TWO
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ミカは一人、自分の家へ向かう夜道を歩いていた。月明かりが静かに照らすその道は、宴の喧騒が嘘のように穏やかだった。
ふと、ミカは背後に人の気配を感じた。なんとなく、ミカにはその人物がだれかわかったような気がした。
「……帰ってきたのに、今まで話しかけてもくれないなんて冷たくなったね。……ラクサス。」
ミカは振り返らずにそう言った。その言葉に、ラクサスは少し間を置いて答える。
「…お前がやりてぇことの邪魔したくなかったもんでな。」
ミカは眉をひそめながら、振り返る。
ラクサスは頭を掻きながら苦笑いを浮かべる。
「……あとよ、マカオやワカバに止められたんだよ。『今はミカの好きにさせてやってくれ』ってな。」
その言葉にミカは驚き、少し口を開けた。
「マカオやワカバが……?」
ミカは小さく息をつき、柔らかい笑みを浮かべた。
「好き勝手してごめん。私にはこれが精一杯だったのよ。」
ラクサスは彼女の言葉に頷き、少しだけ照れたような表情で答えた。
「構わねぇさ……ギルドを7年も守ってくれてありがとうな。ミカ。よくやった。」
その言葉に、ミカは目に涙を浮かべた。声が震えそうになるのを堪えながら、静かに答える。
「ラクサス……。」
ラクサスはそんなミカの姿をじっと見つめ、少し間を置いて不意に口を開いた。
「あと、話しかけなかった理由はまだある。」
「?」
ミカは不思議そうに彼を見上げる。
「お前……ちと派手になりすぎじゃねぇか?」
その言葉に、ミカは自分の姿を見下ろした。キラキラしたネイル、長いつけまつげ、派手な服装――まさにギャルそのものだ。
「そう?」
ミカは肩をすくめて答えた。
ラクサスは呆れたように苦笑する。
「別人かと思ったぜ。」
ミカはその言葉にクスリと笑いながら、茶化すように答える。
「ラクサスと一緒に居たんだから、こうなるのは当たり前でしょ?」
ラクサスはしばらく彼女を見つめた後、少しだけ真剣な声で言った。
「……まぁな。」
二人の間に短い沈黙が流れた後、ラクサスはふっと柔らかく微笑んだ。
「それにしてもデカくなっちまって……俺好みの女に育っちまったようだな。」
その言葉に、ミカは驚き、顔を赤らめながら慌てて視線を逸らす。
「ど、どういう意味!?……私はただ、ラクサスがいつ帰ってきてもいいようにしていただけよ。」
ラクサスはその言葉に少し目を細め、低い声で答えた。
「……待たせて悪かった。ただいま。」
ミカは目に涙を浮かべながら、静かに言葉を返す。
「おかえり……ラクサス。」