Année 1 ~1年目~
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Prologue
桜舞う春
入学してまだ1週間と経たないうちに見つけたお気に入りの場所へ
大切なバイオリンを抱えてやってきた。
暖かい日差しに、涼しくて心地よい風が吹く学校の屋上
季節はちょっと早すぎるけど、今日は大好きなエーデルワイスにしよう。
幼稚園の頃のお遊戯会で知ったサウンドオブミュージックに出てくるこの曲。
自分でも理由はよくわからないけど、初めて聞いた時から印象強く心に残っていた。
幼稚園の先生は、なぜか音だけで私たちに歌詞を覚えさせた。
しかも、全然意味がわからない言葉ばかり。
あとで友達と一緒に親たちに歌って見せたらまさかの英語の歌詞だった時は衝撃だった。
意味もわからず、ただ音だけで覚えてしまうあたり、小さい子の記憶能力ってすごいよね。
幼い頃から習っていたバイオリンは周りを笑顔にしてくれるから大好きだった。
もっとたくさんの人を笑顔にしたくて、褒めてもらうのが嬉しくて
自分の好きな音に包まれる感覚が好きで・・・
一生懸命練習していたら、
腕前はいつの間にちょっとしたコンテストで表彰されるくらいになっていた。
立海大付属中学に入学して2週間。
新入生が吹奏楽部に入部できるのは来週らしい。
♪~~
目を閉じてバイオリンを奏で始めた。
エーデルワイスの花言葉は「大切な思い出」「勇気」。
両親や兄、中学から離れ離れになった友達の笑顔が瞼の裏に浮かぶ。
♪~・・・
この季節は外で弾くのも心地よくていいな。
なんて思いながらゆっくりとバイオリンをおろした。
パチパチパチ
『!?』
自分以外誰もいないはずの屋上に拍手の音が響いた。
びっくりして目を開く。
「すごいきれいな音ですね」
目の前には綺麗なほほ笑みを浮かべた人が立っていた。
バイオリンを弾くことに夢中で、人が来ていたことに気づかなかったらしい。
『あ、ありがとう・・・ございます』
目の前にいる顔立ちの綺麗な人は、一瞬女の子かと思ったけど
よく見れば身を包んでいるのは男子制服。
「いつもここで弾いてるんですか?」
『あ、いえ・・・昨日ここを見つけたので、今日が初めてです。』
優しい笑顔に少しどきっとしながらも、なんとか答えた。
真剣に演奏を聞いてくれる男の子は滅多にいなかったからか、
男の人から向けられる笑顔に緊張している。
「ということは、新入生?」
『はい。』
「じゃあ、俺と一緒だ」
そういって彼は満開の笑顔を見せた。
視界がほんのり
桜色に染まったような気がした。
桜舞う春
入学してまだ1週間と経たないうちに見つけたお気に入りの場所へ
大切なバイオリンを抱えてやってきた。
暖かい日差しに、涼しくて心地よい風が吹く学校の屋上
季節はちょっと早すぎるけど、今日は大好きなエーデルワイスにしよう。
幼稚園の頃のお遊戯会で知ったサウンドオブミュージックに出てくるこの曲。
自分でも理由はよくわからないけど、初めて聞いた時から印象強く心に残っていた。
幼稚園の先生は、なぜか音だけで私たちに歌詞を覚えさせた。
しかも、全然意味がわからない言葉ばかり。
あとで友達と一緒に親たちに歌って見せたらまさかの英語の歌詞だった時は衝撃だった。
意味もわからず、ただ音だけで覚えてしまうあたり、小さい子の記憶能力ってすごいよね。
幼い頃から習っていたバイオリンは周りを笑顔にしてくれるから大好きだった。
もっとたくさんの人を笑顔にしたくて、褒めてもらうのが嬉しくて
自分の好きな音に包まれる感覚が好きで・・・
一生懸命練習していたら、
腕前はいつの間にちょっとしたコンテストで表彰されるくらいになっていた。
立海大付属中学に入学して2週間。
新入生が吹奏楽部に入部できるのは来週らしい。
♪~~
目を閉じてバイオリンを奏で始めた。
エーデルワイスの花言葉は「大切な思い出」「勇気」。
両親や兄、中学から離れ離れになった友達の笑顔が瞼の裏に浮かぶ。
♪~・・・
この季節は外で弾くのも心地よくていいな。
なんて思いながらゆっくりとバイオリンをおろした。
パチパチパチ
『!?』
自分以外誰もいないはずの屋上に拍手の音が響いた。
びっくりして目を開く。
「すごいきれいな音ですね」
目の前には綺麗なほほ笑みを浮かべた人が立っていた。
バイオリンを弾くことに夢中で、人が来ていたことに気づかなかったらしい。
『あ、ありがとう・・・ございます』
目の前にいる顔立ちの綺麗な人は、一瞬女の子かと思ったけど
よく見れば身を包んでいるのは男子制服。
「いつもここで弾いてるんですか?」
『あ、いえ・・・昨日ここを見つけたので、今日が初めてです。』
優しい笑顔に少しどきっとしながらも、なんとか答えた。
真剣に演奏を聞いてくれる男の子は滅多にいなかったからか、
男の人から向けられる笑顔に緊張している。
「ということは、新入生?」
『はい。』
「じゃあ、俺と一緒だ」
そういって彼は満開の笑顔を見せた。
視界がほんのり
桜色に染まったような気がした。