短編なのだ
アライさんが悪いのだ、アライさんが悪いのだ、全部アライさんが悪いのだ。
親イさんがおこるのも、フレンズがいないのも、みんなから無視されるのも、■■も、ずっとずっと暗い気分なのも、アライさんが悪いからなのだ。
悪いから、こんなことになってしまったのだ。アライさんがもっとちゃんとしていれば、計画表作れる、先延ばししない、朝ちゃんと起きられる、明るくて、説明がうまくて、変な言葉を使わず、笑顔で、挨拶ができて、■■で、すぐに疲れたりしなくて、ずっと起きていられて、なんでもよくできて、つらくならない、頑張れるフレンズだったらこんなことにはならなかったのだ。
アライさんが悪いのだ。アライさんがフレンズのできそこないだからなのだ。アライさんがちゃんとしていれば、他のヒトたちのように弱音を吐かず、にこにこ笑って、フレンズもできて、一日8時間はたらいて、ジャパリコインもあって、そんなフレンズに、
なれるはずがなかったのだ。全部叶わぬ夢なのだ。
「ちゃんとしたフレンズ」なんて実在しないのだ。サーバルさんも言っていたのだ、「フレンズによってとくいなこと違うから」。それじゃアライさんのとくいなことは何なのだ?
考えてもわからないから、眠るしかないのだ。だけど最近はその眠りすら恐ろしくて、一度寝たら起きられなくて、起きたら日が暮れてるんじゃないかって。
フェネックがいたら何て言うか、わからないけどアライさんのところにはフェネックなんていないのだ。
おかしいのだ。どうしてアライさんはフェネックのことを知っているのだ? 数あるアライさんのあたまにはみんなフェネックが刻まれてる、なんておとぎばなしじゃないんだからありえないのだ。だけど、ふとした瞬間に、フェネックは、なんて、ありもしない繋がりのことが思い浮かぶのは、アライさんがおかしいのだ?
おかしいのはアライさんだけじゃないのだ。全部おかしいのだ。「親イさん」だって、「友達」じゃない「フレンズ」だって、「計画表」だって、「■■」だって、全部全部存在しないのだ。ここにはないはずのもの。それがどうして、どうしてアライさんのあたまの中には、ないものがあるのだ?
違うのだ、何かが違っているのだ。ここはパークのはずなのに、アライさんの巣のはずなのに、何かがぶれて、おかしい、違和感、ずれ、パークにはセルリアンがいたはずなのに、いつの間にか皆フレンズに見えていて、セルリアンがわからなくなったアライさんを守ってくれていた皆も一人また一人といなくなっていって、残されたアライさんは、
違うのだ。違うのだ。じゃあどうしてアライさんのあたまの中にはこんな、親イさん、誰なのだ? 親イさんとは何なのだ?
おうち? あの子が探していたおうちに親イさんはいたのだ? それじゃああの子は親イさんを知っているのだ?
随分前に別れてしまったからアライさんにはわからなくて、
違う、違う、違う、全部アライさんが悪くて、アライさんが悪いからアライさんには何もわからなくて、あたまが、あたまが、
悪いのだ。
悪いから、何もわからなくて、
今日もぐるぐると、ぐるぐると、ぐしゃぐしゃの意識が落ちるのだ。
親イさんがおこるのも、フレンズがいないのも、みんなから無視されるのも、■■も、ずっとずっと暗い気分なのも、アライさんが悪いからなのだ。
悪いから、こんなことになってしまったのだ。アライさんがもっとちゃんとしていれば、計画表作れる、先延ばししない、朝ちゃんと起きられる、明るくて、説明がうまくて、変な言葉を使わず、笑顔で、挨拶ができて、■■で、すぐに疲れたりしなくて、ずっと起きていられて、なんでもよくできて、つらくならない、頑張れるフレンズだったらこんなことにはならなかったのだ。
アライさんが悪いのだ。アライさんがフレンズのできそこないだからなのだ。アライさんがちゃんとしていれば、他のヒトたちのように弱音を吐かず、にこにこ笑って、フレンズもできて、一日8時間はたらいて、ジャパリコインもあって、そんなフレンズに、
なれるはずがなかったのだ。全部叶わぬ夢なのだ。
「ちゃんとしたフレンズ」なんて実在しないのだ。サーバルさんも言っていたのだ、「フレンズによってとくいなこと違うから」。それじゃアライさんのとくいなことは何なのだ?
考えてもわからないから、眠るしかないのだ。だけど最近はその眠りすら恐ろしくて、一度寝たら起きられなくて、起きたら日が暮れてるんじゃないかって。
フェネックがいたら何て言うか、わからないけどアライさんのところにはフェネックなんていないのだ。
おかしいのだ。どうしてアライさんはフェネックのことを知っているのだ? 数あるアライさんのあたまにはみんなフェネックが刻まれてる、なんておとぎばなしじゃないんだからありえないのだ。だけど、ふとした瞬間に、フェネックは、なんて、ありもしない繋がりのことが思い浮かぶのは、アライさんがおかしいのだ?
おかしいのはアライさんだけじゃないのだ。全部おかしいのだ。「親イさん」だって、「友達」じゃない「フレンズ」だって、「計画表」だって、「■■」だって、全部全部存在しないのだ。ここにはないはずのもの。それがどうして、どうしてアライさんのあたまの中には、ないものがあるのだ?
違うのだ、何かが違っているのだ。ここはパークのはずなのに、アライさんの巣のはずなのに、何かがぶれて、おかしい、違和感、ずれ、パークにはセルリアンがいたはずなのに、いつの間にか皆フレンズに見えていて、セルリアンがわからなくなったアライさんを守ってくれていた皆も一人また一人といなくなっていって、残されたアライさんは、
違うのだ。違うのだ。じゃあどうしてアライさんのあたまの中にはこんな、親イさん、誰なのだ? 親イさんとは何なのだ?
おうち? あの子が探していたおうちに親イさんはいたのだ? それじゃああの子は親イさんを知っているのだ?
随分前に別れてしまったからアライさんにはわからなくて、
違う、違う、違う、全部アライさんが悪くて、アライさんが悪いからアライさんには何もわからなくて、あたまが、あたまが、
悪いのだ。
悪いから、何もわからなくて、
今日もぐるぐると、ぐるぐると、ぐしゃぐしゃの意識が落ちるのだ。
62/76ページ