続・帽子がふたり
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「ふわぁー」
家への帰路、寝不足な所為で大きなあくびが出る。
寝不足なのはちょっとした理由があった。最近夜な夜なやってくる二人組の所為なのだ。
まぁ、なんだかんだでふたりに甘くしてしまう私が悪いのかもしれないけれど。
「ただいま。」
「おっ、帰ってきたなァ。」
「おかえり、ななし。」
そう、ちょうどこの帽子を被った二人みたいな……って
「なんでいるの⁉︎」
家に帰ると部屋にはジルとレイがいた。彼らに鍵を渡した覚えはないし、そもそも入っていいとも言っていない!
「何してるの、ここ私の家!マイホーム‼︎」
「そうだね、ななしの家だ。」
「鍵が開いてたんだぜェ、なあレイ?」
「そうだね、開けっ放しだった。一人暮らしのレディがそんなじゃ危ないよ。」
やってしまった。寝不足だったとはいえ、家の鍵を閉め忘れるなんて。家にいたのがジルとレイで本当に良かった。
って、いいや良くない。
「でも、だからって何で二人がここにいるの?昼間は出歩けないんじゃないの?」
「それがよォ、夜が明ける前に戻ろうとしたんだが、足止めくらっちまって……ななしの家が近くにあったんだよなァ……」
「勝手に入ってごめんね?」
なんだこの二人、急にシュンとしだしたぞ。心なしかレイのウサ耳とジルの尻尾が悲しそうに垂れている気がする。
そんな反応されては、文句も何も言えないじゃないか。
「……別に怒ってないよ。鍵を開けっ放しにしてた私も悪いと言えば悪いし。」
「ななし……」
嗚呼、また二人に甘くしてしまった……
「なアななし、こうして日も沈んだわけだア、またオレ達と出掛けようぜエェ?デート&デートだ。」
「だからそれデートじゃないし。」
「オレ達危うく灰になるところだったし、お礼させて欲しいな。」
二人にじっと見つめられる。こうなってはもう向こうのペースである。
「……い、いいよ。でも日付が変わるまでには帰らせてね?」
「そうこねエとなアァ、なあレイ?」
「そうだね、ジル。本当にそうだ。」
首を縦に振ると二人が嬉しそうにする。そんな二人を見てこっちまで嬉しくなるあたり、私はいろいろと手遅れかもしれない……
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