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「ブレイド、これやるよ」
「オレンジのガーベラ……?
いきなりどうしたんだ?」
「花屋のオバサンに捕まって、つい」
「どうしてそうなった……」
「し、仕方ないだろ!『今日は花の日なのよ~』って話を聞いてたら、いつの間にか買ってたんだよ!
俺が持ってても仕方ないし、せっかくだからもらってくれないか?」
「俺に花なんて……ま、まぁ、でも?花に罪はないし?
くれるって言うなら……あ、ありがとう……な……。
……よし!俺!花瓶を探してくるから!」
***
side B
あぁ……またあんな言い方をしてしまった。
もっと素直にお礼を言いたかったのに。
……まぁ、あの反応を見ると嬉しいのはバレバレみたいだけどな。
たしかガーベラの花言葉は「常に前進」「希望」だったか?
俺らにはピッタリな花だ。
本当はわかっているよ。
きっといろいろ悩んでこの花を選んでくれたということも。
俺が受け取りやすいようにああ言ってくれたってことも。
……花屋に乗せられたというのが嘘だということも。
「相変わらず嘘つきだな」
そういうところも好きなんだけどな。
……ところで、花瓶はどこだ?
***
side S
ああ緊張した……花束を渡すのって、こんなに恥ずかしいものなんだな……。
ブレイドはあんな風に言っていたけど、本当は花が好きなのもわかってる。
それでも自分から女性が好むようなものを求めることはしないだろう。
だったら俺が贈ればいいだけの話だ。
案の定「俺に花なんか……」って素直には受け取ってくれなかったけど。
花を見つめる彼女の目が、あんなにも優しかったから。
それが見られれば十分だ。
素直になれないところすら、愛おしいのだから。
「相変わらず嘘つきだな」
さて、そろそろ花瓶を探すのを手伝いにいこうか。
「ブレイド、花瓶あったか?」
「ああ、あったぞ!」
花瓶と花束を抱えるブレイドは、どこか自慢げに笑っている。
一体どこを漁ったのか、彼女のポニーテールは崩れてしまっていた。
「そんなに慌てて探さなくても……」
「だって、せっかくくれた花……枯らしたくなかったから」
花咲くような彼女の笑顔は、大切に抱かれたその花に似ている。
一目惚れしたオレンジのガーベラ。
遠い国では『あなたは私の輝く太陽』という意味もあるらしい。
まさにブレイドにピッタリだ。
俺にとってブレイドは太陽だから。
「似合ってる」なんて言えば、きっとまたそっぽを向いてしまうだろうから、もう少しだけ我慢しておこう。
「オレンジのガーベラ……?
いきなりどうしたんだ?」
「花屋のオバサンに捕まって、つい」
「どうしてそうなった……」
「し、仕方ないだろ!『今日は花の日なのよ~』って話を聞いてたら、いつの間にか買ってたんだよ!
俺が持ってても仕方ないし、せっかくだからもらってくれないか?」
「俺に花なんて……ま、まぁ、でも?花に罪はないし?
くれるって言うなら……あ、ありがとう……な……。
……よし!俺!花瓶を探してくるから!」
***
side B
あぁ……またあんな言い方をしてしまった。
もっと素直にお礼を言いたかったのに。
……まぁ、あの反応を見ると嬉しいのはバレバレみたいだけどな。
たしかガーベラの花言葉は「常に前進」「希望」だったか?
俺らにはピッタリな花だ。
本当はわかっているよ。
きっといろいろ悩んでこの花を選んでくれたということも。
俺が受け取りやすいようにああ言ってくれたってことも。
……花屋に乗せられたというのが嘘だということも。
「相変わらず嘘つきだな」
そういうところも好きなんだけどな。
……ところで、花瓶はどこだ?
***
side S
ああ緊張した……花束を渡すのって、こんなに恥ずかしいものなんだな……。
ブレイドはあんな風に言っていたけど、本当は花が好きなのもわかってる。
それでも自分から女性が好むようなものを求めることはしないだろう。
だったら俺が贈ればいいだけの話だ。
案の定「俺に花なんか……」って素直には受け取ってくれなかったけど。
花を見つめる彼女の目が、あんなにも優しかったから。
それが見られれば十分だ。
素直になれないところすら、愛おしいのだから。
「相変わらず嘘つきだな」
さて、そろそろ花瓶を探すのを手伝いにいこうか。
「ブレイド、花瓶あったか?」
「ああ、あったぞ!」
花瓶と花束を抱えるブレイドは、どこか自慢げに笑っている。
一体どこを漁ったのか、彼女のポニーテールは崩れてしまっていた。
「そんなに慌てて探さなくても……」
「だって、せっかくくれた花……枯らしたくなかったから」
花咲くような彼女の笑顔は、大切に抱かれたその花に似ている。
一目惚れしたオレンジのガーベラ。
遠い国では『あなたは私の輝く太陽』という意味もあるらしい。
まさにブレイドにピッタリだ。
俺にとってブレイドは太陽だから。
「似合ってる」なんて言えば、きっとまたそっぽを向いてしまうだろうから、もう少しだけ我慢しておこう。