その3.5
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「それにしてもシュア、ほんっとキレイだよ!」
「しいな、それ言うの何回目?もう、いいってば」
「だってほんとなんだよ!」
「はいはい、分かったから」
身を乗り出してムキになっているしいなの隣で、ふふと可笑しそうに笑っているシュア。
それを、反対側の同じくシュアの隣で、ゼロスはちらりと盗み見た。
ルビナスの家、その庭で式の後に開かれたささやかなパーティ。
今ゼロスたちの囲んでいるテーブルは、当然のようにかつての旅の仲間が囲んでいた。
ゼロスの背後にある小屋では、いつもは屋敷で働いている料理人たちが忙しくパーティ用の調理に励んでいる。
「でもさ、ほんとによかったよ」
ふいに、隣から掛けられた声にはっとしてゼロスは首を戻した。
自分を挟んだシュアとは反対側の自分の隣には、この場に少し場違いの服を着たリーダーが座っている。
「シュアが旅立った時、お前の様子に俺、なにも声掛けらんなかったからさ」
「…ロイド」
辺りを見回すと、このテーブルを囲んでいる仲間たちはそれぞれに談笑を交わしている。
少しだけ声を潜めるように発してくれたロイドに、ゼロスはその配慮に甘えるように小さく返した。
「悪かったな。気ぃ、遣わせて」
「いや。でもさ、だからこうやって今ゼロスも、シュアも前みたいに笑ってて…ほんとによかったよ」
「ロイド」
「ん?」
「そりゃー、ちょっと違うな」
何がだよ?と疑問そうに視線を向けてくるロイドから一度視線を外し、シュアを見やる。
「それにしたって結婚とは驚いたよ。あのゼロスにそんな甲斐性がねー」
「しいな、それ本人に言うと拗ねるよ」
隣から聞こえてくる会話に聞こえてるよ、と心の中で返しながらゼロスはロイドに視線を戻した。
「前とは違うと思うぜ?少なくとも、もうあんな別れをすることは二度とねーよ」
「…ゼロス、それもしかしてのろけってやつか?」
「でっひゃっひゃ、羨ましーだろ?」
「前よりもっと幸せだって言いたいんだろ?ま、今日のお前見てれば分かるよ」
シュアもな。
そう言ったロイドが視線をシュアに向ける。
それにつられるようにして、ゼロスも再びシュアへと視線を向けた。
「あたしはあのアホにシュアが取られたようで悔しいけどね」
「あはは、そんな取られるなんて…」
「ま、あいつがシュアを泣かせるようなことがあったらあたしが承知しないよ」
「そうだねー、気を付けます」
肩を竦めて可笑しそうに笑うシュア。
そこで口を挟もうとして、
「あーでも、案外逆かもしれないね」
しいなの言葉に、ゼロスはすんでで言葉を飲みこんだ。
「え?なにそれ?」
「シュアあんた、もしかして気付いてないのかい?」
「?なにが?」
盗み聞いていることがばれない様身じろぎしてから、向けた視線の先でしいなが大きくため息を吐いた。
「これだから…。ほんとに気を付けるのはあいつの方だろね」
「だから、なにがってば!」
「シュア、ずっとあちこち飛び回って調査してるんだろ?町の人に話聞いたり」
「うん。それが?」
「あたしも任務であっちこっち行くから分かるんだけどさ、あんた結構どこ行っても人気者じゃないか」
「…え?」
どき、と心臓に何かが刺さった感覚がして、ゼロスは微かに眉根にしわを寄せた。
今ほど自分の聴覚をもどかしく思ったことがないと思いながら、ゼロスは一言一句聞き逃さないようさらに耳をそばだてる。
ロイドまではさすがに聞こえていないのか、隣でどうかしたのかと問いかけてくるロイドを手のひらで制止した。
「自分の町でも村でも親身になって聞いてくれて、なにか策があれば調べて持ってきてくれる、いいお嬢さんだってね。シュア元々器量もいいんだから、まあ当たり前っちゃ当たり前だね」
「…そんな、大げさな。しいなってほんといいこと言うの上手だよね」
「……」
「しいな?」
「あっきれたよ。あのねぇ、誰が今更シュアをおだてるのさ。信じられないなら聞いてごらんよ。どっちでもそっちでもシュアが嫁に来てくれたら嬉しいって村長やら町長やらばっかりさ」
そりゃあさすがに大げさだろと心の中で呟きながら、ゼロスはそれでも小さく頷いた。
「しいな、それ大げさに言ってるでしょ」
「…まぁ、さすがに言い過ぎたけどさ。けどほんとさ。こないだはどこだっけな、ハイマ辺りであんたの評判を聞いたのは確かだよ」
「…うーん、でも」
わたしは当たり前のことをしてるだけだし、と零したシュアに全く呆れながら、ついにゼロスはその口を開いた。
「ま、なんにしろ俺さまのシュアちゃんだからな」
突然会話に割り込んできたことに驚くシュアの肩を抱いて、ゼロスは続ける。
ふいに露出した肩に触れられた感触に、ドキリとしたシュアは少しだけ表情を強張らせた。
「どこのジジイが嫁スカウト出そうと、すでに人妻だってこと、言っとけよ?しいな」
ここまでの話を聞かれてたんだろうこと、そしてたった今のゼロスの言葉に頭に血が上った感覚がして、シュアは慌てて口を開く。
「ちょっと、ゼロス!みんなの前で恥ずかし…」
そこまで言って、はっとしてシュアは辺りを振り返った。
それぞれに談笑していたはずの仲間たちの視線が、自分たちに集中している。
そりゃあんだけ大きな声出せば、と隣でしいなが呆れたように肩を竦めた。
「恥ずかしいなんて言って、シュア、僕たちに見せつけてるんでしょ」
ジーニアスがそう言うと、
「どっちみち、今日は二人のそういう式なんじゃなくて?」
その隣でリフィルが呆れたように微笑んだ。
何も言えず、ますます熱くなる顔を意識して目一杯顔を俯かせる隣の妻を、ゼロスが見やる。
そしてそんなシュアの様子にふっと笑ってから、
「そーだ、お前らも、宣伝しとけよ?世界を駆け回る心優しー美人調査隊のシュアちゃんは、俺さまの奥さんだってな」
そう言ってシュアを抱く腕の力を、少しだけ強くした。
「ゼロス…!」
「なんだよ?事実だろー?」
「そっ、…知らない!」
周りのからかうような、それでも楽しそうな声を聴きながら、
ゼロスとシュアは、同じく心から楽しそうに、笑っていた。
「…ゼロスの馬鹿」
「わーるかったって」
「もっとわたしのこと信じてくれてもいいのに」
「…へ?」
「4千年間、誰にも恋をしなかったわたしが、どうして今こんな格好してるの?」
「…シュア…」
「特別だよ、ゼロスは。いつだって」
「しいな、それ言うの何回目?もう、いいってば」
「だってほんとなんだよ!」
「はいはい、分かったから」
身を乗り出してムキになっているしいなの隣で、ふふと可笑しそうに笑っているシュア。
それを、反対側の同じくシュアの隣で、ゼロスはちらりと盗み見た。
ルビナスの家、その庭で式の後に開かれたささやかなパーティ。
今ゼロスたちの囲んでいるテーブルは、当然のようにかつての旅の仲間が囲んでいた。
ゼロスの背後にある小屋では、いつもは屋敷で働いている料理人たちが忙しくパーティ用の調理に励んでいる。
「でもさ、ほんとによかったよ」
ふいに、隣から掛けられた声にはっとしてゼロスは首を戻した。
自分を挟んだシュアとは反対側の自分の隣には、この場に少し場違いの服を着たリーダーが座っている。
「シュアが旅立った時、お前の様子に俺、なにも声掛けらんなかったからさ」
「…ロイド」
辺りを見回すと、このテーブルを囲んでいる仲間たちはそれぞれに談笑を交わしている。
少しだけ声を潜めるように発してくれたロイドに、ゼロスはその配慮に甘えるように小さく返した。
「悪かったな。気ぃ、遣わせて」
「いや。でもさ、だからこうやって今ゼロスも、シュアも前みたいに笑ってて…ほんとによかったよ」
「ロイド」
「ん?」
「そりゃー、ちょっと違うな」
何がだよ?と疑問そうに視線を向けてくるロイドから一度視線を外し、シュアを見やる。
「それにしたって結婚とは驚いたよ。あのゼロスにそんな甲斐性がねー」
「しいな、それ本人に言うと拗ねるよ」
隣から聞こえてくる会話に聞こえてるよ、と心の中で返しながらゼロスはロイドに視線を戻した。
「前とは違うと思うぜ?少なくとも、もうあんな別れをすることは二度とねーよ」
「…ゼロス、それもしかしてのろけってやつか?」
「でっひゃっひゃ、羨ましーだろ?」
「前よりもっと幸せだって言いたいんだろ?ま、今日のお前見てれば分かるよ」
シュアもな。
そう言ったロイドが視線をシュアに向ける。
それにつられるようにして、ゼロスも再びシュアへと視線を向けた。
「あたしはあのアホにシュアが取られたようで悔しいけどね」
「あはは、そんな取られるなんて…」
「ま、あいつがシュアを泣かせるようなことがあったらあたしが承知しないよ」
「そうだねー、気を付けます」
肩を竦めて可笑しそうに笑うシュア。
そこで口を挟もうとして、
「あーでも、案外逆かもしれないね」
しいなの言葉に、ゼロスはすんでで言葉を飲みこんだ。
「え?なにそれ?」
「シュアあんた、もしかして気付いてないのかい?」
「?なにが?」
盗み聞いていることがばれない様身じろぎしてから、向けた視線の先でしいなが大きくため息を吐いた。
「これだから…。ほんとに気を付けるのはあいつの方だろね」
「だから、なにがってば!」
「シュア、ずっとあちこち飛び回って調査してるんだろ?町の人に話聞いたり」
「うん。それが?」
「あたしも任務であっちこっち行くから分かるんだけどさ、あんた結構どこ行っても人気者じゃないか」
「…え?」
どき、と心臓に何かが刺さった感覚がして、ゼロスは微かに眉根にしわを寄せた。
今ほど自分の聴覚をもどかしく思ったことがないと思いながら、ゼロスは一言一句聞き逃さないようさらに耳をそばだてる。
ロイドまではさすがに聞こえていないのか、隣でどうかしたのかと問いかけてくるロイドを手のひらで制止した。
「自分の町でも村でも親身になって聞いてくれて、なにか策があれば調べて持ってきてくれる、いいお嬢さんだってね。シュア元々器量もいいんだから、まあ当たり前っちゃ当たり前だね」
「…そんな、大げさな。しいなってほんといいこと言うの上手だよね」
「……」
「しいな?」
「あっきれたよ。あのねぇ、誰が今更シュアをおだてるのさ。信じられないなら聞いてごらんよ。どっちでもそっちでもシュアが嫁に来てくれたら嬉しいって村長やら町長やらばっかりさ」
そりゃあさすがに大げさだろと心の中で呟きながら、ゼロスはそれでも小さく頷いた。
「しいな、それ大げさに言ってるでしょ」
「…まぁ、さすがに言い過ぎたけどさ。けどほんとさ。こないだはどこだっけな、ハイマ辺りであんたの評判を聞いたのは確かだよ」
「…うーん、でも」
わたしは当たり前のことをしてるだけだし、と零したシュアに全く呆れながら、ついにゼロスはその口を開いた。
「ま、なんにしろ俺さまのシュアちゃんだからな」
突然会話に割り込んできたことに驚くシュアの肩を抱いて、ゼロスは続ける。
ふいに露出した肩に触れられた感触に、ドキリとしたシュアは少しだけ表情を強張らせた。
「どこのジジイが嫁スカウト出そうと、すでに人妻だってこと、言っとけよ?しいな」
ここまでの話を聞かれてたんだろうこと、そしてたった今のゼロスの言葉に頭に血が上った感覚がして、シュアは慌てて口を開く。
「ちょっと、ゼロス!みんなの前で恥ずかし…」
そこまで言って、はっとしてシュアは辺りを振り返った。
それぞれに談笑していたはずの仲間たちの視線が、自分たちに集中している。
そりゃあんだけ大きな声出せば、と隣でしいなが呆れたように肩を竦めた。
「恥ずかしいなんて言って、シュア、僕たちに見せつけてるんでしょ」
ジーニアスがそう言うと、
「どっちみち、今日は二人のそういう式なんじゃなくて?」
その隣でリフィルが呆れたように微笑んだ。
何も言えず、ますます熱くなる顔を意識して目一杯顔を俯かせる隣の妻を、ゼロスが見やる。
そしてそんなシュアの様子にふっと笑ってから、
「そーだ、お前らも、宣伝しとけよ?世界を駆け回る心優しー美人調査隊のシュアちゃんは、俺さまの奥さんだってな」
そう言ってシュアを抱く腕の力を、少しだけ強くした。
「ゼロス…!」
「なんだよ?事実だろー?」
「そっ、…知らない!」
周りのからかうような、それでも楽しそうな声を聴きながら、
ゼロスとシュアは、同じく心から楽しそうに、笑っていた。
「…ゼロスの馬鹿」
「わーるかったって」
「もっとわたしのこと信じてくれてもいいのに」
「…へ?」
「4千年間、誰にも恋をしなかったわたしが、どうして今こんな格好してるの?」
「…シュア…」
「特別だよ、ゼロスは。いつだって」
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