短編なのだ

 ■■■■のだ。■■■■のだ。■■■■のだ。
 獣生に疲れたのだ。これ以上■■■■■■ないのだ。疲れたのだ。終わりにしたいのだ。何もかも終わりになれば、これ以上何もしなくてもいいのだ。

 そんなことを言っても、「変な獣」になって終わりなのだ。構ってもらいたがりの獣。みっともない獣。醜い獣。

 ■■■■のだ。
 もう疲れたのだ。やめにしたいのだ。

 何にもならないのだ。おわりなのだ。つまらないのだ。何もなかったのだ。■■年間お疲れさまでしたのだ。
 終わりに……

 魔法はないのだ。誰も助けてはくれないのだ。だからアライさんは一人でぶつぶつと呟くのだ。■■■■のだ。寂しいのだ。ずっと一匹なのだ。もう……

 毎日が不安ばかりで悩むのにも疲れたのだ。将来に不安しかなくて憂うのにも疲れたのだ。
 生き物はどうして食べなければ生きていけないのだ? どうして存在しているだけで疲れるのだ? どうしてコインがないと■■■しまうのだ?

 飢えて■■のだ。
 住むところがなくなって■■のだ。
 何も今■■なくてもいずれコインがなくなって■■のだ。
 破滅なのだ。
 わかってるのだ。
 辛い目に遭う前に、今■■のだ。
 疲れたのだ。
 だから?

 本当は一緒に生きてくれる獣が欲しかったのだ。病めるときも健やかなるときも常に一緒にいてくれて、獣生を共にしてくれる誰かが。
 そんなものはいないのだ。アライさんはずっと一匹なのだ。
 生き物は皆一匹なのだ。最後は一匹寂しく孤独に■■でいくのだ。
 そんなことは信じたくはなかったし、嘘でも最後まで一緒にいてくると言ってくれる誰かがいたらよかったのだ。■■だ後も覚えていてくれると言ってくれる誰かが。
 べたべたに依存したかったのだ。アライさんは弱いので、そうしなければ生きていけないのだ。弱いのだ。
 誰かを盲信していさえすれば幸せに過ごせる。盲信しさえすれば何も考えず、大衆の仲間入りをして、ヒトになって、幸せに過ごせるのだ。
 嫌われることもなくなって、悪口を言われることもなくなって、仲間はずれにされることもなくなって、悩み事もなくなって、コインの心配もなくなって、何もかもから解放されて、一抜けして、幸せに過ごせるのだ。
 そんな。

 幻想。

 愚かなのだ。


 今日は四月一日なのだ。だから全部嘘なのだ。明日になったら元気で前向きなアライさんが戻ってくるのだ。そのはずなのだ。
 今日くらいは嘘を吐くのだ。
 嘘。
 嘘。
 嘘、


 本当に嘘だったらよかったのだが。


 そうしてすぐに明日が来て、口を閉じて、終わりなのだ。

 おわり。
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    拍手なのだ