短編なのだ

 何か大変な宣言が出るらしいのだ。
 それだけが重要な事実。
 外はこわくて、何が起こるかわからなくて、アライさんはしばらく巣に引きこもり。
 ジャパリまんはなくなり、みずもなくなり、じりじりと色々なものが減っていくのだ。
 それでも外に出るのはこわくて、布団に潜って寝てばかりいるのだ。
 巣の中にいる限り、何も起こりはしないのだ。それは確実なのだ。だけど……
 いいのだ。もう、このままいなくなってしまってもいいのだ。
 だめなのだ。そんなことを考えてはだめなのだ。
 その繰り返しで、ただただ毎日過ぎていくのだ。
 起きてる時間は少なくて、まどろみと悪夢の狭間で寝返りをうつだけなのだ。
 いつまで経っても何も終わりはしないのだ。
 永久の冬が続くだけなのだ。
 そうやって明日も続くのだと、そんな夢が見たくて、鳴ってるお腹を無視して、布団を顔まであげたのだ。
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    拍手なのだ