魔道少女と風邪ひき剣士

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早朝、デデデ城##NAME1##達の部屋、一室―


―チュン……チュンチュン…―


マター「ん……朝か」


小鳥たちの鳴き声と朝日で、ダークマターは目を覚ました。


マター「…頭痛い」


彼はそう言いながら左手でこめかみの部分を押さえた。


マター「えー…っと、確か昨日はガスにガング、それとタゴと一緒にサモの所で飲んで、夜中に雨降りだして、
     そん中を傘ささずに帰ったはずだよな…二日酔いか?」


彼はそうブツブツ言いながらベットから降りて、ふらふらと浮遊しながら居間に向かう。
 これを見る限りだと、彼の予測通り、二日酔いかもしれない。


『あら、マターおはよう…って、どうしたの?ちょっと顔が赤いわよ?』


居間には##NAME1##しかおらず、他の面々は出払っていた。

マター「……昨日酒飲んだからな、二日酔いで頭痛ぇ…」

『ただでさえお酒弱いのに、無理するからよ…?』


彼はそう言いながら、テーブルに座って置かれていた、
 ワドルディ達が早朝に作って、届けてくれたであろうトーストをかじった。
  彼は、頭痛のせいだろうか、あまり食欲がわかず、いつも2枚食べているはずが、今日は1枚しか食べなかった。


―カタン…―


マター「…ごちそーさん」

『あら?珍しいわね、1枚だけだなんて』

マター「頭痛のせいだろうな、食欲がわかん…」

『……マター、ちょっとこっち向いて』

マター「…何だ?」


―ペタッ―


マター「…!?!?Σ(///д///)」



マターが振り向いたとたん、すかさず##NAME1##は手を彼の額にあてた。


『あ、やっぱり熱っぽい!
  二日酔いじゃなくて風邪よ!?』

マター「そ…そうなのか?(か…顔が近い///!!)」

『今日は仕事は休んで、ヤブイの所に行きましょ?』

マター「い…いや、別にヤブイに診せなくてもいいだろ?軽いもんだったらねてればなお…」


―フラァ…―

 ―バターン!―


『!!…マター、どうしたの!?しっかりして、マター!…マタァー!!』



突然彼が倒れ、どこぞのアクションゲームのような##NAME1##の叫びが、城内中に響き渡った。
 この後、彼女の声を聞いた城の住人が駆けつけて、ちょっとした騒ぎになった。

その後、兵士達がヤブイを連れてきて、
 ヤブイが彼に”今日一日絶対安静”の烙印を押したのは、言うまでもない。

パ「…じゃあ、僕達はこれで失礼するよ?」

メタ「##NAME1##、何かあったらすぐに知らせるんだぞ?」

『はい、パーム大臣、メタナイト卿、皆さんもわざわざありがとうございました』

ソド「いえ…」

ブレ「これくらい、なんともありません」

フ「お大事に…」


彼を寝室に運んだ後、大臣一家達は戻って行った。


マター「…う」

『あ、マター!起きた?』

マター「…ここは?」


それからしばらくして、マターは目を覚まし、ベットから身を起こした。
 彼の額には氷嚢が落ちないようにぐるぐると布で巻きつけられていた。


『貴方の部屋よ?貴方が倒れた後、大臣一家や卿達が来てくれて、
  ヤブイの所まで運んで、それでついさっき戻ってきたところ』

マター「あぁ~…そういえばそうだった、俺倒れたんだったな…ようやく思い出した」

『案の定風邪ですって、今日は絶対安静にするようにって、ヤブイが言っていたわ』

マター「…そうか」


そう言って彼は窓からの景色を見た。
 外はもう日が高く上がっていて、そろそろお昼時ごろだろう、
  庭に植えてある木々も、青々と生い茂り、花壇の花々はすでに向日葵が高く伸び始めていた。


マター「…そういえば、ゼロ様達は?」

『今日は孤児院に泊まり込みで、明日まで帰ってこないわよ?本当なら、私も行かなきゃならなかったんだけど
  …マターがこの状態じゃあ、一人はここにいなくちゃいけないもの』

マター「…すまん」

『マターが謝ることないわよ。ひいちゃったものは仕方ないわ。
  それに夏にもう一回あるでしょう?』

マター「確かにそうだが…」

『ね?…あら、もうこんな時間!お昼どうする?食べる?』

マター「…食べる。腹減った」

『じゃあお粥作ってくるわね?』

マター「無難に白がゆな…?塩と砂糖を間違えるなよ?あと、余計なものも入れるな」

『ちょ…!どっかのドジっ子でもないし、カワサキでもないんだから、
  そこまで言う必要ないと思うわよ?…わかったわ、白がゆね?』

マター「…ん」


ちょっと待ってて、と##NAME1##はそう言って部屋を後にした。
 言わずもがな、彼女は味音痴だ、彼女の作ったたいていの料理は、
  彼女を除いてカービィくらいしか完食できない代物だったりする。
   彼でさえ、その料理を残してしまったぐらいだ。

ダークマターは彼女が部屋から出た後、再びベットに横になった。

『さてと、白がゆの材料あったかしら?確かお米とお塩とお水だけだったわよね…?』


一方、マターの部屋から出てきた##NAME1##は、早速白がゆ作りに取り掛かった。が、―


『あ、お米が無い…しょうがない、買いに行くか』


台所で材料を探したが、肝心の米を切らしていたのに気付いた##NAME1##は、部屋の近くにたワドルディに、マターと部屋の留守を任せ、村へと向かった。


タゴ「いらっしゃ~…って##NAME1##さん!?」


旅団のメンバー達と再会してからは、買い出しはリアとミラの仕事となっていたので、
 久しく来ていなかった##NAME1##が来て、タゴは一瞬びっくりした。

 実を言うと##NAME1##は、
  ”20代~30代独身男性がお嫁さんにしたいなと思う女性ベスト10”の
   上位にランクインしていて、タゴも彼女にほのかな思いを寄せているのだ。

ちなみに、マターと酒をのみに行った昨日、好みの女性の話になって、「##NAME1##さーん!」と 声を上げてマジ泣きしたのは、ここだけの話だ。


『こんにちはタゴさん、あの…お米ってありますか?』

タゴ「お米?…あぁ、そういえば今朝ドクターヤブイが呼び出されてましたね?
    やっぱり季節外れの風邪ですか?」

『ええ、ご察しの通りです。今日一日は絶対安静だと、ドクター・ヤブイからも言われてるんです』

タゴ「やっぱりなぁ~、昨日あいつ、雨の中傘ささずに帰ったもんだから、
    風邪引かなきゃいいけどなーってあいつと別れた後、ガス達と話してたんですよ」

『まぁ、そうだったんですか!?』


##NAME1##は、昨日彼がタゴ達とのみに行ったのは知ってはいたが、
 なにぶん雨が降り始めたのが、彼女が寝た後だったので、
  雨が降っていたとは気付かなかったのだ。


タゴ「でも、本当にマターのやつが羨ましいですよ…」

『え…?』


タゴはそう言いながら、レジを離れて、
 商品棚から、1㎏のお米が入った袋を持ってきた。


タゴ「だって、##NAME1##さんみたいな素敵な方に面倒を見てもらえるんですから…」


タゴは、レジのカウンターに袋を置いて、##NAME1##をじっと見た。


『そんなことありませんよ?私掃除洗濯はできますけど、料理は全然なんですよ?
  顔だって、ぶっちゃけフームとかの方が、かわいいと思いますし…』


しかし、##NAME1##の返事に彼はガクッとずっこけた。


タゴ「そんなことありませんよ~、”##NAME1##さんとお近づきになりたい”って人、けっこう多いんですよ?」

『またまた~、ほめても何も出ませんよ?』

タゴ「いや、ほんとなんですって~」


いったいどこの主婦の会話なのだろうか…
それから十数分は、このやり取りが続かれた。

『…あ、そろそろ行かないと、それではタゴさん、また彼と飲みに行ってあげてくださいね?』

タゴ「もちろんですよ!あいつにも”治ったらまた飲みに行こうな!”って伝えてやってください」

『はい!』


##NAME1##はそう答えて、コンビニを後にした。


カワ「あれ?##NAME1##ー?」


店を出ると、コックカワサキと出くわした。


『あら、カワサキ!カワサキも買い出し?』

カワ「うん!##NAME1##もー?」

『ええ、ちょっと白がゆを作るから、材料のお米を買いに来たのよ?』

カワ「白がゆ?誰か風邪ひいたのかい?」

『ええ、マターが…』

カワ「へぇー…あ、ならちょっと待っててよ~!」


そう言ってコンビニに入ったかと思ったらすぐに出てきた。買ったものなのか、ワインボトルくらいの大きさの茶色い瓶を抱えてきた。


カワ「これ俺からの選別、よかったらこれで、たまご酒でも作ってやりなよ~」

『たまご酒…ですか?』

カワ「うん、レシピ教えようか?」

『ありがとうございます!助かります』

カワ「いいよー!お大事にねー」


##NAME1##は、お米と日本酒とたまご酒のレシピ(byカワサキ)の書かれた紙をもって城に戻って、すぐに白がゆ作りに取り掛かった。


数十分後、―


―コンコン…―


『マター、入るわよ?』


―ガチャ…―


『寝てる…、あら?氷嚢の氷もう解けてる…』



##NAME1##は、持っていたトレーを近くのテーブルに置き、彼の額に乗っけてあった氷嚢を外し、底の部分に手を添えた。

『…凍てつけ、アイス!』


―パキパキ…―


『ふぅ、これくらいでいいかな?』


再び彼の額に、魔法で一部の水が凍った氷嚢を乗っけた。


マター「ん…」

『あ、起きた?お粥できたわよ?』

マター「………ん」


彼はもぞりとベットから身を起こした。
 ##NAME1##は、その間にトレーを近くまで持ってきた。
  彼の目は若干集点が定まっておらず、半分寝ているようにも見える。


『はい、あーん』

マター「!?Σ(///д///)」



しかし、##NAME1##の言葉と行動で一気に覚醒した。


マター「いいいいいや!そそそ…それぐらいは、自分で食べれる!」

『いいの、いいの!ほら、あーん!』

マター「~っ!あ、あ~…///」


この時の白がゆの味が全く分からなかったと、後の彼は語っている。

マター「……ごちそうさまでした///」

『はい、お粗末さまでした!あ、そうそうマター!貴方に伝言よ?』

マター「伝言?」

『タゴさんから”また一緒に飲みに行こうな!”ですって!』

マター「……そうか」


昔はこういった飲み仲間がいなかった彼にとって、とてもうれしいことだった。


『あ、お酒で思い出したわ!そういえば帰りにカワサキにあって、よかったらたまご酒でも作ってやってくれって、お酒を貰ったのよ?たまご酒、飲む?』

マター「…レシピ知ってるのか?」

『カワサキから教えてもらったわ!たぶん大丈夫』

マター「たぶんかよ…、まぁ……物は試しだ、飲んでみるか」

『わかったわ、じゃあちょっと待ってて』


##NAME1##はそう言って再び部屋を後にした。
 数分後―


『お待たせー!出来たわよ?』


そうして出されたのは、彼専用のカップに入れられた、白っぽい黄色い液体だった。


マター「…ほんとに大丈夫なのか?」

『物は試し…でしょ?さ、どうぞ』

マター「…いただきます」


マターはそう言ってたまご酒?を一気に飲み干した。


マター「……………………」

『…どう?』


カップを近くに置いてあったトレーに置き、沈黙するマター。

マター「まぁ…いけるっちゃ、いける」

『そっか!よかったぁ』

マター「…##NAME1##」

『…?何?』


##NAME1##は首をかしげながら彼に近づいた。
 次の瞬間、―


―グイッ!―


『!?』


―ぽすん!―



突然彼に引っ張られ、ベットの中に引き込まれた。


マター「##NAME1##………」

『ちょっと、マター…?!』


しばらく見つめあうが、彼は無言で##NAME1##にキスをした。
 キスは次第に深くなり、舌で唇を割って口内に侵入してきた。


マター「ん……」

『んぅ……ふぁ…ん……』


次第に息が苦しくなったのか、彼女はマターの肩を叩いた、するとすぐに唇が離れて行った。


『はぁ……は…この匂い……ニホン酒じゃ、ない?…それよりも強いお酒?』

マター「##NAME1##…」


―ぎゅ…―


『!!』


名前を呼ばれたかと思ったら、抱きしめられた##NAME1##。


『!?…マター?』


恐る恐る彼の名を呼ぶ。
 彼は無言のまましばらくそうしていたが、―

マター「##NAME1##……好きだ、愛してる…銀河中の、誰よりも………」

『!!』

マター「…スゥー」


そう呟いた後、そのまま彼は眠ってしまった。
 顔は見えないが、##NAME1##はマターをじっと見た。


『”好きだ”…かぁ……あの時も、あなたはそう言ってくれたわね…?
  あの時の言葉もそうだったけど、貴方が言った言葉は、他の誰かの言葉よりも暖かかったわ…』

マター「Zzz…」

『クスッ…マター、私も…貴方の事が……大好きよ…?』


そう##NAME1##はほほ笑み、マターの唇に自分のを重ね、眠りに就いた。
 あたりはもう夕暮れ時だった。

その後、起きたマターが彼女の前で土下座していたのはまた別のお話…


おまけ→
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