アッサムのキモチ
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「普通骨董屋って紅茶も扱うものなの?」
「さぁ?そもそもここ、普通の骨董屋じゃないし。」
「それにこの紅茶、凄く高い……」
「海外から取り寄せたからね。味は保証するよ。」
それを聞いたななしは、口ではふーんと興味なさげな反応をする。だが、彼女の目は紅茶に釘付けであった。
「良かったら飲む?」
「いいの⁉」
御国の言葉にすかさず反応してしまったのが恥ずかしかったのか、ななしはわざとらしく一度咳をした。
「でもこれ売り物でしょ?私お金払えないわよ。悪いし、いいわよ。」
「いいのいいの。というか、俺も飲みたいし。口実になってよ。」
それを聞いたななしは顔を綻ばせる。御国は、つられて頬が緩むのを自覚せざるを得なかった。
「やっぱり、美味しい紅茶ならストレートがいいのかしら?」
紅茶を淹れる準備をする御国を手伝いながらななしはそう尋ねた。紅茶がよほど楽しみなのか、その声は少し楽しげである。
「うーん、アッサムティーだからストレートでもコクがあっていいけど、やっぱりおすすめは濃いめに淹れてミルクティーかな。」
「ミルクティー?」
ななしは意外そうにパチパチ目を瞬く。
「どうかした?」
「いや、御国ってミルクティーとか飲むんだなって。」
いまひとつななしが何を言いたいのかがわからない様子の御国に、ななしは言葉を続ける。
「だってミルクティーって、ちょっと子供っぽいでしょ?」
「えぇ?そんなことないだろ。」
ななしの話を聞いて、御国は不服そうに眉間に皺を寄せた。
「それじゃあこの紅茶も、御国がお気に入りのミルクティーにして貰える?」
「ハイハイ、わかったよ。」
ななしが悪びれもせずそう頼むので、御国は仕方なく用意を始める。彼は手際良く、しかし手間のかかる淹れ方で紅茶を淹れた。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう!」
ミルクティーを子供ぽいと言いながらも、御国が出したそれを受け取るななしの顔は嬉しそうだ。
「あ、御国お砂糖いる?甘い方が飲みやすいんじゃない?」
「それ、まさか子供扱い?」
「だって、御国はミルクティーが好きな子供でしょ?」
そう言ってクスリと笑うななしに、御国は仕返しのようにくちづけをした。
「み、御国⁉︎」
「うん。これが十分甘いから砂糖はいいよ。」
ななしの頬が一気に赤くなる。だがそれで許すほど御国は甘くなかった。
「あー、でもやっぱり俺って子供だからもっと甘くないとなぁ。だから--」
もう一口、ね。
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