ごちゃまぜ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昼休みの教室。窓際の誰かの席を陣取った土屋は両手をポケットに突っ込んで背中を丸めた。
窓越しに時折木枯らしが吹く外を眺めて「むっちゃ寒いやんけ今日」と恨めしそうな顔をしている。
「あんなぁ」
私は猫なで声でそう切り出した。
「今日部活終わったあと少し会われへん?明日休みやん?」
土屋がちらりと私を見てから溜め息をついた。
「ぼくは休みやないで。部活あるし」
「せやかて今日イブやん。ちょこーっとでええねん」
「あかんあかん」
土屋が話にならないと言った風に手を振るから、面白くないを通り越して腹立たしくなった私は、思い切りふてくされ顔で腕をつき出した。
「ほなプレゼントちょーだい」
「今月金欠やねん」
「ごめんなぁ」と言いながら悪びれる様子もない。
そりゃ男の子は女の子ほとイベントを重要視していないのかもしれないけれど、せっかく恋人がいるんだから少しくらいその雰囲気を味あわせてくれてもいいじゃない。
「もうえーわ。話にならへん。ムカつく。しばらく私に話しかけてこんといて」
そう言い捨てて足を踏み出そうとしたら「あ」と土屋が声をあげた。
「忘れてた、プレゼントあったわ」
ウソくさーという視線を送ると土屋は「目ぇ瞑ってや~」と細い目を更に細くした。
どうせ購買のジュースかパンの残りだろうと、大して期待もしてなかったけど目を閉じて、催促するようにお腹の前に両手のひらを出した。
土屋が立ち上がったのだろう椅子の音。
もったいつけて…と寂しい手のひらを軽く振った。
しかしプレゼントはなかなか手に触れない。
代わりに何かが顔の近くを掠めたような気がして、反射的に目を開けた時には既にそれが私の唇を奪っていた。
「ギャーーーッ!!」
酷い悲鳴が教室中に響く。
周りの人の視線がつき刺さる。
それは私の悲鳴のせいなのか土屋のチュウのせいなのか私にはわからなかったが、力任せに腕を振り抜く事は忘れなかった。
「イッタ!なんでやねん!」
「何でか考えろや!アホか!」
私は今や完全に注目の的だった。
他人の好奇心溢れる視線と、これから予想される噂話と、派手なビンタ音の後に残った右手の鈍痛は、この男に何かを期待してはならないという勉強代だと思おう。
end
窓越しに時折木枯らしが吹く外を眺めて「むっちゃ寒いやんけ今日」と恨めしそうな顔をしている。
「あんなぁ」
私は猫なで声でそう切り出した。
「今日部活終わったあと少し会われへん?明日休みやん?」
土屋がちらりと私を見てから溜め息をついた。
「ぼくは休みやないで。部活あるし」
「せやかて今日イブやん。ちょこーっとでええねん」
「あかんあかん」
土屋が話にならないと言った風に手を振るから、面白くないを通り越して腹立たしくなった私は、思い切りふてくされ顔で腕をつき出した。
「ほなプレゼントちょーだい」
「今月金欠やねん」
「ごめんなぁ」と言いながら悪びれる様子もない。
そりゃ男の子は女の子ほとイベントを重要視していないのかもしれないけれど、せっかく恋人がいるんだから少しくらいその雰囲気を味あわせてくれてもいいじゃない。
「もうえーわ。話にならへん。ムカつく。しばらく私に話しかけてこんといて」
そう言い捨てて足を踏み出そうとしたら「あ」と土屋が声をあげた。
「忘れてた、プレゼントあったわ」
ウソくさーという視線を送ると土屋は「目ぇ瞑ってや~」と細い目を更に細くした。
どうせ購買のジュースかパンの残りだろうと、大して期待もしてなかったけど目を閉じて、催促するようにお腹の前に両手のひらを出した。
土屋が立ち上がったのだろう椅子の音。
もったいつけて…と寂しい手のひらを軽く振った。
しかしプレゼントはなかなか手に触れない。
代わりに何かが顔の近くを掠めたような気がして、反射的に目を開けた時には既にそれが私の唇を奪っていた。
「ギャーーーッ!!」
酷い悲鳴が教室中に響く。
周りの人の視線がつき刺さる。
それは私の悲鳴のせいなのか土屋のチュウのせいなのか私にはわからなかったが、力任せに腕を振り抜く事は忘れなかった。
「イッタ!なんでやねん!」
「何でか考えろや!アホか!」
私は今や完全に注目の的だった。
他人の好奇心溢れる視線と、これから予想される噂話と、派手なビンタ音の後に残った右手の鈍痛は、この男に何かを期待してはならないという勉強代だと思おう。
end
25/25ページ