短編なのだ

「たべるのだ!」
 たべるのだ。たべるのだ。むしゃむしゃとたべるのだ。ジャパリまんたべるのだ。ジャパリまんじゃないものもたべるのだ。おかゆ、梅、ぎょうざ、ほたるいか、きゅうりとわかめ、やまいも、たべるのだたべるのだ。アライさんは雑食なのだ。
 たべるのだ。どんどんたべるのだ。身の内の空虚を満たすためにたべるのだ。心に空いた大きな穴を埋めるためにたべるのだ。
「たべるのだ!」
 たべてもたべても穴は埋まらないのだ。通り抜けていくだけなのだ。それでもたべるのだたべるのだ。
「たべるのだ!」
 ぜんぜんたりないのだ。まだまだたべられるのだ。こんびにに行くのだ。棚のものをかごに入れるのだ。おこのみやき、あつあげ、おそば、うどん、すぱげってぃ。会計するととんでもない額になったのだ、たべるのだ。
 出際にやきとり、ジャパリまん。いっぱいたべるのだ。
「たべるのだ」
 たべてたべて、きもちがわるくなってもたべて、せっかく今日は外に出られたのだ、一人なのだ、たべるのだ。
 ゆうがたになって、よるになって、時間が来るまでたべるのだ。
 そして
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    拍手なのだ