一緒にいようね~…」
「むにゃむにゃ…」
「うんうん…」

 おわり
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