短編なのだ

 部屋がさむい、部屋がさむい、部屋がさむい、部屋がさむいのだ。
 眠りがアライさんを引きずって、地獄の底に落とすのだ。
 夢は■■、ぐるぐる回って胃をひっくり返すのだ。
 部屋がさむいのだ。けれど布団も味方じゃないのだ。
 部屋がさむいのだ、全てがアライさんを責めるのだ。
 部屋がさむいのだ。そこに外気がいるのだ。変わらぬ寒さで責め立てるのだ。
 ゆびがひえるのだ。あしがひえるのだ。からだがひえるのだ。あたまだけがぼんやりしていてどろどろなのだ。
 部屋がさむいのだ。さむくてさむくてたまらないのだ。
 おそってくるのだ。全ての過去がおそってくるのだ。
 たった一匹、布団の中で丸まることしかできないアライさん。
 胃がひっくり返るのだ、セルリアンがおそってくるのだ。アライさんを破壊して消えるのだ。
 寒さがあるのだ。ヤツは幸せになったのだ。クソ食らえだが現実なのだ。
 永遠にこのまま、アライさんは一匹、
 雪の中で■の夢を見続けておわりなのだ。
23/76ページ
    拍手なのだ