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つややかで真っ赤な実が机上に鎮座している。
それを見つめる赤いマントを纏う男、ドロッチェの表情はひどく険しい。
「……食わなきゃ駄目?」
そう問う声は掠れている。
相向かいに座るカービィはニコニコしながら「だめ」と答えた。
「スタアラ参戦するならこれ食べられなきゃ」
「トマト好きじゃないんだよなぁ……」
「ただのトマトじゃないよ、マキシムトマト」
「一緒だろ……」
彼はトマトを好まない。
特に生のそれが大の苦手だという。
しかし、カービィたちと冒険するには、マキシムトマトが必須である。
食べられるようになろうとチャレンジしている……いや、それ以前の問題だ。
かれこれ1時間はトマトと睨めっこをしている。
挙句の果てには「オレは強いからトマト食べなくても大丈夫大丈夫」と現実逃避を始めた。
一方向かいで見守るカービィは、今にもよだれが垂れてしまいそうだ。
「そんなに食べたいならキミが食べてもいいんだぞ?」
「それじゃ意味ないからね、何の為に今こうしてるの?」
「大丈夫、オレ強いからトマトが無くても……」
「……ボク、ドロッチェの体力が減るの心配だなぁ……?
回復できないともっと心配だなぁ……?
それに、ボクのこと守ってくれるんだよね……?」
きゅるん、と今にも効果音が出そうな表情で上目遣いをすれば、流石のドロッチェも適わない。
「ホンット、自分の可愛さを正しく理解してるよなぁ……」
可愛いカービィにそこまで言われれば仕方ないな、と意を決して、遂にトマトに齧り付く!
「さすがドロッチェ!素敵!イケメン!」
そしてその勢いのまま飲み込む!
「噛んでぇぇぇ!!」
案の定酷く噎せた彼の背を叩く。
回復アイテムのはずが、むしろ彼の体力を奪っていた。
「む、り……もうダメだオレはカービィを守れないんだ……」
「そりゃ噛まずに飲み込めば食べられるものも食べられないよ!」
涙目で撃沈するドロッチェの背中を、ひたすら撫で続けていた。
「他に回復の手段とかないのか……?」
なんとか生還を果たしたドロッチェ(ただし顔色が悪い)に問われ、「うーん……」と小さく唸るカービィ。
トマトでなくても回復はできるが、やはり全回復できるトマトが望ましい。
「口移しって手もあるけど、結局トマトには変わりないしなぁ……」
「口移しなら行ける気がするぞ!」
「……それちゅーしたいだけじゃないの?」
「いやいや練習だから、断じて疚しいことは考えてないから」
何となく釈然といかない気もしたけど、練習の一環になるならと、かぷりとトマトを齧り、そのまま飲み込みたくなる衝動を堪えて彼の方へ向いた。
「ん」
そう促しても、彼は動こうとしない。
まじまじとカービィの顔を見ているだけだ。
トマトが嫌で動けない、という訳ではなさそうだ。
むしろ表情は明るく見える。
「……ろしたろ?」
「いや、キス待ちみたいで可愛いなって」
「何を言って……!」と言いかけたところで、彼は口付けた。
驚きつつもさすがいつも戦場で渡しているだけあって、難なくトマトを渡す。
「……ぐっ」
顔を顰めながらもきちんと何度か咀嚼し、コクンと飲み込んだ。
「よかった、ちゃんと食べられ……」
ホッとしたのも束の間、離れた唇がまた重なる。
「っ!ドロッ……!?」
そのままグッと抱き寄せ、ジタバタするカービィを押さえて、更に深く。
トマトの甘さより甘い口付けに、熟した果実のようにとろけそうになる。
やっと離れたときには、カービィはもうヘロヘロになってしまっていた。
「おやおや?
トマト食べたのに回復していないみたいだな?」
「誰のせいだと……!」
「もう1回やるか?」
「やらない!
ていうかそこまでしなくていいの!」
「よし決めた、トマトの時は全部カービィから貰おう」
「ちょっ……!ボクがもたないから!」
「回復もできて御褒美もあって一石二鳥だと思うがな」
「御褒美って何?」
「トマト食べられた御褒美?」
「子どもじゃないんだから……」
「子ども、ねぇ……まぁいいけど。
それに御褒美はもちろん」
「頑張ってくれたカービィにも、な?」と続ける。
金の瞳に真っ直ぐに見つめられて、カービィの顔が更に熱くなった。
「……いっぱいちょうだいね?」
トマトよりも彼のマントよりも、一番真っ赤なのはカービィでしたとさ。
それを見つめる赤いマントを纏う男、ドロッチェの表情はひどく険しい。
「……食わなきゃ駄目?」
そう問う声は掠れている。
相向かいに座るカービィはニコニコしながら「だめ」と答えた。
「スタアラ参戦するならこれ食べられなきゃ」
「トマト好きじゃないんだよなぁ……」
「ただのトマトじゃないよ、マキシムトマト」
「一緒だろ……」
彼はトマトを好まない。
特に生のそれが大の苦手だという。
しかし、カービィたちと冒険するには、マキシムトマトが必須である。
食べられるようになろうとチャレンジしている……いや、それ以前の問題だ。
かれこれ1時間はトマトと睨めっこをしている。
挙句の果てには「オレは強いからトマト食べなくても大丈夫大丈夫」と現実逃避を始めた。
一方向かいで見守るカービィは、今にもよだれが垂れてしまいそうだ。
「そんなに食べたいならキミが食べてもいいんだぞ?」
「それじゃ意味ないからね、何の為に今こうしてるの?」
「大丈夫、オレ強いからトマトが無くても……」
「……ボク、ドロッチェの体力が減るの心配だなぁ……?
回復できないともっと心配だなぁ……?
それに、ボクのこと守ってくれるんだよね……?」
きゅるん、と今にも効果音が出そうな表情で上目遣いをすれば、流石のドロッチェも適わない。
「ホンット、自分の可愛さを正しく理解してるよなぁ……」
可愛いカービィにそこまで言われれば仕方ないな、と意を決して、遂にトマトに齧り付く!
「さすがドロッチェ!素敵!イケメン!」
そしてその勢いのまま飲み込む!
「噛んでぇぇぇ!!」
案の定酷く噎せた彼の背を叩く。
回復アイテムのはずが、むしろ彼の体力を奪っていた。
「む、り……もうダメだオレはカービィを守れないんだ……」
「そりゃ噛まずに飲み込めば食べられるものも食べられないよ!」
涙目で撃沈するドロッチェの背中を、ひたすら撫で続けていた。
「他に回復の手段とかないのか……?」
なんとか生還を果たしたドロッチェ(ただし顔色が悪い)に問われ、「うーん……」と小さく唸るカービィ。
トマトでなくても回復はできるが、やはり全回復できるトマトが望ましい。
「口移しって手もあるけど、結局トマトには変わりないしなぁ……」
「口移しなら行ける気がするぞ!」
「……それちゅーしたいだけじゃないの?」
「いやいや練習だから、断じて疚しいことは考えてないから」
何となく釈然といかない気もしたけど、練習の一環になるならと、かぷりとトマトを齧り、そのまま飲み込みたくなる衝動を堪えて彼の方へ向いた。
「ん」
そう促しても、彼は動こうとしない。
まじまじとカービィの顔を見ているだけだ。
トマトが嫌で動けない、という訳ではなさそうだ。
むしろ表情は明るく見える。
「……ろしたろ?」
「いや、キス待ちみたいで可愛いなって」
「何を言って……!」と言いかけたところで、彼は口付けた。
驚きつつもさすがいつも戦場で渡しているだけあって、難なくトマトを渡す。
「……ぐっ」
顔を顰めながらもきちんと何度か咀嚼し、コクンと飲み込んだ。
「よかった、ちゃんと食べられ……」
ホッとしたのも束の間、離れた唇がまた重なる。
「っ!ドロッ……!?」
そのままグッと抱き寄せ、ジタバタするカービィを押さえて、更に深く。
トマトの甘さより甘い口付けに、熟した果実のようにとろけそうになる。
やっと離れたときには、カービィはもうヘロヘロになってしまっていた。
「おやおや?
トマト食べたのに回復していないみたいだな?」
「誰のせいだと……!」
「もう1回やるか?」
「やらない!
ていうかそこまでしなくていいの!」
「よし決めた、トマトの時は全部カービィから貰おう」
「ちょっ……!ボクがもたないから!」
「回復もできて御褒美もあって一石二鳥だと思うがな」
「御褒美って何?」
「トマト食べられた御褒美?」
「子どもじゃないんだから……」
「子ども、ねぇ……まぁいいけど。
それに御褒美はもちろん」
「頑張ってくれたカービィにも、な?」と続ける。
金の瞳に真っ直ぐに見つめられて、カービィの顔が更に熱くなった。
「……いっぱいちょうだいね?」
トマトよりも彼のマントよりも、一番真っ赤なのはカービィでしたとさ。