Xまとめ
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※本来夜行列車がなさそうな世界観なので、半ば無理矢理捩じ込んでます笑
ガタンガタン、と列車が揺れる。
くたびれた身体には酷く響く。
今日……いや、もう昨日になるか。
俺は出張でププビレッジから離れた国へ行っていた。
普段はマルク殿に帰り用の転移魔法をかけておいてもらえるが、生憎留守だったようで……というか、十中八九サボりだろうな。
アレにはサボり癖がついていて、部署が違うとはいえ俺達もほとほと手を焼いている。
あの魔力は貴重だし、陛下が重宝するのは理解できるが……。
そういうわけで、今回は珍しく自力で移動するしかなかった。
夜行列車なんて久々だ。
宿をとって朝まであっちで過ごしてもよかったんだが。
……というか、そもそもはそれを想定したスケジュールのはずだった。
現に解放されたのも、夜行列車にギリギリ間に合うくらいの時間だったしな。
長時間の会議のあとの全力ダッシュはさすがに堪えた。
そもそも堅苦しい会議は俺の性に合わない。
卿の代理だからこんなに光栄なことは無いが、正直合わないものは合わない。
普段の訓練よりもよっぽど精神的に疲れるし、実際こんなにもクタクタだ。
本来は休息をとって、体調を万全に整えてから行動するべきだろう。
それでも俺は、この夜行列車に乗っていた。
身体に鞭を打って、駅まで走って。
全く合理的な行動ではない。
自分でも不思議なくらいだ。
実はアイツにも連絡してない。
予定通り、明日の朝にあっちを出発すると思っているだろうな。
驚いた顔が今から想像できる。
きっと「無理するな」って怒られるだろう。
何よりも俺の身体や安全に気を配ってくれる人だから。
でも最終的には「仕方ないな」って笑って受け入れてくれるということもわかっている。
何よりも俺自身が、少しでも早く帰ってお前の顔を見たかった。
……アイツといると、疲れも不思議と消えるしな。
だからもっと速く走れ、夜行列車よ。
当然無理だとはわかってはいる。
それでもこんな、馬鹿みたいなことを望んでしまう程度には早くアイツに会いたいらしい。
「……俺も大概病気だな」
まったく人のことを言えたものじゃない。
目を閉じると、優しい彼の笑みがまぶたに浮かぶ。
それだけで少し疲労が軽くなる気がした。
「少しだけ寝てしまおう」
きっとその方が早く着くだろうから。
規則的な音をどこか遠くにききながら、緩やかな闇に身を委ねた。
ガタンガタン、と列車が揺れる。
くたびれた身体には酷く響く。
今日……いや、もう昨日になるか。
俺は出張でププビレッジから離れた国へ行っていた。
普段はマルク殿に帰り用の転移魔法をかけておいてもらえるが、生憎留守だったようで……というか、十中八九サボりだろうな。
アレにはサボり癖がついていて、部署が違うとはいえ俺達もほとほと手を焼いている。
あの魔力は貴重だし、陛下が重宝するのは理解できるが……。
そういうわけで、今回は珍しく自力で移動するしかなかった。
夜行列車なんて久々だ。
宿をとって朝まであっちで過ごしてもよかったんだが。
……というか、そもそもはそれを想定したスケジュールのはずだった。
現に解放されたのも、夜行列車にギリギリ間に合うくらいの時間だったしな。
長時間の会議のあとの全力ダッシュはさすがに堪えた。
そもそも堅苦しい会議は俺の性に合わない。
卿の代理だからこんなに光栄なことは無いが、正直合わないものは合わない。
普段の訓練よりもよっぽど精神的に疲れるし、実際こんなにもクタクタだ。
本来は休息をとって、体調を万全に整えてから行動するべきだろう。
それでも俺は、この夜行列車に乗っていた。
身体に鞭を打って、駅まで走って。
全く合理的な行動ではない。
自分でも不思議なくらいだ。
実はアイツにも連絡してない。
予定通り、明日の朝にあっちを出発すると思っているだろうな。
驚いた顔が今から想像できる。
きっと「無理するな」って怒られるだろう。
何よりも俺の身体や安全に気を配ってくれる人だから。
でも最終的には「仕方ないな」って笑って受け入れてくれるということもわかっている。
何よりも俺自身が、少しでも早く帰ってお前の顔を見たかった。
……アイツといると、疲れも不思議と消えるしな。
だからもっと速く走れ、夜行列車よ。
当然無理だとはわかってはいる。
それでもこんな、馬鹿みたいなことを望んでしまう程度には早くアイツに会いたいらしい。
「……俺も大概病気だな」
まったく人のことを言えたものじゃない。
目を閉じると、優しい彼の笑みがまぶたに浮かぶ。
それだけで少し疲労が軽くなる気がした。
「少しだけ寝てしまおう」
きっとその方が早く着くだろうから。
規則的な音をどこか遠くにききながら、緩やかな闇に身を委ねた。