Année 1 ~1年目~
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5月。
入学して1ヶ月ちょっと経って中学生生活にも慣れてきた。
美「柚香、一緒にお昼食べよ!」
千「私もー!おなかすいたーー!!」
『昨日クッキー焼いてみたんだけどお弁当のあとちょっと食べない?』
千「食べる!!」
美咲や千夏という仲の良い友達もできたし、充実して毎日楽しいな。
『千夏、さっきの授業寝てたでしょ(笑)』
千「ばれた?」
えへへっなんて笑いながらお弁当をほおばる千夏。
元気でかわいくて、こっちまで笑顔になっちゃう。
こんな妹いたらかわいくて仕方ないんだろうな・・・
美「千夏、今から勉強おいていかれたら大変だよ?柚香もつられて笑わないの。」
同じ部活でチェロを弾く美咲はしっかり者でお姉ちゃんみたい。
そうして学校が楽しくなって来たのもつかの間、
今度は憂鬱になることが待っている。
それは・・・5月考査。
1週間前となれば部活は無くなってしまうし、
下がっていく気分に追い打ちをかけるように
じめじめとした日が続く梅雨に入った。
美「柚香!一緒に帰ろ!」
千「あっ、私も一緒に帰るー!!」
座席が斜め前の美咲が振り返りながら声をかけると、
2~3メートル離れた位置から千夏が机や床に置かれた荷物を飛び越えながら走り寄ってきた。
『うん!』
美「千夏、走らなくても待ってるよ?」
『というか、荷物とかいろいろあるし危ないよー』
美「そういえば、再来週から考査始まるけど、2人とも勉強進んでる?」
千「わーーーっ!!思い出したくないこと言わないでーー!!!」
『バスケ部忙しそうだもんね(笑)』
千夏は勉強より身体動かす方が好きだろうし、まぁ特に嫌だろうね・・・
美「そういう柚香だって部活以外でもバイオリン弾いて忙しいでしょ?」
『ちょっとずつやってるからそんな悲惨なことにはならないはず・・・』
勉強のせいでバイオリン弾けないとか辛すぎるもん。
千「ねぇ、日曜日に勉強会しない?というか教えて!!」
『いいよ!やろっ!』
友達と勉強会とか、中学生になったらやりたいことの一つだったから嬉しい。
千「わーいっ!ありがと~~!」
『わっ!?』
目をキラキラさせながら千夏が飛びついてきて、思わずよろけてしまった。
まずい、後ろに倒れる・・・・!
「おっ・・・・と。」
ぎゅっと目を閉じて背中の痛みに構えるものの、なかなか衝撃が来ない。
・・・・なんで・・・・?
千「あわわっごめん!!」
『・・・あれ?大丈夫・・・???』
「でも、俺がいなかったら頭打ってただろい?」
美咲や千夏より低い声・・・男の子の声?
後ろ、というよりほぼ真上から聞こえてきた。
振り返ると、至近距離に赤髪の男の子の顔。
『!?』
「大丈夫か?」
『うん・・・』
・・・ん?
『あ、支えてくれたんだ!?』
「何、今まで気づいてなかったの?(笑)」
『あああごめんねありがとうっ』
支えてくれた子は笑いながらどういたしまして!と言って腕を離した。
『びっくりして時間が止まったみたいだったよ(笑)』
「止まって他のは水瀬のほうだろぃ」
『確かにそうかも?』
あ、そういえば思い出した。
同じクラスでお弁当の量がすごい人で・・・丸井君だったかな?
名前も喋り方もちょっと特徴的だよね。
明るくてクラスのムードメーカみたいでいい子ってイメージ。
『あ、丸井君、お礼って程じゃないけどよければこれどうぞ!』
昨日作ってきたクッキー、少し余っててよかった。
でも、あれだけお昼食べててお菓子まで食べれるのかな・・・
「マジ!?やーりっ!サンキュー!
あ、俺これから部活だからまたなっ!」
丸井君は満面の笑顔で受け取って走り去っていった。
千夏といい、丸井君といい、運動部の人は明るくて元気だなぁ・・・
美「昼にあれだけ食べて、よくお菓子もらってあそこまで喜べるよね・・・」
あいつの胃はブラックホールなの?なんて言う美咲。
私もちょっと思った。
千「まぁ、テニス部すごい厳しいもんね」
『テニス部なんだ?よく知ってるねー』
美「テニスバッグ持ってたじゃない(笑)」
なるほど?
『そこまで見てる余裕なかった!』
美「でた、柚香のマイペース(笑)」
和むからいいけど、なんて言われたけど私そんなにマイペースなのかな?
日曜日
カランカラン・・・
「いらっしゃいませー」
『あ、二人ともこっちだよー!』
美「こんにちは。柚香ちゃんの友達の榎本 美咲です。」
千「高橋 千夏です!」
「あら、いらっしゃい!柚香から話は聞いてるわ。ゆっくりしていってね。」
今日は親戚がやっている喫茶店で勉強会をすることになったんだけど、
学校からも近いし、ゆっくりできる場所があって助かった!
千「ここどうやって解くの?」
『ん?ここは・・・』
美「千夏、ここ違う」
千「えっあ、書き間違えてるううう」
時々教え合ったりするけど、まぁまだ中学入って間もないから
みんなそれほど問題はなさそうでよかった。
カランカラン・・・
「いらっしゃいませ 3名様でよろしいですか?」
「いや、すぐあと3人来ます!」
「ではこちらへどうぞ」
チェーン程大きなお店じゃないのに、割と大人数で来るんだなぁ・・・
なんて頭の隅っこで考えながらも必死に英単語を頭に入れていく。
集中しなきゃ・・・「あれ、水瀬?」・・・ん?
千「あ、丸井じゃん!」
『わぁー偶然!』
さっきの元気な声は丸井君だったのか
美「どうしてここに?」
丸「部活で疲れた身体には、やっぱ甘いもんだろいっ!」
『日曜日なのに部活あったんだ!?お疲れ様~』
「ブン太、知り合いか?」
丸井くんの隣にいた黒人さん?ハーフ?の人の一言からお互いの自己紹介が始まった。
F組のジャッカル君とE組の仁王くん・・・
テニス部って変わった名前の人多いな?
丸「なるほど、ここ水瀬の親戚のお店だったのか!」
仁「それにしても今から勉強とは真面目じゃの」
美「ちょっと問題児まがいがいてね・・・(笑)」
千「うっ・・・」
「こっちにも人の事言えない人が居そうだけどね」
『!?』
急に後ろ(上?)から中性的な声が聞こえた。びっくりした・・・
丸「げっ・・・」
丸井君が私の後ろを見ながら気まずそうな顔になった。
視線の先をたどって振り向くと・・・
「やぁ、久しぶりだね。」
水瀬さんだったよね?なんていいながら綺麗なほほ笑みを見せる男の子。
幸村くん・・・・だっけ?
というか、後から来る3人って幸村君たちだったのか
・・・両サイドの子知らないけど。
というか、上級生?制服着てるから顧問の先生とかじゃないよね・・・?
丸「ん、知り合い?」
『部活が始まる前に1回あったことあるの。』
幸「覚えててくれたんだ?」
こんな美人さん、忘れてるほうが珍しいんじゃないかな・・・
千「柚香友達いっぱい!いいなー!!あ、私、高橋 千夏!よろしく!」
幸「俺は幸村 精市。よろしく。」
再び自己紹介タイム。
真田君に柳君ね。
なんか3人は同い年とは思えないくらい落ち着いてるというか・・・なんだろう。
他のクラスの人とはまだほとんど話したことないからちょっと緊張する・・・
勉強なんて忘れてみんなで話していると、おばさんがマフィンを持ってきてくれた。
丸「めっちゃうまそう!!」
千「いっただきまーす!」
真「こら丸井!騒ぐな!」
美「千夏もお行儀悪いでしょ!」
なんか似てるペアがいるな(笑)
『あははっ』
幸「ふふっ、まったく・・・どこにでもあるんだね、こういうこと(笑)」
にぎやかで楽しいよね、なんて幸村君や柳君に言うと
いつもこれだから困ったものだ、なんていいながらも
満更でもなさそうに笑ってた。
本当にみんな仲良くていいなぁ・・・
丸「そういえば、この前水瀬がくれたクッキーってここの?
あれもうまかったぜ!サンキューな!」
『ううん、あれはおばさんに教えてもらって私が作ったよ。』
というか、やっぱり丸井君たべたのね。
本当に胃がブラックホールなのかな・・・
幸「水瀬さん、お菓子も作れるんだ?」
『ちょっとだけね?』
千「このブルーベリーマフィン、すっごいおいしい~~!」
おばさんの手作りお菓子、本当美味しいんだよ!
お菓子もバイオリンと一緒でほかの人を笑顔にできるからすごいよね。
『そういえばブルーベリーで思い出したんだけど
庭のブルーベリーの花が満開だったから
実がなったら私もブルーベリーのお菓子作ってみようかな』
幸「庭にブルーベリーの木があるんだ?
白い小さな花が鈴なりになってかわいいよね」
『そうそう!あと今はこのお店の周りにレモンとオリーブが咲いてるよ!』
幸「そういえばテラス席に咲いてるの見たよ。
オリーブはわかったけど、あの白い花はレモンだったんだ?」
さすがガーデニング好き。よく見てらっしゃる。
柳「テラス付近はずいぶんと手入れが行き届いているようだったな。
園芸に詳しい知人でもいるのか?」
『うん、おじさんが土いじり好きなの!よくわかるね!』
仁「我がテニス部の参謀じゃからな」
『すごいね!』
初対面の人がほとんどなのにみんなすぐ仲良くなって楽しかった!
楽しい時間ってなんでこんなにあっという間なんだろう。
あ、でも結局勉強はあんまり進まなかったな・・・・(笑)
(テストは問題なくできました。よかった!)
(千「英語がー・・・!」)
(丸「数学やべぇ・・・」)
(美「まったく千夏は・・・」)
(真「たるんどる!!」)
(柚香&幸村「(笑)」)
ブルーベリーの花言葉「実りある人生」「知性」
※番外編「5月21日」「6月4日」はこの続きの設定です。
よければ読んでみてください!