天使は眠る
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※夢主の容姿に関する描写がありますので注意!
「ななし……?」
リヒトがさきほどまで隣で話をしていた彼の幼馴染みの名前を呼ぶ。彼女はリヒトの肩にもたれ掛かって眠ってしまっていた。
「あれ、リアル天使ちゃん寝ちゃったんスか?」
「ななしが起きるだろ、黙れクズネズミ」
ななしの顔を覗きこもうとすると、案の定リヒトに追い払われてしまった。相変わらずリヒトはななしに対して過保護というか、独占欲が強いというか……
リヒトがななしをベッドへ運ぼうと抱き上げると、彼女の金髪がサラリと揺れる。星の流れるような金髪に空を映し出したような碧眼、整った顔立ちをしたななしは、さながらリアル天使といったところである。リヒトが彼女を大事にするのも、当然といえば当然かもしれない。
リヒトがベッドの上に寝かせられたななしの頬をそっと撫でる。おそらく、無意識に。リヒトのななしに注ぐ熱を帯びた視線は、ただの幼馴染みに注ぐそれとは明らかに違っていた。
「リヒトー、リアル天使ちゃん襲っちゃダメっスからね。」
遠くから声をかけると、リヒトはハッとしたように手を引っ込める。
「うるせえ、誰がそんな事するか。」
「本当っスかねぇ」
「ななしを傷つけるような事は、しねえし、させねえよ。」
「ならいいっスけど。」
傷つけるような事はしないし、させない。
それはリヒトが自身に言い聞かせてるようにも聞こえた。
「いっそリヒたん、ななしに告ったらどうっスか?天使カップルの誕生!!」
「しねえよ。だいたい、ななしは俺の事、兄妹ぐらいにしか思ってねえよ。」
※
「リヒト......?」
ななしがソファーの上で眠っている彼女の幼馴染みの名前を呼ぶ。どうやらリヒトより先にななしが目を覚ましたようだ。
「私、ベッドとっちゃったのね……」
そう言うと彼女はソファーの横にしゃがみこみ、リヒトの寝顔を眺める。ななしのリヒトに注ぐうっとりとした視線は、ただの幼馴染みに注ぐそれとは明らかに違っていた。
「リヒト、やっぱりカッコいいな……」
「それ、本人に直接言ってあげたらどうっスか?」
「ろ、ロウレス!?」
後ろから声をかけると、ななしは大袈裟なほどに驚いて顔を真っ赤にする。
「もう、言えるわけないでしょ!」
「えー、リヒたん喜ぶと思うんスけどね。」
「そうかなぁ......」
ななしは俯き気味に呟いた。
「だいたい、リヒトは私の事、兄妹ぐらいにしか思ってないよ。そんな事言われても嬉しくないって。」
天使カップルの誕生は、まだまだ先になりそうである。
次ページあとがきです→
「ななし……?」
リヒトがさきほどまで隣で話をしていた彼の幼馴染みの名前を呼ぶ。彼女はリヒトの肩にもたれ掛かって眠ってしまっていた。
「あれ、リアル天使ちゃん寝ちゃったんスか?」
「ななしが起きるだろ、黙れクズネズミ」
ななしの顔を覗きこもうとすると、案の定リヒトに追い払われてしまった。相変わらずリヒトはななしに対して過保護というか、独占欲が強いというか……
リヒトがななしをベッドへ運ぼうと抱き上げると、彼女の金髪がサラリと揺れる。星の流れるような金髪に空を映し出したような碧眼、整った顔立ちをしたななしは、さながらリアル天使といったところである。リヒトが彼女を大事にするのも、当然といえば当然かもしれない。
リヒトがベッドの上に寝かせられたななしの頬をそっと撫でる。おそらく、無意識に。リヒトのななしに注ぐ熱を帯びた視線は、ただの幼馴染みに注ぐそれとは明らかに違っていた。
「リヒトー、リアル天使ちゃん襲っちゃダメっスからね。」
遠くから声をかけると、リヒトはハッとしたように手を引っ込める。
「うるせえ、誰がそんな事するか。」
「本当っスかねぇ」
「ななしを傷つけるような事は、しねえし、させねえよ。」
「ならいいっスけど。」
傷つけるような事はしないし、させない。
それはリヒトが自身に言い聞かせてるようにも聞こえた。
「いっそリヒたん、ななしに告ったらどうっスか?天使カップルの誕生!!」
「しねえよ。だいたい、ななしは俺の事、兄妹ぐらいにしか思ってねえよ。」
※
「リヒト......?」
ななしがソファーの上で眠っている彼女の幼馴染みの名前を呼ぶ。どうやらリヒトより先にななしが目を覚ましたようだ。
「私、ベッドとっちゃったのね……」
そう言うと彼女はソファーの横にしゃがみこみ、リヒトの寝顔を眺める。ななしのリヒトに注ぐうっとりとした視線は、ただの幼馴染みに注ぐそれとは明らかに違っていた。
「リヒト、やっぱりカッコいいな……」
「それ、本人に直接言ってあげたらどうっスか?」
「ろ、ロウレス!?」
後ろから声をかけると、ななしは大袈裟なほどに驚いて顔を真っ赤にする。
「もう、言えるわけないでしょ!」
「えー、リヒたん喜ぶと思うんスけどね。」
「そうかなぁ......」
ななしは俯き気味に呟いた。
「だいたい、リヒトは私の事、兄妹ぐらいにしか思ってないよ。そんな事言われても嬉しくないって。」
天使カップルの誕生は、まだまだ先になりそうである。
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