短編なのだ

「ぐるぐるが来たのだ!」
 今日のアライさんは上機嫌。ぐるぐるが来ても寂しくありません。なぜなら、
「フレンズいっぱいなのだ! しゃべるのだしゃべるのだ!」
 アライさんにはフレンズがたくさんいるからです。
「■くんに■■くん、いつもはアライさんのこと責める二人だけど、ぐるぐるのときは優しいのだ!」
 アライさんはすぽーつどりんくを一口飲みます。
「うまいのだ! ■くんも飲むのだ! え? 実体がないから飲めない? それは残念なのだ! ■■くんは? 死んでるから飲めない? それは残念なのだ! アライさん一人で飲むのだ」
 すぽーつどりんくをがぶ飲みするアライさん。
「うまーいのだ!」
 にこにこ笑うアライさんはここ数日で一番の笑顔。それもそう、■■なときは笑ってなんていられませんものね。
「うまいのだうまいのだ! 餅も食うのだ! うまいのだ! 饅頭も食うのだ! うまいのだ! いやーフレンズ、悪いのだぁアライさんだけこんなに食べて……えっ気にしてない? どんどん食べろ? やさしーのだぁ……」
 アライさんは目に涙を滲ませ、並べられたお菓子をぱくぱくと食べます。アライさんがこんなに食べるのも久しぶり。今日まで伏せっておりましたからね。
「うまいのだー! 生きててよか、」
 そこで言葉を切り、真顔に戻るアライさん。
「……うまいのだ。■に■■、本当に食べなくて良いのだ?」
 沈黙。
「そう、か」
 そしてアライさんは静かに俯きました。
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    拍手なのだ