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※ほんの少しだけ長編ネタバレ
ドロッチェ団は俗に言う義賊だ。
ポップスターを気に入ってくれたのか拠点はここに置いてるけど、たまにどこか遠い世界に行ってる。
そういうときは一帯で一気に活動して帰ってくるんだって。
派手に動いた方が噂になって、悪どい手口で私腹を肥やす人達には牽制になるとか。
派手に動くと聞くとちょっと心配になるけど……捕まるような人達じゃないしね。
まぁそれはともかく。
そうすると月単位で会えないこともあるんだ。
ドロッチェの能力で会えなくもないんだけど……。
邪魔はしたくないから、ワガママは言わないの。
「……今度はいつ帰ってこられるの?」
ドロッチェの生き方だし、口出しはしない。
その分一緒にいる時は全力で愛してくれるし。
それでもやっぱり、送り出すのは寂しい。
どうしても慣れなくて、笑顔が強ばってしまう。
「爺さんの計算だと、今回は2週間くらいで帰ってこられると思う」
「そっか」
2週間なら短い方だ、と胸を撫で下ろす。
でもついこの前に帰ってきたばかりなのに。
まだ一緒にいたいのに……。
「寂しくなっちゃった?」
「そんなんじゃないもん」
「ごめんな、あっちの季節的に今が一番いいんだ……」
ドロッチェは赤いハンカチを差し出した。
金の刺繍が入ったそれは、彼が肌身離さず持っているものだ。
「寂しくて泣きそうなときはそれ使って」
「……泣かないもん」
ふわりと彼の香りがして、甘く胸が締め付けられる。
それだけで少し涙が出そうだけど、我慢。
「使わないならそれはそれでいいけど、とりあえず持っておけ。
その匂いが消えるまでにはきっと帰ってくるよ」
「そんなこと言うと今すぐ洗濯するけど」
口に出してから後悔した。
こんなの寂しいって言ってるようなものじゃないか。
困らせたくなかったのに悔しくて、彼から背を向けた。
「ごめんな」
後ろから抱きすくめられる。
ドロッチェの匂いと体温に包まれて、強ばった心が少しずつ解けていく。
単純構造な自分に思わず苦笑が盛れた。
「こっちむいて」
「……ん」
身体を反転させて、正面から抱き締め合う。
胸元に頬を寄せれば彼の心音が聞こえた。
「……でも、寂しがってくれるのが少し嬉しいなんて思ってしまったり……」
「性格悪……」
少しイラッとして離れてみようとしたけど、ドロッチェは離してくれない。
むしろもっと深く抱きすくめてくる。
「なぁカービィ、オレのことを思って我慢してくれてるのはわかってる。
そういう、人の気持ちを考えられるところも大好きだ。
でも会いたいときはちゃんと言ってほしい……オレも会いたいし」
胸が熱くなって、ポロリと涙が零れた。
隠そうとしたけどお見通しだったのか、受け取ったばかりのハンカチを奪われてしまう。
驚いて顔を上げれば、少し滲んだ金の瞳と視線がかち合った。
「フッ、早速出番みたいだな」
優しく雫を拭って、子どもをあやすようにトントンと背中を叩く。
油断すると、余計に涙が出てきてしまいそうだ。
「……もう大丈夫だよ、ありがとう」
涙は出るけど、気持ちはさっきよりも落ち着いてスッキリしていた。
ドロッチェも寂しがってくれている、ボクと同じ気持ち……それだけで十分だ。
寂しいことには変わりないけど、いつもよりは自然な笑顔で送り出せると思えた。
ドロッチェ団は俗に言う義賊だ。
ポップスターを気に入ってくれたのか拠点はここに置いてるけど、たまにどこか遠い世界に行ってる。
そういうときは一帯で一気に活動して帰ってくるんだって。
派手に動いた方が噂になって、悪どい手口で私腹を肥やす人達には牽制になるとか。
派手に動くと聞くとちょっと心配になるけど……捕まるような人達じゃないしね。
まぁそれはともかく。
そうすると月単位で会えないこともあるんだ。
ドロッチェの能力で会えなくもないんだけど……。
邪魔はしたくないから、ワガママは言わないの。
「……今度はいつ帰ってこられるの?」
ドロッチェの生き方だし、口出しはしない。
その分一緒にいる時は全力で愛してくれるし。
それでもやっぱり、送り出すのは寂しい。
どうしても慣れなくて、笑顔が強ばってしまう。
「爺さんの計算だと、今回は2週間くらいで帰ってこられると思う」
「そっか」
2週間なら短い方だ、と胸を撫で下ろす。
でもついこの前に帰ってきたばかりなのに。
まだ一緒にいたいのに……。
「寂しくなっちゃった?」
「そんなんじゃないもん」
「ごめんな、あっちの季節的に今が一番いいんだ……」
ドロッチェは赤いハンカチを差し出した。
金の刺繍が入ったそれは、彼が肌身離さず持っているものだ。
「寂しくて泣きそうなときはそれ使って」
「……泣かないもん」
ふわりと彼の香りがして、甘く胸が締め付けられる。
それだけで少し涙が出そうだけど、我慢。
「使わないならそれはそれでいいけど、とりあえず持っておけ。
その匂いが消えるまでにはきっと帰ってくるよ」
「そんなこと言うと今すぐ洗濯するけど」
口に出してから後悔した。
こんなの寂しいって言ってるようなものじゃないか。
困らせたくなかったのに悔しくて、彼から背を向けた。
「ごめんな」
後ろから抱きすくめられる。
ドロッチェの匂いと体温に包まれて、強ばった心が少しずつ解けていく。
単純構造な自分に思わず苦笑が盛れた。
「こっちむいて」
「……ん」
身体を反転させて、正面から抱き締め合う。
胸元に頬を寄せれば彼の心音が聞こえた。
「……でも、寂しがってくれるのが少し嬉しいなんて思ってしまったり……」
「性格悪……」
少しイラッとして離れてみようとしたけど、ドロッチェは離してくれない。
むしろもっと深く抱きすくめてくる。
「なぁカービィ、オレのことを思って我慢してくれてるのはわかってる。
そういう、人の気持ちを考えられるところも大好きだ。
でも会いたいときはちゃんと言ってほしい……オレも会いたいし」
胸が熱くなって、ポロリと涙が零れた。
隠そうとしたけどお見通しだったのか、受け取ったばかりのハンカチを奪われてしまう。
驚いて顔を上げれば、少し滲んだ金の瞳と視線がかち合った。
「フッ、早速出番みたいだな」
優しく雫を拭って、子どもをあやすようにトントンと背中を叩く。
油断すると、余計に涙が出てきてしまいそうだ。
「……もう大丈夫だよ、ありがとう」
涙は出るけど、気持ちはさっきよりも落ち着いてスッキリしていた。
ドロッチェも寂しがってくれている、ボクと同じ気持ち……それだけで十分だ。
寂しいことには変わりないけど、いつもよりは自然な笑顔で送り出せると思えた。