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Panier de fleurs ~番外編~



無事に真田の誕生日パーティーを成功させた[#dn=#2]たち。

しかし、問題はこの後だった。


2週間後の6月4日・・・






柳蓮二の誕生日だ。


(柳くん相手にサプライズとかできるのかな!?)

朝練のない吹奏楽部の2人と早めに終わって教室に着いた千夏は頭を悩ませている。

美「というか、下手ししたら既に察してそうよね、このこと。」




ただでさえサプライズをするには厄介な相手だというのに

別の人にサプライスパーティーをしたばかりというタイミング。

さらにテニス部はほぼ毎日部活があるため、それほど時間を割くわけにもいかなかった。

(前途多難すぎるよーーーーーっ!?)


美「真田君のときは急遽考えたことだったからいいけど、
千夏とか特に普通に本人にばらしちゃいそうで心配(笑)」

千「え、なんで!?」

『千夏って思ったことが正直に口に出ちゃうもんね(笑)』

千「[#dn=#2]までーー!!かわいい顔してずばっと言うなーっ><」

《ガバッ》

『わぁっ!?』

「おっ・・と。セーフ!」

美「ナイスキャッチ!さっすが丸井!」

千夏に飛びつかれてふらついた[#dn=#2]を

タイミングよく登校してきた丸井が受け止めていた。

それを見ていた美咲は丸井に親指を立ててグッドサインを出す。

丸「天才的だろい?・・・って、なんか前にもこんなことあったな(笑)」

丸井はおはよ、と言いながら慣れたように[#dn=#2]の体勢を戻す。

『またまたありがとう丸井くん(;'∀')
えへへ、また天才的に助けてもらっちゃった(笑)
おはよ!^^』

丸「へへっ、いつでも助けてやるぜぃ!
ところで、何の話してたんだ?」

『実はね、』

[#dn=#2]は今までの話を軽く丸井に伝えた。

丸「なるほどなー。

というか、それなら[#dn=#1]だって不安じゃね?(笑)」

『えっ、なんで!?』

美「まぁ、バイオリン弾いてる時以外は顔にでやすいからね・・・(笑)」

『ええ・・・・』

(私ってわかりやすいの・・・?)

口に出してしまう千夏が何かと目立つが、[#dn=#2]も表情がすぐに出てしまうタイプのため、

からかわれる対象は[#dn=#2]へと変わる。

千「焦ってる時とかすごいわたわたしてるよね!(笑)」

『千夏まで!?』

美「まぁ、そういうのが可愛いんだけど(笑)」

(そんなに表情にでてたんだ!?なんかはずかしいな・・・)

千「あ、[#dn=#2]の顔赤くなってるー!かわいいーーーっ!」

《むにっ》

『ひなふーっ!(千夏ーっ!)』

千「[#dn=#2]のほっぺ柔らかーいっ!」

恥ずかしがっている[#dn=#2]の頬をむにむにと千夏がいじっていると
予鈴が鳴り響き、担任が入ってきた。
それに合わせて教室の生徒は全員話をやめて席につく。

[#dn=#2]の隣に座る丸井は小声で話しかけてきた。

丸「とりあえず、ジャッカルと仁王と幸村君にメールで相談しとくな!」

『ありがとう、お願いします!』













~昼休み~


丸「あー・・・腹減った~・・・

[#dn=#1]、榎本、高橋!作戦会議しながら昼飯食おうぜ!」


『うん、そうしよっ!』

《ガラッ・・・》

お弁当を食べようと4人が集まると、教室のドアが開き、足音が近づいてきた。

近づいた足音は[#dn=#2]のすぐ近くで止まるものの、[#dn=#2]からは後ろのため
誰か確認することもできず、他の人の元へ行ったのだろうと特に気に留めずにお弁当を広げ始める。

一方、足音の主を知っていた丸井はそちらに笑顔を向け、
美咲と千夏は前方から見ていたため一瞬驚いた表情を見せた。

「やぁ。俺も一緒にいいかな?」

『ぅにゃっ!?』

急に耳元で声が聞こえ、[#dn=#2]はびくっと動きながら言葉にならない声をあげた。

「くすっ、そんなに驚かなくてもいいのに(笑)」

後ろから覗き込むように[#dn=#2]と目線を合わせ
楽しそうな笑顔を見せたのは幸村だった。

『ゆっ幸村くん!びっくりしたー・・・!』

幸「丸井からメールをもらってね。

せっかくだから一緒にお昼食べようかなって。」


『そうだったんだ!うん、一緒に食べよ!』







幸「もう、いっそのこと誕生会やるから時間空けといてって言ってもいいんじゃないかな」

柳相手にサプライズは厳しい。
さらにテニス部は突然時間を空けろと言われてもなかなか難しい。
それなら一番安全な方法は最初から時間を空けておいてもらうことだろう。

『やっぱり、そのほうがいいかなぁ・・・』

千「柳君のびっくりする顔、見てみたかったなー」

丸「隠し事できない2人が言うか(笑)」

『そんなことないもん・・・』

[#dn=#2]は納得がいかず、残念そうな顔からすこしむすっと頬を膨らませた。

幸「ふふっ、[#dn=#1]さんは表情にでやすいもんね?(笑)」

丸「だろぃ?でも本人自覚ないんだぜ?(笑)」

幸「そうだろうなとは思ってたよ(笑)」

『そんなことないもんっ!それより!誕生会どうする??』

食事中で座っているため、美咲の後ろに隠れることもできず、
2人にはかなわないと判断した[#dn=#2]は話を戻す。

美「場所はどうする?平日で部活あるし、学校の近くがいいよね。」

幸「だからといってsourireに何度もお世話になるわけにもいかないし・・・うーん・・・」

千「すぐそこの地区センターって貸しスペースなかった?」

『あ、ある!あそこで誕生会やったことあるよ!』

丸「そういやなんか上の方の階にあったな!

体育館しか使ったことねぇけど。」


美「じゃあ、今日部活が終わったら借りれるか聞いてみるね。」

『私も部活一緒だしそのまま一緒に行く!』



その後あらかたどうするかを5人で決め、
丸井がジャッカルと仁王にはメールで詳細を伝えると
[#dn=#2]は今朝も気になっていたことを思い出して尋ねた。

『真田くんにはなんで言わないの?』

丸「あいつ機械音痴なんだぜぃ?」

幸「それに柳と同じクラスだろ?

それに、俺から伝えたほうが話も脱線しないだろうし、

部活の時にでも俺が伝えておくよ。」


『そうなんだ(笑)』

(まぁ確かに私達が言ったら、たるんどる!とか言われちゃいそうだもんね・・・)

『じゃあ、幸村くんお願いします!』












6月4日


「解散っ!」

「「「お疲れ様でした!!」」」


幸「真田、柳」

真「うむ、わかっている。」

柳「着替え次第校門だな」

仁王、丸井、ジャッカルは先に用意を始めている[#dn=#2]達を手伝うために
一足先に着替えて貸しルームへと向かう。

一方、幸村と真田は時間稼ぎも兼ねて柳と話しながら向かうことになっていた。

柳「それにしても、こうやって俺の誕生日を祝ってもらえるとはな。」

幸「どうせ柳はサプライズなんて通用しないだろう?」

柳「まぁ、何かあるのではとは予測していた。

しかしせっかくのことだからな。

あまり予測はしないようにはしていた。」

幸「ふふっ、ありがとう」






《ガチャッ・・・》

《パーンッ!》

「「「『柳(君)お誕生日おめでとう!!』」」」




柳「あぁ。

やはりこういった心遣いは嬉しいものだな。

ありがとう。」

そう言いながら笑う柳の表情は、普段より大人っぽさが抜け嬉しそうだった。

『柳くん、これ、よければ使って!』

そういって[#dn=#2]がプレゼントに渡したのは
深緑に黄色い花の刺繍が入った小さな和風の袋だった。

柳「匂い袋か。」

『うん。持ち歩いてるって聞いたから、気分転換に袋を変えるのもいいかなって!』

柳「そうだな。中身を変える際も香りが混ざらなくて良いな。ありがとう。」










(ニッコウキスゲの花言葉「日々あらたに」「心安らぐ人」)



(ニッコウキスゲって、6月4日誕生花なんだって。
データをいつも取って更新してるし、落ち着いた雰囲気の柳くんに
花言葉もぴったりだよね!)
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