ごちゃまぜ
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3年間友人と言う関係に甘んじていたのは余計なことを言って今の関係を壊したくなかったからで じゃあ卒業してからも今の関係を続けられるのかといえば 君とあたしの間にそれほどガッチリした友情なり何なりの絆があるわけじゃないと思う
例えば今なら 試合があれば君は声をかけてくれるけれど 卒業してからもそれが続くとは思わない
たまたま同じ学校で毎日顔を合わせるから誘ってくれるだけで 別にあたしじゃなくてもいいのかもしれないんだし
単にギャラリーは多いほうがテンションが上がるからだと岸本は言っていた なんやムカつく
そして今 体育館の二階にべったりと座り込む暇でお上品な応援団に混じって見下ろすフロアにはボールを追い掛ける君が居て そんな時の君はあたしが知っている1番好きな顔をしているんだ
友達に甘んじない勇気があればもう少し傍にいられるんだろうか
やがてスリーポイントラインの外でフリーになった君にパスがとおると 待ってましたとばかりにダミた歓声が館内に響く
いったれ~ミィナミィ~!
あたしもそれに合わせて君の名を叫びながら その賭けとも言える言葉はこの歓声に掻き消されてしまうに違いないと浅はかにも考えたのだ
好きやぁ!
ほんの一瞬止んだ歓声の中にスキと叫んだあたしの声が響いて それと同時に手を離れたボールに君の表情が動く
岸本がギョロ目をグリグリさせながらこちらを振り返ったから慌ててその場にしゃがみ込んだけれど それで姿を隠せるわけがなくて ニヤリと嫌な笑みを浮かべた岸本と目が合えばその向こうでリングに弾かれるボールの音 そして手首をブラブラさせながら首を傾げる君の背中が見えた
応援の声に紛れて好きと叫んだ
title by dix
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