TWO
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喧騒の中、ミカはマカロフを見つめて深く息をついた。
「先代……お話よろしいでしょうか。」
その真剣な表情に、マカロフはゆっくりと頷く。
ミカは少し間を置き、毅然とした口調で語り始めた。
「7年間、このギルドを守り続けることができたのは、ギルドの皆さんと、ラクサスとの約束があったからです。」
「ラクサス……?」
「はい、私はラクサスのおかげ妖精の尻尾と出会いました。」
彼女の視線はギルド全体を見渡しながら続いた。
「……ですが、私は本当は何もできていません。先代も知らない小娘が、ギルドを好き勝手に動かし――本当に申し訳ありませんでした。」
その話をこっそり聞いていたロメオが慌てて声を上げた。
「そんなことないよ、ミカちゃん!あんたがいなかったら、このギルドは――」
ミカは彼を制するように手を挙げ、さらに言葉を重ねた。
「私は、本当は皆さんがいつ帰ってきてもいいように、誇れる妖精の尻尾として維持したかった。でも、私の力では存続するだけで精一杯でした。」
そして、決意を込めた表情で締めくくる。
「だから、皆さんが帰ってきた今、私は使命を終え、ここにいる意味はなくなりました。今まで⋯ありがとうございます。」
「私は、このギルドを去ります」
その言葉にギルドが静まり返った。だが、次の瞬間、マカロフが大きな声で笑い出す。
「なんだ、そんなことか!
とんだバカモンじゃな……その不器用さは誰に似たんじゃろうな?」
ミカは驚き、マカロフを見つめる。
「そんなこと、ですか?」
マカロフは歩み寄り、ミカの肩に手を置いた。
「ミカ、お前がここにいる意味がない?そんなわけがあるか!」
彼の目には温かい光が宿っていた。
「お前はこの7年間、このギルドを守り抜いた。それだけで十分、立派な妖精の尻尾の一員だ。」
その言葉に、ミカの目が大きく見開かれる。
「そうだよ!ミカちゃんがいなかったら、俺たちはここまで来られなかった!」
「このギルドを守ってくれたのはミカちゃんだ!あんたがいないなんて、あり得ない!」
マカオやワカバも続けてミカに声をかける。
ナツも大声で叫ぶ。
「そうだ!お前が妖精の尻尾を去るなんて許さねえ!」
グレイが呆れたように続ける。
「ナツの言うことなんて普段は賛同できないが、今回は賛成だな。」
エルザは静かにミカに近づき、真剣な目で語りかける。
「ミカ、ここは君の居場所だ。一緒にこのギルドをさらに強くしていこう。」
ミカは涙を拭いながら、静かに頷いた。
「……ありがとうございます。皆さん、本当に……。」
マカロフは再び彼女の肩に手を置き、はっきりと言葉を紡ぐ。
「ミカ、これからもこのギルドで共に歩んでくれ。お前は紛れもなく、妖精の尻尾の一員だ。」
ミカはその言葉に涙を流しながら頷いた。
「はい……これからも、妖精の尻尾と共にいます。」
その日、ギルドは改めて一つになった。ミカはギルドメンバーたちと共に笑い、未来への一歩を踏み出す準備を整えていた。