深夜。アライさんの住むちほーに台風が来ています。
「雨がすごいのだ……」
　アライさんはたった今起きたばかり。眠そうに目をこすっています。
「まだねむいのだ」
　丸くなろうとして、アライさんのお腹がなりました。
「そういえば何も食べてないのだ」
　食事より睡眠を優先した結果、何も食べずに眠り続けるという事象が生じます。
「なにか」
　アライさんは巣穴の奥の方にしまってあったジャパリまんの残りを見ました。
「あと少ししかないのだ……今日は我慢するのだ」
　空腹を我慢してアライさんは寝床に戻り、もう一度丸くなりました。
　外は嵐。ものすごい風がアライさんの巣を揺らしています。
「……」
　アライさんの意識が溶けていきます。
　夢と現の狭間、アライさんは何かを見たような気がして、けれどそれが何かはわからず、雨風の音は遠く消えていきました。