あのねこんな事されても迷惑なんだけど俺を弁当で釣る気なの生憎そんな安い男じゃないよ

こんな言葉も彼女にはどこ吹く風

いいじゃないどうせお弁当持って来てないんでしょこれを食べたからどうこうなんて言わないわよ

無理矢理押し付けられた弁当に参ったなとため息をつく

だって仙道くんあたしを嫌いだとは言わなかったよ
何だって理解できない女だな付き合えないって言っただろ

迷惑そうに渋い顔をしてみせても彼女はメゲない様子

バスケが理由だったじゃないあたしの人格が否定された訳じゃないもん
なんてポジティブ断るのに利用しやすいのがバスケだって気付かないの

仙道くんがバスケ部引退したらもう一度チャレンジするよと笑う彼女に随分打たれ強いんだねと心底感心する俺

だってアタシ、仙道くんがバスケを好きなのと同じくらい仙道くんの事が好きだから

へぇそりゃ諦められないな打たれ強くもなるかと思わず笑った俺の負け

折角だから弁当は貰っとくけどそんなのには釣られないからな

分かってるよシツコイなってどっちがだよ面白い女


だけど諦めの悪いヤツ嫌いじゃないという言葉は飲み込んでおいた

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