馴れ初め
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(君 視点)
山崎さんと約束した日帰り旅行の日。私たちは早朝、電車に乗って少し遠くの自然豊かな場所を目指していた。車窓を流れる景色は、殺伐とした江戸の街並みとは違い、どこまでも緑豊かで穏やかだ。
「山崎さん、景色が綺麗ですね。誘ってくださって、本当にありがとうございます」
「どういたしまして、君ちゃん。そう言ってもらえると、頑張って計画した甲斐があるよ」
山崎さんは、いつの間にか私を「君ちゃん」と自然に呼ぶようになっていた。その呼び方は、親しみが込もっていて、私を大切にしてくれている証のように感じられ、心臓がきゅっと温かくなる。
目的地近くの駅に降り立ち、私たちは穏やかな山道を歩き始めた。途中、山崎さんが用意してくれた手作りのおにぎり(もちろんアンパンは入っていない)を食べて、小休憩。
「これ、美味しいです。山崎さん、お料理もされるんですね」
「あはは、まあ、副長や隊士の夜食作りを手伝ってるからね。簡単なものなら作れるよ」
二人きりの穏やかな時間。このまま時間が止まってしまえばいいのに、と思った瞬間だった。
「うあああああ!!山崎ぃぃぃ!またサボってんのかコノヤロォォォ!!」
突然、背後の茂みから、聞き覚えのある大声が響いた。私は、思わず持っていたお茶を噴きそうになった。
「うわあああ!近藤さん!なんでこんなところに!?」
山崎さんは悲鳴を上げ、さっと私の前に立つ。茂みをかき分けて現れたのは、真選組局長・近藤勲さんだ。何故か彼の周りには、土方さんや沖田隊長はおらず、一人だ。
「ザキ!お前、非番だと聞いていたが、こんな可愛い娘(こ)と山奥でイチャつくとは!局長として、看過できねぇぞ!」
「違うんです、近藤さん!これはデートじゃなくて、健全なレクリエーションです!」
「同じだ、馬鹿!もっと堂々とデートすればいいだろう!」
近藤さんは山崎さんに詰め寄ろうとするが、次の瞬間、近藤さんの頭の上に、何かがピタリとくっついた。
「しー。静かにしろ、近藤。山崎に気づかれては困る」
「桂ァァァ!!」
近藤さんの背後に、桂小太郎さんが忍び込んでいた。彼は、完全に不自然な"岩"の変装を解き、近藤さんの頭にくっついている。
「桂さん、お久しぶりです。お仕事、ご苦労様です」
私が、至って穏やかに挨拶をすると、桂さんは「うむ、久しぶりだ、君殿」と、どこか優雅に答えた。
「ちょっ、君ちゃん!桂は攘夷志士だよ!敵だよ!」
山崎さんが慌てて私を庇おうとするが、桂さんは気にした様子もない。
「山崎。君の連れの女性は、君と違って心が穏やかだ。私はただ、この山道で迷子になった定春(ペットの巨大犬)を探している万事屋の連中と、偶然鉢合わせしただけだ」
「万事屋と桂が一緒にいること自体が事件でしょう!」
山崎さんが叫んだ時、今度は少し離れた山道から、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「定春ぅぅ!どこ行きやがったアルか!」
「そうだぞ定春!肉球印のアンパンはここにあるぞォ!」
「銀さん!勝手に定春をアンパンで餌付けしないでください!」
案の定、万事屋の皆さんが、神楽ちゃんと新八くんを先頭に、この山奥までやってきていた。
「あ、君さんと山崎さんだ!こんにちは!」と新八くんが穏やかに私たちに手を振る。
「ザキの連れの姐さんアル!あんたたち、こんなとこで何やってるネ?密会アルか?」と神楽ちゃんが容赦なく尋ねる。
「違うよ、チャイナさん!ただの遠足だよ!」
山崎さんが、真選組と万事屋と攘夷志士が入り乱れるこの状況に、本当に泣きそうな顔をしている。
私は、このあまりにも銀魂らしいドタバタに、思わず笑みがこぼれてしまった。私の日常ではあり得ない光景だけれど、山崎さんといると、いつも予想外のことが起こる。
「まあまあ、皆さん。せっかくお会いしたんですから、一緒に、あそこの川辺でお茶でもしませんか?」
私の提案に、近藤さんが「おお!それはいい!君殿は心が広い!」と喜び、桂さんも「いいだろう。山崎、追跡は一旦休戦だ」と応じた。
山崎さんは、心底疲れた顔をしていたけれど、私の顔を見て、すぐにいつもの穏やかな表情に戻ってくれた。
「……はは。そうだね、君ちゃん。せっかくの遠出だし、ゆっくりしていこうか」
彼の隣で、私はこの賑やかで、それでいて温かい時間を、心から楽しんだ。この特別なドタバタも、山崎さんといるからこそ、私の大切な思い出になっていくのだ。
🌸 旅の終わりに(山崎 視点)
帰り道、さすがに万事屋も近藤さんも桂さんも、それぞれ別のルートで帰っていった。
電車の中で、俺は隣で静かに眠っている君ちゃんの横顔をそっと見つめた。
今日は、俺が一番望んでいた「静かな安らぎ」とは、真逆の一日だった。終始ドタバタで、終いには桂さんまで現れる始末。
でも、俺は最高に楽しかった。
「賑やかで、楽しかったです。山崎さんの周りは、素敵な方ばかりですね」
別れ際、君ちゃんが言ってくれた言葉が、胸に響いている。彼女は、俺の周りの混沌を、否定せずに受け止めてくれた。
(俺にとって、君ちゃんは本当に特別なんだ)
彼女といる時の俺は、隊士でも、監察でもなく、ただの「山崎退」でいられる。
「君ちゃん……」
俺は、意を決して、まだ眠っている彼女の肩に、そっと自分の頭を寄せた。
「あのさ、今度、また二人きりで、静かな定食屋にでも行かないかな」
もちろん、彼女は眠っていて返事は返ってこない。でも、俺の言葉に、彼女が少しだけ俺の方に寄りかかってくれた気がした。
この、優しくて穏やかな関係を、俺は絶対に手放さない。
山崎さんと約束した日帰り旅行の日。私たちは早朝、電車に乗って少し遠くの自然豊かな場所を目指していた。車窓を流れる景色は、殺伐とした江戸の街並みとは違い、どこまでも緑豊かで穏やかだ。
「山崎さん、景色が綺麗ですね。誘ってくださって、本当にありがとうございます」
「どういたしまして、君ちゃん。そう言ってもらえると、頑張って計画した甲斐があるよ」
山崎さんは、いつの間にか私を「君ちゃん」と自然に呼ぶようになっていた。その呼び方は、親しみが込もっていて、私を大切にしてくれている証のように感じられ、心臓がきゅっと温かくなる。
目的地近くの駅に降り立ち、私たちは穏やかな山道を歩き始めた。途中、山崎さんが用意してくれた手作りのおにぎり(もちろんアンパンは入っていない)を食べて、小休憩。
「これ、美味しいです。山崎さん、お料理もされるんですね」
「あはは、まあ、副長や隊士の夜食作りを手伝ってるからね。簡単なものなら作れるよ」
二人きりの穏やかな時間。このまま時間が止まってしまえばいいのに、と思った瞬間だった。
「うあああああ!!山崎ぃぃぃ!またサボってんのかコノヤロォォォ!!」
突然、背後の茂みから、聞き覚えのある大声が響いた。私は、思わず持っていたお茶を噴きそうになった。
「うわあああ!近藤さん!なんでこんなところに!?」
山崎さんは悲鳴を上げ、さっと私の前に立つ。茂みをかき分けて現れたのは、真選組局長・近藤勲さんだ。何故か彼の周りには、土方さんや沖田隊長はおらず、一人だ。
「ザキ!お前、非番だと聞いていたが、こんな可愛い娘(こ)と山奥でイチャつくとは!局長として、看過できねぇぞ!」
「違うんです、近藤さん!これはデートじゃなくて、健全なレクリエーションです!」
「同じだ、馬鹿!もっと堂々とデートすればいいだろう!」
近藤さんは山崎さんに詰め寄ろうとするが、次の瞬間、近藤さんの頭の上に、何かがピタリとくっついた。
「しー。静かにしろ、近藤。山崎に気づかれては困る」
「桂ァァァ!!」
近藤さんの背後に、桂小太郎さんが忍び込んでいた。彼は、完全に不自然な"岩"の変装を解き、近藤さんの頭にくっついている。
「桂さん、お久しぶりです。お仕事、ご苦労様です」
私が、至って穏やかに挨拶をすると、桂さんは「うむ、久しぶりだ、君殿」と、どこか優雅に答えた。
「ちょっ、君ちゃん!桂は攘夷志士だよ!敵だよ!」
山崎さんが慌てて私を庇おうとするが、桂さんは気にした様子もない。
「山崎。君の連れの女性は、君と違って心が穏やかだ。私はただ、この山道で迷子になった定春(ペットの巨大犬)を探している万事屋の連中と、偶然鉢合わせしただけだ」
「万事屋と桂が一緒にいること自体が事件でしょう!」
山崎さんが叫んだ時、今度は少し離れた山道から、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「定春ぅぅ!どこ行きやがったアルか!」
「そうだぞ定春!肉球印のアンパンはここにあるぞォ!」
「銀さん!勝手に定春をアンパンで餌付けしないでください!」
案の定、万事屋の皆さんが、神楽ちゃんと新八くんを先頭に、この山奥までやってきていた。
「あ、君さんと山崎さんだ!こんにちは!」と新八くんが穏やかに私たちに手を振る。
「ザキの連れの姐さんアル!あんたたち、こんなとこで何やってるネ?密会アルか?」と神楽ちゃんが容赦なく尋ねる。
「違うよ、チャイナさん!ただの遠足だよ!」
山崎さんが、真選組と万事屋と攘夷志士が入り乱れるこの状況に、本当に泣きそうな顔をしている。
私は、このあまりにも銀魂らしいドタバタに、思わず笑みがこぼれてしまった。私の日常ではあり得ない光景だけれど、山崎さんといると、いつも予想外のことが起こる。
「まあまあ、皆さん。せっかくお会いしたんですから、一緒に、あそこの川辺でお茶でもしませんか?」
私の提案に、近藤さんが「おお!それはいい!君殿は心が広い!」と喜び、桂さんも「いいだろう。山崎、追跡は一旦休戦だ」と応じた。
山崎さんは、心底疲れた顔をしていたけれど、私の顔を見て、すぐにいつもの穏やかな表情に戻ってくれた。
「……はは。そうだね、君ちゃん。せっかくの遠出だし、ゆっくりしていこうか」
彼の隣で、私はこの賑やかで、それでいて温かい時間を、心から楽しんだ。この特別なドタバタも、山崎さんといるからこそ、私の大切な思い出になっていくのだ。
🌸 旅の終わりに(山崎 視点)
帰り道、さすがに万事屋も近藤さんも桂さんも、それぞれ別のルートで帰っていった。
電車の中で、俺は隣で静かに眠っている君ちゃんの横顔をそっと見つめた。
今日は、俺が一番望んでいた「静かな安らぎ」とは、真逆の一日だった。終始ドタバタで、終いには桂さんまで現れる始末。
でも、俺は最高に楽しかった。
「賑やかで、楽しかったです。山崎さんの周りは、素敵な方ばかりですね」
別れ際、君ちゃんが言ってくれた言葉が、胸に響いている。彼女は、俺の周りの混沌を、否定せずに受け止めてくれた。
(俺にとって、君ちゃんは本当に特別なんだ)
彼女といる時の俺は、隊士でも、監察でもなく、ただの「山崎退」でいられる。
「君ちゃん……」
俺は、意を決して、まだ眠っている彼女の肩に、そっと自分の頭を寄せた。
「あのさ、今度、また二人きりで、静かな定食屋にでも行かないかな」
もちろん、彼女は眠っていて返事は返ってこない。でも、俺の言葉に、彼女が少しだけ俺の方に寄りかかってくれた気がした。
この、優しくて穏やかな関係を、俺は絶対に手放さない。