短編なのだ

 考えているのだ……何を?
 アライさんが眠っていたあいだのことを考えているのだ。
 長期の眠りについてしまったアライさんは、まるで冬眠のように眠ったのだ。
 それはまるで、つよいおくすりを飲んでいたころのことを思い出す眠りだったのだ。
 ねて、おきて、たべて、ねて、おきて、たべて、またねて。
 そんなことを繰り返す。
 アライさんはクマのフレンズにでもなったのかと思ったが、アライグマはアライグマだったのだ。
 突如、怒りがおそったのだ。
 何事にもイライラしてしまう、経験したことのない怒りが。
 アライさんはおこったのだ。しかし、何もすることはなく。
 巣穴をこわすわけにもいかないし、じぶんをこわすわけにもいかないのだ。
 だからアライさんはだまって、もう一度眠ったのだ。
 それでおわりなのだ。
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    拍手なのだ