いろとかたち
Quel est votre nom ?
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--数日後の昼休み--
幸村「谷川さん、ちょっといいかな?」
『はーい?』
由佳はいつも一緒にお昼を食べている友達と集まっていた。
よっぽどお弁当が楽しみだったのか、手はお弁当包みの紐を持ち、嬉しそうな表情のまま振り返った。
幸村「ふふっ、お楽しみのところごめんね。」
『あ、いや、気にしないで///』
幸村につられるように周りにいた友達も笑い始めたのに対して
恥ずかしそうに少し縮こまって幸村のほうへと向きなおす。
幸村「◇◇先生に谷川さんと一緒に美術室へ来るように言われたんだ。」
『◇◇先生?何でだろう・・・?』
幸村「残念ながら、俺も詳しい内容までは聞いてないんだ。
もしかしたら長くなるかもしれないから、
お弁当持ってそのまま来ても良いって言われたんだけど、どうする?」
由佳も幸村も美術部ではない為、美術教師とは授業以外で関わることはほぼないはずだった。
それなのに呼び出され、しかも共通点のない二人での突然の呼び出しに
由佳は戸惑いを隠せないでいた。
『・・・?(私だけだったら何かやらかしちゃったんだろうけど、幸村君もとなると全然わかんない・・・!)』
「由佳、とりあえず帰ってきて!(笑)」
『っ!いるいる!いなくなってないよ!?』
「落ち着いて(笑)
先生の呼び出しなんだから行っておいでよ。
お昼はまた明日一緒に食べよ!」
『うん、ありがと。とりあえず行ってくる!』
幸村「ふふっ、じゃあ行こうか。」
由佳はお弁当と水筒を手に取り、立ち上がると
幸村の斜め後ろについて美術室へ向かった。
教室では、うわさが立っていることなど思いもせずに-------
(「ねぇねぇ、最近由佳と幸村君って仲良くない!?」
「私も思ってた!!あれ、どっちかというと幸村君だよね!?」
「でも、あれって由佳は気づいてないよね?まぁ由佳らしいけど・・・」
「絶対そうだよね!早く気づけーーー!!(笑)」)
『(・・・呼び出されるようなことしちゃった覚えはないんだけどな・・・
そもそも、幸村君は呼び出されるほど何か悪いことしちゃうなんてないだろうし
・・・となると、まとめて呼ばれただけで用事は別件?
じゃあ私は何で呼ばれて、幸村君は何d)《ボフッ》んむっ!?』
由佳は歩きながら美術室に呼ばれた理由を考えていると、
幸村が急に立ち止まったことにも気づかず、顔から幸村の背中へ衝突した。
『・・・あああごめんね!!痛くない!?というか、どうしたの??』
幸村「どうしたのって・・・俺の知ってる美術室はここなんだけどな。」
『・・・・あ、うん。。。私もここしか知りません・・・ナンデモナイヨ・・・』
幸村「クスッ・・・落ち着いた?(笑)」
『ハイ・・・』
由佳が落ち着いたのを確認すると
幸村は美術室へと入っていき、由佳も幸村に続いた。
幸村「先生、お待たせしました。
先生「あぁ、呼び出して悪かったね。そこに座って。」
美術教師は由佳と幸村が着席すると、話し始めた。
先生「この前の授業で出してくれた合作の絵のことなんだが、
あれを今度の中学絵画コンテストに出してみないか?」
『?(合作?・・・誰と誰の?何の話・・・?)』
幸村「描き始める前に3年から2~3名ずつ出品するとおっしゃってたコンテストですか?」
先生「そうそう。あの絵、すごくきれいで他の先生方からの評判も良いんだ。」
幸村「そう言っていただけると嬉しいです。俺は谷川さんが良ければ構いません。」
先生「そういってくれると思っていたよ。・・・谷川さんはどうかな?」
『えっと・・・私は何かしましたっけ・・・?』
先生「何を言っているの?」
由佳が話にまったくついてこれていないことに気づくと、美術教師も不思議そうな表情を浮かべた。
幸村「・・・実はあの絵、まだ谷川さんも見ていないんです。」
先生「え、そうなの!?」
『あの絵って?』
幸村「ちょっとサプライズをしてみようかと思って、そもそも完成させたことも伝えてないんです(笑)」
先生「ぇえ・・・まったく幸村は・・・ちょっと待ってなさい」
美術教師がやれやれ、とため息交じりに立ち上がり、何かを取りに行くのを
由佳は目で少し追い、そのまま幸村へと視線を移した。
『何の話?』
幸村「ん?見たらわかるよ^^」
先生「・・・この絵。」
『・・・!!これ!?・・・え!?』
美術教師が見せた絵は、一瞬心当たりがないかと思えたが
すぐにモノクロの酷似した記憶を蘇らせた。
幸村「思い出した?」
しかし今目の前に映っている絵は記憶とは違い色鮮やかな姿に変わっていた。
一面が空よりも深い蒼になる予定だった花畑はたくさんの色でグラデーションを作り
花畑を強調するためにグレー一色の予定だった建物は白を基調に、ところどころ緑の蔦が這っている。
そこはもはや校舎ではなく、どこかの庭園か天国なのではないかと思えるような景色になっていた。
『すごい・・・やっぱり幸村君ってすごく絵を描くのが上手・・・』
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